記事 での「地下室アントンの一夜」の検索結果 8件
霧や影のちらつきに似て(4)
そしてこの時代の作家の多くは、映画という映像表現がもっている固有のレトリックを文学、文章に取り入れていくことになる。それは意図的に行っていないのかもしれないが、映画がさまざまな形で見せる映像的なトリッ..
タグ: 尾崎翠 中村惠一 映画 映画漫想 第七官界彷徨 地下室アントンの一夜 リュミエール兄弟 坂東妻三郎 霧や影
鳥取と東京・落合の風景と(6)
6.尾崎翠の落合風景
最後に尾崎翠の小説の中に描かれたと思しき描写を拾ってみたい。
西向きの窓から首を出した左側は、幾条かの径を持った原っぱで、原っぱが緩い傾斜で上ったところに杉林が..
タグ: 尾崎翠 落合 歩行 第七官界彷徨 こほろぎ嬢 木犀 林芙美子 落合町山川記 詩人の靴 地下室アントンの一夜
「地下室アントンの一夜」の世界(5)
(5)尾崎翠の内面構造
ここまで、天上・地上・地下という各階層ごとの切口によって尾崎翠の内面を見てきた。ここからは、それぞれに設定された人格とその人格の発言、日記、手記などに書かれた言葉をたどっ..
タグ: 地下室アントンの一夜 尾崎翠
「地下室アントンの一夜」の世界(4)
(4)天上界から地下まで
層雲とは、時として人間の心を侘しくするものだが、それはすこしも層雲の罪ではない。罪は、層雲のひだの中にまで悲哀のたねを発見しようとする人間どもの心の方に在るであろう。
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タグ: 尾崎翠 地下室アントンの一夜 地上 地下 天上界
「地下室アントンの一夜」の世界(3)
(3)地下室アントンの構造
お互いに矛盾する要素が反発しあったり、逆に親和融合しながら、カオスのままに尾崎内には混在しているのだろう。そうしたカオスの内面を、おそらくは暗喩的に職業や人格をもっ..
タグ: 詩人 尾崎翠 地下室アントンの一夜 動物学者
「地下室アントンの一夜」の世界(2)
(2)「アントン」とは?
そもそも「地下室アントンの一夜」というタイトルは不思議だ。なぜ地下室の名前がアントンなのだろう?アントンとは作家アントン・チェーホフのことだという。たしかにチェーホフ..
タグ: 尾崎翠 アントン・チェーホフ 地下室アントンの一夜 湯浅芳子 中條百合子 上屋敷 上落合
「地下室アントンの一夜」の世界(1)
(1)「地下室アントンの一夜」の時代背景
作家・尾崎翠の最後の小説は1932(昭和7)年『新科學的文藝』八月号、通巻26号に掲載された「地下室アントンの一夜」である。この号に掲載された他の文学..
タグ: 尾崎翠 新科学的文藝 地下室アントンの一夜 北園克衛 春山行夫 村野四郎 伊藤整 近藤東 小林多喜二
雑誌『火の鳥』 尾崎翠と片山廣子(5)
(5)こほろぎの背に接吻ひとつ
「霞を吸って人のいのちをつなぐ方法。私は年中それを願つてゐます。でも、あまり度々パン! パン! て騒ぎたかないんです」地下室食堂はもう夕方であつた。
食欲さ..
タグ: フィオナ・マウロウド ウィリアム・シャープ 地下室アントンの一夜 火の鳥 新科学的文学 こほろぎ嬢 尾崎翠 ねじパン 片山廣子 図書館