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『退職カウントダウン日記 6』叱られて・・。 [私の話]

 また休日出勤でも明日は日曜日

5月6日(土)退職まであと70日

 空は晴れ。でも心は曇り。

ここは私の『今・レポート』のコーナーです。

(会社のこと、これからのこと)

 4日・5日の2日間のお休みのおかげで、とても元気に会社に出ました。

 会社を辞めると決めてから、なにか大変なことが始まったような気になっていましたが、それは私にとって事件であっても、世間や会社にとっては、別にどうってことのない、よくある普通の出来事なんだな、ってこのごろ思います。

 私が会社を辞めようと、辞めまいと、みんなは普通に仕事してるし、私も普通に仕事してる。新人たちは一生懸命仕事を覚えようとしていて、ベテランの人達は、いつものように淡々と仕事してる。私がうんざりし、もういやだ! と投げ出したその仕事を・・・・。

 『人には人の生き方があり、あなたにはあなたの生き方がある。あなたが会社を辞めるのは、あなたの生き方で、会社に残って仕事している人たちは、それを良しとして生きるその人の生き方。自分だけが未来を真剣に考えて生きてるんだ、なんて思わないようにね。人生への考え方は、人それぞれに違うんだから』

 私が思いつめて、会社を辞めたいと悩んでいた時、Mさんが言っていた言葉を思い出します。

『毎日同じことを繰り返す仕事なんていやだ、という人もいる。あれこれと新しい発想を求められる仕事に、ノイローゼになる人もいる。

 どんな仕事もやってみなければわからない。

 でも、やればわかるというものでもない。

 努力すれば、必ず望み通りの仕事につけるとは限らないし、その仕事で成功する、という保証もない。

 結局、自分はこれをやる、と決めるしかないのよ。大事なのは、自分に納得できる生き方をすること。満足できる生き方じゃない。納得と満足は違うからね』

 このとき私は、納得と満足の違い、というのがよくわかりませんでした。

 自分の事は、自分がやりたいように決めていいんだ、と解釈したんです。でもMさんは、それには「大きな自己責任がともなう」と、言いたかったのだと思います。

 だからこの後私に、自分がとても軽はずみな解釈をしていたことを思い知らされる事件が、起きたのです。

 

 (私の事件) 

 仕事を終わって、一度家に帰り、ご飯を食べにおいで、と誘ってくれたMさんの家に向かいました。明日はお休み。Mさんの長女のSさん、次女のNさんと3人で日曜日、プロレスを観にいく約束をしていたので、それも楽しみでした。

  食事が終わって、出かけるSさんを駅まで送っていったMさんが帰ってきたとき、私はTVを見ながら、うとうとしていました。

 やることはあったのです。遅れ気味のブログをちゃんと書き上げること。でも私はそのことを、ごく軽く考えていた。仕事ではないし、うまく書けないし、Mさんのサポートなしでは、文章がシッチャカメッチャカだし・・・・。

 だからまあMさんが帰ってくるのを待ってて、つい、うとうとしていると・・・・Mさんが帰ってきました。そして、そんな私をチラリと見て、言ったのです。

『あなた、書くことは、ほんとに好きなの?』と。

えっ・・・・!意味がわかりませんでした。

『書く仕事をしたいとか、絵で食べていきたいとか、いろんな人が来て、私はできる限りその人の希望がかなうように向かい合ってきたけど、はっきり言えば、みんな、ああなりたい、こうなりたいというだけで、いざやり始めると、私が何かしてくれるのを待ってるだけ。

 ここはね、先生の言う通りの事をすればいい点をくれて、何も出来なくても卒業させてもらえる学校じゃないのよ』

 私は、飛び起きました。

『もう一度聞くけど、あなたは書くことが好きなの? それとも作家もしくはライターという職業につきたいの?』

 ・・・・・・・ 実は、こういうシーンは、Mさんとお付き合いし始めて2年の間に、何度も、何度も、目撃してきたことです。

 でもいつも私は傍観者でした。そのころはいちおうOLしてましたし、B君やC君のように、仕事や夢のあれこれを、Mさんに教えてもらう立場にはなかったので。

 でも、いまMさんが言っているのは、まさにあの頃、B君やC君が言われていたことです。今は私が当事者・・・・。

『書くことがほんとうに好きなら、あなたは誰に言われなくても一人で書いてる。私を待ってなんかいない。そしてそういう人には、私は自己表現とは何か、と云うことを教えてあげるし、手伝ってもあげる。

 もしそういう方向の仕事につきたい、プロになりたい、というなら、その方向でプロになるための仕事のやり方、知識の手に入れ方、仕事に必要なもの、というのを教えてあげる。あなたはどっちなの』

 私は恐る恐る言いました。書くことは好き、そして、その好きなことを仕事にしたいのだと・・・・。

『そうは思えないから聞いてるのよ。あなたは、そういう仕事をしている、カッコイイ自分になりたいだけなんじゃないの?』

 この言葉はショックでした。

 考えてもいなかった心の奥を言い当てられたようで、少しムッともしました。何もそこまでいわなくても、と。

 確かにあこがれている部分はあるけど、それだけじゃない、といいたい気持ちがあったのです。でも、言葉が見つからない。今の気持ちを、どう言えばいいのか・・・・。

『私がブログをやりなさいと言ったのは、ひとつは毎日書くということを習慣化するためよ。

 マラソンランナーが、42.195㌔を走れるようになるのは、日々の訓練あってこそ。もちろんコーチが必要。我流には限界があるから。

 文章も同じ。最初は誰も出来ないけれど、毎日毎日書き続けることで、ほんの少しづつわかってくるものなの。無論コーチは不可欠。

 だから好きじゃないと出来ない。

 文章が書けるようになりたいと言ったのはあなたでしょ。あなたが決めたということは、あなたが自分と約束した、と云うことよ。

 自分への約束が守れないようじゃ、止めたほうがいい』

 でも、と私は言いました。Mさんが帰ってくるのを待ってたんだし、仕事をして疲れてもいたし、おなかがいっぱいになって眠くなってしまったから、ちょっと横になっていただけだと。

『あれこれ理由があるからやらなかったということを、誰かに認めて貰ってどうなるの? あなたがなりたいと言っている仕事は〆切を前提とした、その意味では問答無用の世界よ。

 新聞や週間誌や雑誌の一角が、どんな理由であれ、白紙で出ることなんかないのは、そこを担当している者が、どんな理由も言い訳もせず、問答無用で絶対の仕事をしているからなのよ。

 本来はどんな仕事でもそう。

 芝居で脇役の一人が遅刻したら、幕は開かない。その役はその人が責任を持ってやることが前提だから、代わりはないの。

 芝居は例えば一冊の本。一人欠けたらそのページは真っ白になって、売り物にならない。他の全員がした努力も全て無に帰する。だから自分への責任のない人は、その仕事をする資格がない。

 ブログにそこまでの責任を持て、と言っているのじゃない。そういう認識をあなたに持ってもらうために、日記とタイトルをつけたの。

 この日記は、会社に帰って一日の報告をすれば終わる、というものじゃない。これはあなたが決めた、あなたの仕事なの。

 あなたが管理し、あなたが責任を持ち、あなたが全てを決めていく、いわばプライベート・ワーク。だからあなたという人間の、全てが出る。やる気も、やり方も、責任感も、仕事の管理能力も、自己管理能力も、仕事の制作力も、知識も、文章力も、構成力も。

 厳しいことを言うようだけど、自分の力で仕事をしていくということは、そういう全てが出来て当たり前、になることなの。それを手に入れる努力がイヤだというなら、もう一度OLに戻って、上役に責任を取ってもらいながら、できる範疇の仕事をそつなくこなし、能力分の給料を貰う生活をしたほうがいい。

 苦しくて出来ないというなら、日記をやめて週間記にする?月刊記でもいいよ。そのかわり、あなたが手にしたいという力は、ラクになる分だけ、手に入れる時期が後退するだけだから』

 ひと言もありませんでした。私はのんびり横になりながら、Mさんに手を取り足を取ってもらって、言われたことを言われた通りにやってれば、もの書きになれるような気分になっていたのです。

『ほんとうに何かになりたければ、教えてくれる人の全てを盗み取る気持ちで取り組まなきゃ。習うなら、もっと教えろ、もっと厳しく教えろとあなたが要求しなきゃ。私はそのつもりで、持ってる全てをあなたにあげようと思っているんだから。

 怠けたら、自分のプロとしてのスタートが怠けた分だけ遅れる、ぐらいに思わなきゃね。あなたはいまゼロなんだから。そしてそれを承知で、一から学んででも、書くことをやるんだと、自分で決めたんだから。

 何かをやるっていうのはね、物理的にやれない時間以外は全て、やりたいことのために使うんだ、ぐらいの覚悟でやらなきゃダメなのよ。でなきゃ最初の一は手に入らない。一あって始めて二になり、三になるんだから。ゼロはいくつ足してもゼロでしょ』

 聞いているうち、涙が止まらなくなりました。私は何をやってたんだろうって。

 欲しいものに出会うとすぐに飛びつき、でもそれを手に入れる努力は面倒くさい。継続して努力し続ける粘りがない。

 ひとつの事をじっと考え続けるのは苦手で、閃きだけで物事を見てしまう。それで分ったつもりになって。

 だからいつも、物事のうわべだけしか分らない。何故?と聞かれて、まともに答えられたためしがない。

『考えるだけなら誰でもできる。でも、考えたことを、本当に実行に移せる人は、めったにいない。ほとんどの人は考えているだけ』

 退職は誰でも出来ること。

 でもそこから始まる新しい日々を、ほんとうに自分の望む方向に創っていくのは、誰かに言われたからではない、自分の意思と努力なんだということが、会社を辞めてから、わかってきた。

 まだ、わかってきただけだけど。

 以前はそんなこと考えたこともない、ただのミーハーOLだった。

 Mさんは言ったことはやる人です。でも完全な人ではありません。それをよく知っている人です。私にしてくれていることも、Mさんの努力です。だから、努力してする失敗は、決して怒ったりしません。お互い完全ではないもの同志なんだから、と言って。

 怒るのは、本人が、本人のために努力してないときです。今日みたいに。

『完全になんてできなくていい。自分で自分に、大体ちゃんとやってる、と思えれば十分。大体ちゃんとやってる、というのは、少なくとも、続けてやってる、ということだから。私が求めてるのはそれだけよ。いまのところはね』

 今日はいろいろな意味で、大事な何かを学んだ1日でした。

 

 (「今までの事」は、時間を作って少しづつ書いていきます。今日はここまでです。おやすみなさい)

◎日記にリンクを張りました。よかったら読んでください。

4/26  『初めまして、退職カウントダウン日記の予告編です。』

5/1   今日から『退職カウントダウン日記 1』を始めます!

5/2    『退職カウントダウン日記 2』

5/3     『退職カウントダウン日記 3』

5/4  『退職カウントダウン日記 4』怒った日

5/8    『退職カウントダウン日記 5』休日あれこれ

5/9  『退職カウントダウン日記 6』叱られて・・。

5/11 『退職カウントダウン日記 7』友だちづくり

 5/13 『退職カウントダウン日記 8』机と私と大事件!

5/14  『退職カウントダウン日記 9』お得意さまとの別れ。 

5/19  『退職カウントダウン日記 10』”夢”と出会った話

5/20 『退職カウントダウン日記 11 』初めて会社をサボった!

5/22 『退職カウントダウン日記 12 』あなたは甘い!と言われて。

 5/23 『退職カウントダウン日記 13』寄席、初体験!

5/24  『退職カウントダウン日記14』日曜日の想い・・・ 。 

5/31   『退職カウントダウン日記』はワープします!

 

 

 

 

 

 


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yukki-

Mさんのいうことを、ナルホドと思って
読みました
私も今一度、よく自分のことを考え直してみたいと思いました
意味不明でしょうが、いまの自分の心に響いたんです
…努力…
精一杯したいですね^^
by yukki- (2006-05-10 16:53) 

はじめまして、こんばんわ。
>努力すれば、必ず望み通りの仕事につけるとは限らないし、その仕事で成功する、という保証もない。

 結局、自分はこれをやる、と決めるしかないのよ。大事なのは、自分に納得できる生き方をすること。満足できる生き方じゃない。納得と満足は違うからね』

 とても共感できるコトバでした、今の私に。
私も今の職場・・・というか仕事に満足していません。
今まではそれを周りのせいにしていました。でも本当は自分でも気づいています。「悪いのは職場でも、周りの人でもなく、いつまでも今の仕事に納得をしていない自分」そう気づいていました。
だから、このコトバを読んで本当に本当に自分自身に言われているような気がして仕方ありません。
解っているくせに、まだ前に進む決心がつきません。本当に理想ばかり高くて、言う事ばかり立派で、そのくせ努力は嫌い。
 改めて考えさせられちゃいました。
お忙しいようですが、体調を崩さないようにしてください。
by (2006-05-11 00:31) 

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