記事 での「楽土」の検索結果 106件
石の下の楽土には 70
風雪のせいでそれは自然に剥がれてなくなってしまったのかも知れません。そんなこともあるでありましょう。しかし島原さんは気になって、奥さんの墓の納骨棺の蓋を確認してみるのでありました。奥さんの墓のそれは..
タグ: 居酒屋 楽土 墓地 老人 瑕疵 風雪
石の下の楽土には 69
娘はここ暫くの間、墓地に来てはいないのかも知れません。毎日、雨が降る日も台風の日でも来ていた娘が、いったいどうしたと云うのでありましょう。新しいアルバイトのために、毎日来ることが叶わなくなったのなら..
タグ: 居酒屋 楽土 墓地 老人 一人暮らし 胡散臭い
石の下の楽土には 68
そうか、娘に千葉のお土産を買ってくればよかったなと、島原さんは娘を待ちながら思うのでありました。全く、気が利かないところは昔からちっとも変っていないんだからと、島原さんは自分を叱るのでありました。明..
タグ: 居酒屋 楽土 墓地 老人 就職 駅
石の下の楽土には 67
勘定を済ますと島原さんはゆっくり歩いて、引き戸に手をかけるのでありました。拙生はなんとなく島原さんの丸めた背中が妙に寂しそうに見えたものだから、普段はしないのでありましたが追いかけて行って、島原さん..
タグ: 墓地 居酒屋 楽土 老人 就職 手持無沙汰
石の下の楽土には 66
「そんじゃあ、折角のお誘いですから、お伴させていただきましょうかね」
小浜さんが乗り気を見せるのでありました。
「よっしゃ、決定だ。でもオヤジはあくまで俺の引き立て役にしかならないんだから、ママ..
タグ: 居酒屋 楽土 老人 猪口 徳利 酒
石の下の楽土には 65
「熱燗でよろしいですか?」
小浜さんが訊ねるのでありました。
「ええ、お願いします」
島原さんのその返事を聞いて、拙生はすぐに一升瓶から酒タンポに日本酒を一合注ぎ入れるのでありました。
「..
タグ: 居酒屋 楽土 老人 酒 日本酒 猪口 心根
石の下の楽土には 64
それにしても島原さんは今日はどうしたのかしらと、拙生はテーブル席から下げてきた皿や猪口や徳利を洗いながら思うのでありました。もしかして悪い風邪でも拗らせて、寝こんでいるのではないでしょうか。如何せん..
タグ: 居酒屋 楽土 老人 猪口 徳利 病院 家
石の下の楽土には 63
薬屋の主人は時津さんの頭を軽く叩くのでありました。
「時津さんも、あのママにぞっこんの口ですか?」
小浜さんが聞くのでありました。
「妙に色っぽいですからね、あのママは。切れ長の目尻とか少し..
タグ: 居酒屋 楽土 酒 寄席 落語 無愛想
石の下の楽土には 62
拙生が一合桝にコップをセットしてそれに一升瓶から日本酒を注ぎ入れると、小浜さんがそれを取って薬屋の主人の前に置きます。
「へい、お待ち」
その後拙生はビール瓶の栓を抜いて、それを時津さんの方に..
タグ: 酒 居酒屋 楽土 日本酒 冗談 心根
石の下の楽土には 61
「よせやい。そんなんじゃないよ」
薬屋の主人はそう云って例の甲高い笑い声を上げるのでありました。
「酒屋の時津さんとは珍しいですね。滅多にいらっしゃいませんからね」
「あいつは一人でこう云う処..
タグ: 楽土 酒 日本酒 家 冗談 ストレス 居酒屋
石の下の楽土には 60
島原さんは一応、娘を窘めるのでありました。「自棄になっても、なにも解決しないし」
「うん、判ってる」
娘が俯いて云うのでありました。「でも、本当にそう思わないでもないの、あたし」
「おいおい..
タグ: 墓地 酒 老人 冗談 供養 楽土 居酒屋
石の下の楽土には 59
「でもあたし、人と話すのが苦手だし、気が利かないし、愛嬌もなにもないから、雇ってくれるところなんかないかも知れない」
娘がそう云って花立ての花のように少し項垂れるのでありました。
「ところで、暫..
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