記事 での「白鳥恭介」の検索結果 103件
地縛記憶2: 京都、地脈の乱れ(第70回)
「 『信』 『智』 『礼』 の三文字……何やら、五常の德が頭に浮かびまするな。 その三文字に応えるのでござるか、拙者が? この治部が?」
「そうでござるよ。 五常の德で、治部殿が本来お持ちのもの..
タグ: ミステリー小説 白鳥恭介
地縛記憶2: 京都、地脈の乱れ(第69回)
佑太は、背後に、何かを感じた。
ふり返ると、目の前に武者の顔があった。 恐ろしい形相である。 武者には首から下がない。
〈生首か?〉
佑太は心の鼓動を感じた。
「拙者に..
タグ: 白鳥恭介 ミステリー小説
地縛記憶2: 京都、地脈の乱れ(第68回)
「それは、大徳寺(だいとくじ)です」
杏子は答えた。
「大徳寺って、あの沢庵(たくわん)和尚ゆかりの……」
佑太は、学生のころ、日本史の授業で、その寺と沢庵和尚の関係について、話..
タグ: ミステリー小説 白鳥恭介
地縛記憶2: 京都、地脈の乱れ(第67回)
「ん? いや、ようなものではなく、塔そのもの、仏塔じゃよ。 それも五層からなる壮大なものをな。 仏舎利を納めるものじゃ。 形は……そうじゃのう、こんな形かの」
僧は、建物の形を両の手で示す。 ..
タグ: ミステリー小説 白鳥恭介
地縛記憶2: 京都、地脈の乱れ(第66回)
周りを見回すと、少し離れたところに重厚な建物が見える。 その形に見覚えはあるが、輝きが違う。
〈あれは、金堂か?〉
確かに、それは、先ほど傍を通った金堂だったが、ぽつねんと寂しげである..
タグ: 白鳥恭介 ミステリー小説
地縛記憶2: 京都、地脈の乱れ(第65回)
唐沢が京都駅構内で高木洋介のあとを追っていた頃、佑太と杏子は、ホテルから東寺へ向かうタクシーの中にいた。
東寺は、南区九条町にある寺で、東寺真言宗の総本山、教(きょう)王(おう)護国寺(ごこ..
タグ: 白鳥恭介 ミステリー小説
地縛記憶2: 京都、地脈の乱れ(第64回)
のぞみが小田原を過ぎるころ、唐沢が動いた。 彼は最後部のデッキに出て、京都府警にケータイで電話をかけた。 相手は毛利である。
「先輩、今、新幹線の中です」
「何、新幹線? お前、帰りが、..
タグ: ミステリー小説 白鳥恭介
地縛記憶2: 京都、地脈の乱れ(第63回)
「おい、仕事だ。警察のもんなんだが、いま大事な事件の捜査やってんだ。 すまないが、ひとっ走りしてくれないか」
唐沢は帝都警視庁の手帳をかざして言った。 起こされた運転手は、手帳もよく見ずに、ね..
タグ: 白鳥恭介 ミステリー小説
地縛記憶2: 京都、地脈の乱れ(第62回)
吉本敦子は、正面橋から福本洋平を転落させた件に関しては犯行への関与を認めたが、映画村での山本昇と野垣良子を殺害した件では、何か薬物を飲ませることは聞いていたが、死にまで至らせるとの認識は持っておらず..
タグ: ミステリー小説 白鳥恭介
地縛記憶2: 京都、地脈の乱れ(第61回)
その日、午前十一時半過ぎに、広隆寺前の駐車場に車を停めた高木と敦子は、衣装の入ったバッグをひとつずつ下げて映画村へ向かった。
映画村に入ると、二人は、それぞれにトイレに入り、中で着替えを済ま..
タグ: ミステリー小説 白鳥恭介
地縛記憶2: 京都、地脈の乱れ(第60回)
「実はな、マスターから情報が入ったんや。 あの男(ひと)、山下昇っていうてな、映画村の役者さんやそうや。 女の人も役者さんで、野垣良子というお人や」
「あれっ、なんで、あんたにそんな情報、教えて..
タグ: 白鳥恭介 ミステリー小説
地縛記憶2: 京都、地脈の乱れ(第59回)
吉本敦子は出されたコーヒーを飲みほして一息つくと、映画村事件についても供述を始めた。
正面橋での出来事の翌日の昼過ぎ、吉本敦子は文学部の研究室で修士論文の原稿に目を通していた。
事件..
タグ: ミステリー小説 白鳥恭介