記事 での「尾崎翠」の検索結果 61件
「第七官界への引鉄」板垣直子と一冊の本 (4)
板垣直子
林芙美子が1931(昭和6)年12月号の「婦人公論」に書いた「平凡すぎる日記から」には尾崎翠と映画に行ったことが書かれている。この年の7月18日(土)の項である。
平凡。無意に..
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「第七官界への引鉄」板垣直子と一冊の本 (3)
チャップリン
いま、ちよつとあの帽子をチヤアリイの頭から借りて來て大映しにしてみる。ながめたところ、ただひとつの、誰の頭に載つかつてても差支なさそうな山高にすぎない。(おまけに金鑛地の吹雪と公楽..
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「第七官界への引鉄」板垣直子と一冊の本 (2)
公楽キネマのゴールドラッシュ
この日、樺山千代のところに来た生田春月は長椅子に腰をすえると、三人で話したのだという。尾崎は鳥取での講演の題を聞いている。春月は「知識階級の行衛」であると返答した。..
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「第七官界への引鉄」板垣直子と一冊の本 (1)
樺山千代との交流
私が初めて読んだ「第七官界彷徨」は創樹社の1980年刊行の単行本『第七官界彷徨』に収められたものであった。この本は野中ユリの装丁なのだが、その表紙には「こおろぎ」も描かれてい..
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「第七官界彷徨」漫想(6)
臭覚の小説への導入
最後に「臭覚」である。尾崎は匂いに敏感な作家である。「第七官界彷徨」においても匂いの表現は現実感がある。
「こやしを煮て鼻もちならぬ臭氣を發散させる」「香水の匂ひ」「..
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「第七官界彷徨」漫想(4)
味覚と視覚
たしかに、この物語のラストは当初の登場人物ではない、したがってあまり描写されていない人物が登場して割に唐突に終っている。私はこれはなんだろうと思った覚えがある。尾崎が自ら述べているよ..
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「第七官界彷徨」漫想(3)
冒頭二行の削除
ただし、『文學党員』掲載のものは前編であったというばかりではなく、この前編自体が『新興藝術研究』第二輯に掲載される際には一部訂正されている。たとえば冒頭であるが、『文學党員』版..
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「第七官界彷徨」漫想(2)
雑誌『新興藝術研究』
「第七官界彷徨」は、はじめ雑誌『文學党員』1931(昭和6)年2月号に掲載された。ただし、これは全編掲載ではなく、全体の七分の四であって、「前編」と表記されていた。そして..
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「第七官界彷徨」漫想(1)
はじめて読んだ「第七官界彷徨」
尾崎翠の「第七官界彷徨」を読んだのは大学生のとき、したがい札幌においてであった。当時の私は、美術書は丸善か富貴堂、文学はリーブルなにわで探すことが多かったので、..
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落合山川・林と翠(8)
あえて沈黙を守った翠
鳥取へ帰った尾崎さんからは勉強しながら静養していると云う音信があった。実にまれな才能を持っているひとが、鳥取の海辺に引っこんで行ったのを私は淋しく考えるのである。
時々..
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落合山川・林と翠(7)
ミグレニン中毒
二人の関係は林芙美子の『放浪記』のヒットによって変化していったものと思うが、暖かい交流はかなり後まで続いたようである。ミグレニンによる尾崎の病気のことを林は以下のように記述してい..
タグ: 尾崎翠 林芙美子 ミグレニン 放浪記 落合
落合山川・林と翠(6)
『蒼馬を見たり』の出版
たとえば、『苦楽』や『女性』といった雑誌を発行したプラトン社は1928(昭和3)年5月に金融恐慌のあおりを受けて倒産している。大手の出版社が円本による景気にわいていた一方..
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