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Vol.57 不動産投資信託(REIT)の魅力

 これまで、キャピタルゲイン(売却益)を期待するアクティブ型の投資信託を中心に、株式投資を続けていくうえで役立ちそうな、さまざまなタイプの投資信託をみてきました。 

 今回は、以前ご紹介した毎月分配型ファンドに期待するものとはまた違うものの、本来はインカムゲインを期待する金融商品のひとつである、不動産投資信託(REIT)についてみていきたいと思います。

■不動産投資信託の魅力とは

 不動産投資信託は、REIT(リート)と呼ばれ、日本で上場されているものをJ-REITと呼んでいます。ファンドごとのコンセプトにより、オフィスビルや商業施設、居住用マンションなどを組み入れ、そこから得られる賃料収入をベースに、投資家に収益を還元していく仕組みです。

 “不動産”というと、昔から資産分散を考えるうえで、その一角を担う存在。実物資産である不動産は、資産価値を実感しやすく、保有する預貯金や株式との相関性が低いこと、インフレに強いことなどから、「いつかは保有したい・・・」と考えている方も多いでしょう。しかし、現実には、まとまった資金が必要で、賃料収入を得ようとなると、いわゆるアパート経営などのノウハウが必要で、ネット環境の整備や内装の工夫など、常に人気物件であり続ける努力とコストが求められます。いざというとき売却するにも時間と神経を使います。

 REITは、そんな不動産が抱える、大口資金が必要、換金性が低い、物件に手が掛かるといった欠点を補い、手軽に“不動産”への投資ができる、資金調達面にも優れた金融商品です。日本でも、2001年にREIT市場が誕生して以来、ポートフォリオの中では立派に“不動産”としての分散効果を発揮しながら、証券取引所に上場されているため、株式と同じように「時価で売買できる」流動性(換金性)を併せ持ち、ファンドによっては20万円程度からの投資が可能という、“プチ大家さん”的なニーズに応えることができる商品といえます。

■不動産投資信託への投資法

 不動産投資信託への投資を考える場合、直接、REIT、J-REITを買う方法と、VOL4950でみてきたバランス型ファンドのうち、REIT、J-REITを組み入れているファンドに投資する方法や、世界中の複数のREITあるいは複数のJ-REITに分散投資するファンドを活用するなど、さまざまな選択肢があります。不動産に向ける資金には限りがある場合も多いと思うので、資金の増加に応じて商品をステップアップしていくのが現実的かもしれませんが、バランス型ファンドでひとつ抑えておきたいことがあります。REITを組み入れるバランス型ファンドの場合、一言で言えば、ファンドがファンドを買う、”ファンドオブファンズ“という仕組みを活用して、ある程度の手数料で、さまざまな投資対象への分散を可能にしています。”ある程度の手数料“と書きましたが、ファンドがファンドを買う、ファンドオブファンズでは、どうしても手数料がかさむ傾向があるといわれています。

 一方、最もREIT市場が活況な米国では、すでに百数十本のREITがあり、2007年1月には、欧州圏で先行する、フランス・オランダ・ベルギーに続き、イギリスでもREIT市場が開設し、ドイツ・イタリア・スペインでも開設が検討されています。そうなると、ますますリサーチできない部分をファンドに任せる発想から、世界の複数のファンドに分散投資できるREITファンドの存在も気になるところ。直接、REITやJ-REITを買うメリットとともに、検討してみると良いかもしれません。次回は、日本のREIT事情についてみていきたいと思います。

野尻美江子

マネー
投資・運用生命保険自動車保険ローンクレジットカードキャッシングソニーグループ


2007-02-27 22:56  nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 
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コメント 2

renbajinharuhi

こんばんは。
REITは私の主力投資先の一つです。
REITは高い利回りが期待できるだけでなく、キャピタルゲインも得ることができます。もちろん株式のように数十%や何倍ということはそうそうありませんが、その代わりに、そこそこの利回りで、かなり安定度の高い分配金を受け取れるのですから仕方ありません。しかもある程度まで価格が下がってくると利回り裁定が働いてくるので、どこまで下がるのか解らないという不安が株式などと比べて少ないのです。
さらに不動産を売買した事のある人はわかりますが、現物の不動産は売ろうと思っても買い手を見つけるのが大変です。数ヶ月売れないこともザラです。それに比べるとREITは市場が毎日開いているので不特定多数の人相手に、公明正大な価格で売買ができます。
つまり金融商品の三大要素である安全性、収益性、流動性をそこそこ兼ね備えているのです。

株式より高い安全性・・・多くの物件が入っており分散化がされている。不動産投資としてもワンルーム一室などからはじめるより安全、手間もかからない。
定期預金より高い収益性・・・REITの平均利回りは定期預金(1年もの0.35%)の約10倍
現物不動産より高い流動性・・・上記の通り
もちろん裏を返せば預金より低い安全性、株式より低くなる可能性のある収益性、現物不動産をひとりで持っているのに比べての所有する実感の無さなど欠点もありますが、全てが満点の金融商品は無いので、どこが我慢できて、どこが我慢できないのかは個人個人違うと思いますが、私にとっては今まではほぼ満足できる金融商品でした。最近は人気が過熱してきているのが、少々気になり始めました。
by renbajinharuhi (2007-03-04 23:43) 

野尻美江子

renbajinharuhiさん 
いつもコメントを頂き、ありがとうございます。
renbajinharuhiさんのポートフォリオでも、REITは威力を発揮しているようですね。国内では、依然として長期金利が低く抑えられていることや、公示地価で国内不動産市況が改めて確認できたことで、保有資産の含み益期待が一層高まった銘柄も出ていますね。特に日本では、地震は大きなリスクだと思いますが、金融商品として優れた特徴を持つREITに今後も注目していきましょう。
by 野尻美江子 (2007-04-19 11:49) 

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