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X 『破滅に向かって -On The Verge of Destruction-』 [音楽(レビュー)]

これは1992年1月5・6・7日、

東京ドーム3DAYSの模様を収録したライブDVDである。

 

VISUAL SHOCK Vol.4 破滅に向かって 1992.1.7 TOKYO DOME LIVEVISUAL SHOCK Vol.4 破滅に向かって 1992.1.7 TOKYO DOME LIVE

  • 出版社/メーカー: KRE
  • 発売日: 2001/09/05
  • メディア: DVD

 

このライブのCDヴァージョンは

私が初めて購入したCDの1つである。

当時ガキだった鎚鋸少年のあの頃は、

遊びと言えばちょうどスーパーファミコンが主力であり、

「少ないお小遣いを何に使うか?」優先順位はゲームが一番だった。

 

「音楽をお金で買う」という考えは2の次、3の次…

いや、TVでそれなりに音楽番組で視聴できたし、

レンタルCDショップもまだ地元に根付いていなかったので、

音だけを何枚かの千円札を使って手に入れるということは

当時の鎚鋸少年の選択肢の中では、ほぼ有り得ないものだった。

 

それが何故、今のような音楽三昧の生活となってしまったのか?

それがこの音楽との出会いに集約されているのだと思う。

 

 

動機と言ってもあまり自発的ではなかったのかも知れない。

周りの友達で既に聴いている人、話題にしている人もいたので、

「聴いてみてもいいかも?」

くらいだったかも知れない。

それでも、今まで行きもしなかったCDショップに初めて足を踏み入れる

そのきっかけとなった彼らX私の人生の中で一つの事件だった。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/search-handle-url/index=music-jp&field-author=X%20JAPAN/250-3477173-5889816 

 

 

正直なところ、当初ベスト盤が買いたかった私にとって

何もわからずにただ知ってる曲がずらずら並んでいたので購入した

このライブ盤は実はミス・チョイスだったのだ。

しかし、その後悔の気持ちは聴き始めて数分で無に還る。

知らなかったのに何故か口ずさめる曲、多大なる観衆の声援、

そしてその勢いとカッコよさ…

CDごしにナマの雰囲気を味わえた初めての感覚だった。

「このライブを映像で見たい!!」

ライブ会場になんか行けもしないあの当時、

このビデオ(後にDVD)を購入することが一番の夢であった…

 

01.  WORLD ANTHEM(S.E.)

 Frank Marino & Mahogany Rushの曲をカヴァー。

 アルバム『BLUE BLOOD』および初期のライブのオープニングを

 飾った曲として有名である。

 この日はドーム3DAYSの締め。

 これまで以上に独特な盛り上がりがあるのだ。

 また、後の『THE LAST LIVE』ではアンコールの登場時に流すという

 粋な演出がとても好きだった。

 

02.  SILENT JEALOUSY

 紅白初出場時に演奏した曲。

 文字通り「市民権を得た」アンセム的なイメージがある。

 

 口ずさんでしまうようなキャッチーなメロディと

 ドラマティックな哀愁にガキの俺は痺れていた。

 鎚鋸少年が最も一生懸命ギターの練習をした曲であるw

 

03.  SADISTIC DESIRE

 HIDE作曲のHRナンバー。

 原曲は彼の横須賀サーベルタイガー期の楽曲。

 Xのメンバーによるアレンジでこの形に完成する。

 特にTAIJIのベースラインがたまらない。

 アルバム『VANISHING VISION』のヴァージョンも

 刺々しくて好きだ。

 

04.  DESPERATE ANGEL

 改めてXは曲中の煽りとMCでも楽しませてくれるバンドだった。

 「流石のXと言えども少々バテ気味…」

 …こんなのを3連チャンすればそうだろうに。。

 

 メンバーそれぞれにファンが気合を入れる…

 

 「(PATAへ)少し痩せたけど大丈夫?」 byTOSHI

 

 

 「俺は大丈夫だよ!!!」byTOSHI

 

 この曲はTAIJI作曲のアメリカンテイストな曲。

 Xの楽曲の中で意外とこういうのが少ないのは

 彼の存在価値そのものだろうか。

 もちろんHEATHも好きだけどさ。

 

05.  STANDING SEX

 アルバム『JELOUSY』から外れたシングル曲。

 間に合わなかったのが一番の理由らしいが…

 PATA&HIDEのアドリブから始まる…

 何故かこのギターソロやメロディがツボなんです。

 どことなくエロスなところも好きだけど。

 

06.  WEEK END

 いろいろなヴァージョンのある楽曲。

 イントロフレーズで「この曲か!!」

 哀しみ溢れる抒情的なロックンロールナンバーである。

 ちなみにこの続編は後の楽曲、「RUSTY NAIL」

 

07.  DRUM SORO

 何がどうとかではない。

 見るしかないのでは???

 

 ライブ中に失神するドラマー。俺はこの人しか知らない。。

 

08.  HIDEの部屋

 見るしかないPart2。

 

 あくまで精神異常者の演技なのがミソ。

 

09.  VOICELESS SCREAMING

 TOSHI&TAIJIの楽曲。

 個人的には『BALLAD COLLECTION』に入れてほしかった曲。

 Xとしては珍しくTAIJIがギターを奏でる。

 彼らは通じる部分があったのだろうか。

 この「声にならない叫び」は永遠に響き渡る…。

 

10.  PIANO SOLO~ES DURのピアノ線

 個人的にはYOSHIKIのソロコーナーはDRUM SOLOよりも

 PIANO SOLOの方が好き。

 「タイコもピアノもたたく事に変わりはない」

 なんてことも言ってましたな、親分。

 

11.  UNFINISHED

 好きですねぇ。

 初期のアルバムの締めな楽曲ではあったが、

 今ではXへの思いを「アン・フィニッシード」に託している。

 

12.  CELEBRATION

 はい。「瞬間の美学」です!

 HIDE流R&R!!!

 散りばめられたPOPセンスとストーリー無用の歌詞♪

 こんなライブだからこそ映える

 セレブレーションなひと時なのだろう。

 

13.  オルガスム

 上の「HIDEの部屋」もそうだが、

 CDで聴いていたときは何が起きているのかさっぱりだった。

 「こっからこっち!こっちに負けんなよ!!」とかw

 

 いつも大げさに「ラストナンバーいくぜ~」なノリなのに

 この曲でラストになることはないのがまた良い。

  

 

14.  紅

 デビュー曲。「Xと言えば?」な曲でもある。

 どういう訳か後期X(XJapan)になると

 HIDEがソロを弾けない病にかかってしまうので、

 弾き切る姿はある意味で貴重なのかもしれない。

 

15.  JOKER

 再び、MCの面白いバンドである。

 

 「…アンコールに出て来れねぇじゃねぇかバカ野郎!!!」

 詳細はDVDで…

 

 「ジャンピングで行けよ!!!」

 詳細はDVDで…

 

 HIDE作曲のPOPチューン。

 TOSHIの「やれよ!JOKER」は有名か。

 HIDEはこういうロックでギターを奏でる姿が

 一番カッコいいと思う!

 

16.  X

 皆で飛ぶ曲。「通称:Xジャンプ」

 

 XジャンプはJUDI AND MARYのTAKUYAが考えたらしい…

 「TAIJI~!TAIJI~!!」と二回紹介するTOSHI。

 そのワケは後程。

 「飛べぇ~飛べ飛べ…飛べ飛べ飛べ…」

 時折ご当地キレフレーズが飛ぶHIDEにも注目。

 時間のある人は他のライブCDおよび映像で違いを楽しみましょう♪

 

17.  ENDLESS RAIN

 2ndシングル曲。1stの「紅」とは違ったバラードナンバーが

 人気の加速にも繋がった名曲。

 ライブでは大合唱、そして名残惜しむようにドーム全体に響く…

 

18.  SAY ANYTHING~ENDLESS RAIN(CLOSING S.E.)

 エンディング。印象的なのは涙するPATATAIJI

 

 この涙が全てを物語る寂しさ…

 

この勢いを3日間連続で演り通すこと自体が無謀と言える。

まさにタイトル“破滅に向かって”そのものだ。

彼らよりもテクニカルにプレイ出来るバンドはいるし、

彼らよりも速く演奏できるバンドもあるだろう。

しかし、これほどまでに

観客ごと全身全霊でぶつかっていくバンドは他に知らない。

 

会場はXが世界進出するという決起集会のような盛り上がり、

だがメンバーたちはどことなく寂しさを募らせるような表情…

そう。このライブを最後にベーシストTAIJIが脱退してしまうのだ。

 

映像で見るとわかるのだが、その微妙な温度差

ライブの終盤になればなるほど見えてくるかな。

TAIJIのラスト・ライブ、そしてX表記としてのラスト・ライブ…

 

「おぃ…ホントに…長い間…

俺たちエックスに愛と…夢と…勇気と…

感動を俺たちに与えてくれてどうもありがとう。

オマエたちがたくさん与えてくれた分、

これからもずっと…倍にして

返し続けるからな!オイ!!」

 

 

 

そんな彼もまた数年後Xを去っていく…。

これが破滅への序章なのだろうか?

実に奥の深いライブである。

 

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12/13 hide’s 41st BIRTHDAY!

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敢えてPSYENCEたる☆

 

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  • アーティスト: X, YOSHIKI, HIDE, TOSHI
  • 出版社/メーカー: KRE
  • 発売日: 1991/07/01
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  • アーティスト: X
  • 出版社/メーカー: KRE
  • 発売日: 1993/11/21
  • メディア: CD
 

The Last Live~最後の夜~

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  • アーティスト: X JAPAN, YOSHIKI, HIDE
  • 出版社/メーカー: ポリドール
  • 発売日: 2001/05/30
  • メディア: CD
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  • 作者: TAIJI
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2000/04
  • メディア: 単行本
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  • 発売日: 2005/08/02
  • メディア: CD

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miyu-lemoned

このLiveのDVD、いつ見てもあまりにも切なくなってしまい、
最後まで見るのが苦しくなります。
TAIJIのベース、好きだったなあ・・・。
by miyu-lemoned (2005-11-29 22:41) 

鎚鋸

>miyuさま
nice!&コメントありがとうございます!!
そうですね。『The Last Live』以上に“ラストライブ”っ気のある
とても寂しさ募るライブですね。。
セットリストも全ライブの中でも随一のものですし、
TAIJIが最も輝くステージではありますが。
by 鎚鋸 (2005-11-29 22:53) 

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