記事 での「白鳥恭介」の検索結果 103件
地縛記憶2: 京都、地脈の乱れ(第58回)
敦子は、目をこすって、もう一度、視線をこらしてみた。 しかし、そのとき、河原に武者の姿はなかった。 敦子は、真下を見た。 すると、今度は人影が二つ目に入った。 男と女、二人組のようである。
「..
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地縛記憶2: 京都、地脈の乱れ(第57回)
祖母は続けた。
「それ聞いてな、福本ちゅう男は、なんちゅうやっちゃて、あて思うたわ。 そしてな、うちら、その仇のおかげで生きてこれたんやさかい、それ思うと、よけい、情けのうて、情けのうて。 あ..
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地縛記憶2: 京都、地脈の乱れ(第56回)
吉本敦子の実家は、京都市内で手堅く商売を営む老舗の呉服問屋だった。 それが二十年ほど前、日本にバブル崩壊の波が襲った時に、営業は順調だったにも関わらず取引銀行から借金の貸しはがしにあって、敢え無く倒..
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地縛記憶2: 京都、地脈の乱れ(第55回)
自首してきた吉本敦子が、取り調べの場で語った事件の全容と背景はこうである。
最初の供述は、正面橋事件についてであった。
事件の一週間ほど前に、彼女は高木に大学の構内で呼び止められ..
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地縛記憶2: 京都、地脈の乱れ(第54回)
「オッケーです。安藤先生も奥様も、雨の中を遅くまで有難うございました。 私は、もう少し、毛利先輩に付き合って、それから女房のところへ帰りますから」
「唐沢さんの奥さんは、ホテルにひとりでほったら..
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地縛記憶2: 京都、地脈の乱れ(第53回)
「高木という大学院生は、妙に瞬きの多い男じゃないですか。 背は僕と同じくらいで、180センチくらいの痩せた男ですね」
佑太は答えた。
「ええ、そうです。 よく、分かりますね。 それで、高..
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地縛記憶2: 京都、地脈の乱れ(第52回)
山下は、福本の内ポケットに手を突っ込み、何かをつかみだした。 つかんでいたのは福本の財布である。
山下は、その財布から、一万円札を十数枚抜き取ると、再び福本のポケットに戻した。 周りの三人は..
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地縛記憶2: 京都、地脈の乱れ(第51回)
ひげ面の男は、それを待っていたようである。 彼は、福本の背後から音もなく近づくと、いきなり福本の腰の辺りにしがみつき身体を一気に持ち上げた。
福本は驚いて、橋の欄干に必死でしがみつこうとす..
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地縛記憶2: 京都、地脈の乱れ(第50回)
だが、車から降りてきたのは、見知らぬ若い男女二人だった。
二十代半ばと思える二人は、服装はカジュアルなもので、揃って眼鏡をかけている。 男は顔ひげをたくわえ、人相はほとんど判らない。 佑太は..
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地縛記憶2: 京都、地脈の乱れ(第49回)
佑太が、視線を、橋から西に伸びる道路に移すと、遠くに黄色く光る二つの眼が見えた。
〈あれは、魔物? 怨霊か?〉
二つの光る眼は、徐々に大きさを増し、近づくにつれ、正体が見えてきた。
..
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地縛記憶2: 京都、地脈の乱れ(第48回)
「雨乞い合戦、課長のおっしゃる通りでしたよ。 場所は当時の神泉苑。 東寺代表の弘法大師空海と西寺の代表守敏が、雨乞いの祈祷合戦、やってました。 そして、勝負は、東寺、空海の勝ち。 その結果、西寺は、そ..
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地縛記憶2: 京都、地脈の乱れ(第47回)
桜井は、一瞬、躊躇したが、年季の入った金縁の老眼鏡をかけると、ポケットからやや大きめの手帳を取り出した。
しばらくは、忙しくページをあちこちめくっていたが、その手が止まると、やおら口を開いた..
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