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JEFF BECK 『BLOW BY BLOW』 [音楽(レビュー)]

 

ブロウ・バイ・ブロウ(紙ジャケット仕様)

ブロウ・バイ・ブロウ(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト: ジェフ・ベック
  • 出版社/メーカー: Sony Music Direct
  • 発売日: 2005/01/19
  • メディア: CD

 

 

実は今年半ばの“JAPAN TOUR 2005”に参加してきたのだが、

その時に演奏された曲目はその時点での最新作『JEFF』

楽曲は一切演奏されずジェフベックグループ期の楽曲や

JIMI HENDRIXのカヴァーを絡めた、

ある意味意表をついた非常にバラエティ豊かなライブであった。

当然、このアルバムからもアツい演奏が…

 

かのジミー・ペイジ“ギタリストの教科書”と称した

この『BLOW BY BLOW』は彼による

全編ギターインストゥルメンタルで構成されたアルバムである。

 

一説によると“バンド→ヴォーカルアルバムからの離脱”については

第1期JBGで演ったロッド・スチュワート以上のヴォーカルを

求められなかったことが一つの要因であると言われ、

また、音楽的な変遷としても特に第2期JBGからの流れを汲む

フュージョン的なアプローチに挑戦したということも重なり、

その他のさまざまなステップを経験した上で

この完成に至ったということである。

 

ギターのメロディや楽曲の細部の細部にまで手を入れ込んだ

このアルバムは彼でなければ作ることはできなかったであろう逸品。

 

しかしながら、邦題の『ギター殺人者の凱旋』とはよく言ったものだ。。

 

01.  YOU KNOW WHAT I MEAN

 「分かってくれるかい」

 実は発表された当時、この曲だけタイトルがなかった。

 (仮曲名として「IT'S DOESN'T REALLY MATTER」とクレジット)

 ギターによるインストミュージックという方向に

 舵を切った彼にとって後に正式に付けられたこのタイトルは

 彼の意気込みそのものなのだろう。

 カッティングが心地よく響く心躍る曲。

 

02.  SHE'S A WOMAN

 先の曲がフェードアウトしていく中でフェードインしてくる…

 そう、全編インストながら全編メドレー調なのだ。

 一度聴き始めたら止まりませんw

 コチラはTHE BEATLESの楽曲を大胆にアレンジ。

 

 トーキング・モジュレーターを使用した

 まるで喋っているかのようなギターが聴ける!

 

03.  CONSTIPATED DUCK

 ベックのオリジナルながらとても凝った楽曲となっている。

 だけど何故かこの曲はベースに耳を奪われてしまうのだが、

 それはご愛嬌と言うことで。。

 

04.  AIR BLOWER

 “吹き付ける風”“過ぎ去った風”

 二部構成になっていると思われる曲。

 序盤のスリルある勢いがたまらなくカッコいい分

 3分半頃から始まる後編がどっぷりと哀愁でたまらない!

 

05.  SCATTERBRAIN

 常に緊張しっぱなしのキレっぱなし。

 ジャジーな味わいを感じつつ

 ユニゾンプレイ、ソロプレイともに印象的な

 非常に演奏に冴えの出ている一曲!

 

06.  CAUSE WE'VE ENDED AS LOVERS

 スティーヴィー・ワンダー作、「哀しみの恋人達」

 この楽曲の提供にはBB&A期の楽曲が絡んでいることでも有名。

 ベック自身としては「ロイ・ブキャナンに捧げる」曲であった。

 メインメロディの細かなアレンジ、

 一つ一つのプレイに感じられるこだわり尽くし、

 どれを取っても素晴らしい。

 思わずこの楽曲を弾くためだけに

 テレキャスター(ハムバック仕様)を買いたくなってしまう…

 

07.  THELONIUS

 再びスティーヴィーの曲。

 そしてトーキング再びで微笑ましいw

 ワウで、独特なタイミングで、とてもトリッキー。

 

08.  FREEWAY JAM

 ジャムの極みここにあり。

 どことなく気分がノッてくるメロディに

 カラっと晴れた雰囲気が好きな曲。

 ライブでは突っ走ることもしばしば、それもまた好き!

 

09.  DIAMOND DUST

 これまたこだわり尽くされたメロディやプレイが

 アルバムを締めくくるには最高の一曲と言える。

 ちょうどこんな季節にぴったりの冬の彩り。

 バックのストリングスがその寒さを増し、

 ピアノがその煌びやかさをさらに演出。

 あとはベックのギターに震えるのみだ。

 

今年のライブで何故先のようなセットリストになったのか。

それはライブとして再現しにくい楽曲が多かったこともあるだろうが、

おそらくバンドという原点に戻した上で

自身のギターの表現力を確かめたのではないだろうか?

改めて、

アルバム『BLOW BY BLOW』は完璧である。

しかし、彼はまたそれ以上のギター表現者としての

高みを目指している…

 

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JEFF BECK 『Who Else!』  

 

トゥルース(紙ジャケット仕様)

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  • アーティスト: ジェフ・ベック, ロン・ウッド, ロッド・スチュワート
  • 出版社/メーカー: 東芝EMI
  • 発売日: 2005/05/25
  • メディア: CD

 
ジェフ・ベック・グループ(紙ジャケット仕様)

ジェフ・ベック・グループ(紙ジャケット仕様)

  • アーティスト: ジェフ・ベック, ジェフ・ベック・グループ
  • 出版社/メーカー: Sony Music Direct
  • 発売日: 2005/01/19
  • メディア: CD

 

Jeff

Jeff

  • アーティスト: ジェフ・ベック
  • 出版社/メーカー: ソニーレコード
  • 発売日: 2003/08/06
  • メディア: CD
 

アンソロジー(2)

アンソロジー(2)

  • アーティスト: ザ・ビートルズ
  • 出版社/メーカー: 東芝EMI
  • 発売日: 1996/03/18
  • メディア: CD
スティーヴィー・ワンダー・グレイテスト・ヒッツ

スティーヴィー・ワンダー・グレイテスト・ヒッツ

  • アーティスト: スティーヴィー・ワンダー
  • 出版社/メーカー: ユニバーサルインターナショナル
  • 発売日: 2002/06/21
  • メディア: CD

  • アーティスト: Rod Stewart
  • 出版社/メーカー: Warner Bros.
  • 発売日: 1989/10/23
  • メディア: CD


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コメント 18

nobby

鎚鋸さんの解説も【完璧】でしたっ!!Jeff Beck サイコー!!
by nobby (2005-12-02 17:37) 

yubeshi

完璧!この記事に付け加える言葉は全くないと思いますので、nice!押し逃げします。
by yubeshi (2005-12-02 23:42) 

鎚鋸

>カオルさま
初めまして!nice!ありがとうございます!!
またお越し下さいね!
by 鎚鋸 (2005-12-03 00:41) 

鎚鋸

>nobbyさま
初めまして!ようこそお越しくださいました!
ハイ!Jeff Beckサイコーです!!
でも、私の記事に【完璧】は勿体無いですよ~。
これからもガンバりま~す。
by 鎚鋸 (2005-12-03 00:47) 

鎚鋸

>yubeshiさま
nice!ありがとうございます!!
完璧なんて申し訳ないです~。
これからもレビュー加えていきますので
またお越し下さいねっ。
by 鎚鋸 (2005-12-03 00:48) 

camel_mild_since_1913

僕はこれより先に「ワイアード」を初めて聞いたので、このアルバムを聞いたときはすごくPOPな感じがしましたね。もう死語だけれど、まさに「クロスオーバー」なアルバムでした。
by camel_mild_since_1913 (2005-12-03 07:31) 

鎚鋸

>CAMEL MILDさま
いつもお世話になっております!
私も「ワイアード」を先に聴きましたよ。
あちらの攻撃的なサウンドのイメージがあったので
当初はやや期待違いでしたが、
何度も聴いていくうちに効いて来ましたね~。
by 鎚鋸 (2005-12-03 08:38) 

僕はボブ・テンチ、コージー・パウエルなんかとやってた時代が一番好きですね。
竹田和夫もその時が一番だと言ってたな〜。
by (2005-12-03 10:00) 

テレキャスター(ハムバック仕様)作りましょうw
ザクり入れて、必殺のギターを!

トーキング・モジュレーター!涎ダラダラで脳みそ揺らして
ロックです!

何が言いたいかというと
JEFF BECK すきーっ!(;´Д`)...ハァハァ
by (2005-12-03 10:05) 

鎚鋸

>gackさま
コメントありがとうございます!!

>僕はボブ・テンチ、コージー・パウエルなんかとやってた時代
第2期JBGですかね。
あちらはベックにとってバンドとしての
一つの“理想形”なのかもしれないですね。
特に「DEFINITELY MAYBE」はあのメンバーだからこその
たまらない一曲です(一言自己紹介もそんな意味も含めて…)
by 鎚鋸 (2005-12-03 21:09) 

鎚鋸

>ken4lowさま
JEFF BECK すきーっ!nice!どうもありがとうございます!
ken4lowさまの改造経験があれば
テレキャスター(ハムバック仕様)は
スグにでも完成してしまいそうな…
by 鎚鋸 (2005-12-03 21:12) 

いつもながら丁寧なレビューに感心です!
JEFF BECKかぁ・・・、久しぶりに聴いてみるかな!!
by (2005-12-04 00:55) 

ようやく今日紙ジャケ盤買いましたー。
だんだん、ちゃんと置いてるところがなくなり、
新宿タイムズスクウェアのHMVでようやくゲット!
やっぱ音、いいですねー。ニコニコです。
by (2005-12-04 21:35) 

鎚鋸

> へなちょこカウボーイズさま
大変遅くなりました。。。
いつもありがとうございます~。
是非聴いてみてくださいな。
特にこのリマスターは痺れますよ~。
by 鎚鋸 (2005-12-04 22:25) 

鎚鋸

>diamondogsさま
コメントありがとうございます。
紙ジャケ購入おめでとうございます!

私、実はこの紙ジャケで通算3枚目の『BLOW BY BLOW』と
なりますが、一番おすすめの一枚ですよ!
音の質が良くなったことも然ることながら、
一つ一つのプレイのストイックさに改めて気づかされ
感心させられる一枚となりましたよ。
by 鎚鋸 (2005-12-04 22:29) 

PekaPeka

鎚鋸さん、TBありがとうございます。

私もこのアルバムは、当然、LPとCDで持っています。
でも、最近は、探すのが面倒で、Napsterから聴いているていたらくぶりです。

こちらからもTBさせていただきました。
by PekaPeka (2007-07-15 18:48) 

鎚鋸

>PekaPekaさま
いつもお世話になっております!
TBもありがとうございます!

私はCDで2枚程持っています。
プラケース盤と紙ジャケット盤ですが、
それぞれの音の違いやブックレット等の違い等を
楽しんでいます♪
by 鎚鋸 (2007-07-16 01:17) 

鎚鋸

>ayumusicさま
ようこそいらっしゃいました!
初めまして、鎚鋸(つちのこ)です。
nice!ありがとうございました。
またお越し下さいね♪
by 鎚鋸 (2007-07-27 00:23) 

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