日本沈没 回答編2(日本浮上) [ 連載 Old..]
その1のつづきです。またネタバレ、ね。
Q.「日本沈没」ではなくて、「日本浮上」はどうなんでしょう・・・?
先の記事に事実としての「日本隆起」を紹介しました。太平洋プレートなどが押し寄せてくる日本列島は現状でも十分浮きつつあるようですね。
ここでは将来起きるいろんな現象でさらに日本が隆起する可能性を考えて見ましょう。基本的に
日本の沈め方の逆を考えればよいです。
1)火山活動を盛んにする。
まず日本列島を軽くしましょう。一番簡単なのはマグマを増やして火山活動を活発化させるのです。以下、”風が吹けば桶屋が儲かる”方式で、、、
ある日、沈み込む太平洋プレートからたくさんの水が放出される
→ 日本列島の下に、たくさん水が供給されるようになる
→ 水が増えるとマグマができる(岩石の融点が下がる)
→ 火山噴火がおきて溶岩や火山灰が日本の上に降り積もる
+ マグマが日本列島の地殻にくっつく
→ 日本列島の地殻に軽い成分が多くなって、浮いちゃう。
+ 地殻が厚くなっちゃうので、アイソスタシーで陸地が盛り上がる。
※アイソスタシーは「その3」で説明しますね。ちょっとまってね。
2)日本になにかがぶつかってくる
「ヒマラヤ山脈」がこの手の隆起の典型例です。ヒマラヤはかつては海の底でしたが、南からやってきたインド大陸がユーラシア大陸に衝突して、いまのような高い山になりました。大陸はマントルより軽い物質で構成されているので、大陸同士がぶつかると、車同士の正面衝突のように、ぶつかり合うところで地殻が分厚くなるのです(ただ最近の研究ではユーラシア大陸の下に折り重なるようにしてインド大陸がもぐりこんでいるようです)。地殻が厚くなると、アイソスタシーのために山が高くなります。
日本には実は伊豆半島がぶつかっています。伊豆半島は元々もっと南でできた「島」だったのです。もっと南にある大島や三宅島もいずれは日本にぶつかるかもしれません。そうすると日本は徐々に高くなっていきます。
3)日本列島を持ち上げる
以前の記事で、メガリス沈降による日本沈没のシナリオを書きましたけど、次のようなまったく別のシナリオもありかもしれません。
ある日、メガリス沈降開始
→ マントル対流発生
→ 熱いマントルが日本列島の下に上がってくる
→ マントルそのものが盛り上がり、日本列島も盛り上がる。
現にタヒチ付近は太平洋のほかの地域と比べて海底の深さが全体的に浅めでして、これを「太平洋スーパースウェル(巨大隆起)」と呼んでいます。スーパースウェルは深部から上昇するマントル流によるものといわれています。さらに熱いマントルはマグマも作りやすいので火山活動も盛んになるでしょう。
なんか日本浮上のほうが簡単そうだなあ…
つづく。
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