お前の番だ！ 528
　万太郎は口調こそ大人しいのでありましたが、そのきっぱりとした云い草により強い眼光を乗せるのでありました。洞甲斐氏は怖じたように目を逸らすのでありました。 「どうしても、常勝流、の名前の使用を許さん..
タグ： 道場 無責任 立つ瀬 門下生 お辞儀 心根 格式 名前 きっぱり 内弟子

お前の番だ！ 527
　万太郎が冷ややかに云うと威治前宗家は一挙に気色ばむのでありました。しかしここで嬲られたと取って怒っては、ひょっとしたら万太郎の思う壺かも知れないと思い直したのか、徐に眉間の皺を緩めて余裕の表情で一つ..
タグ： 総士 冗談 無表情 門下生 道場 不謹慎 内弟子 無神経 たじろぐ つれない

お前の番だ！ 526
　この内二人は洞甲斐氏と同世代と云った年格好で、体格なんぞも洞甲斐氏と同じ中肉中背と云う風で、一人は地味な普段着姿と云ったところでありましたが、もう一人は黒シャツに白いダブルの背広を着ているのでありま..
タグ： 了見 門下生 お辞儀 胡散臭い 無愛想 名前 気配 典型的 内弟子 総士

お前の番だ！ 525
「そんなところにイチャモンをつけに、態々八王子まで遣って来たのか」 　威治前宗家の方は、万太郎が何とも些細な点に文句を云い立てに来たものだと云う風に、嘲るような口調でそう返して、口の端に憫笑を浮かべ..
タグ： 無神経 無表情 明快 名前 八王子 内弟子 門下生 愛想 総士 道場

お前の番だ！ 524
「失礼いたします」 　万太郎は横の洞甲斐氏に浅くお辞儀してから道場に上がると、真っ直ぐに最奥壁際の威治前宗家の下に歩を運ぶのでありました。その間に威治前宗家が投げ出していた足を胡坐に畳んで、床につい..
タグ： 門下生 遠慮 律義 苛々 物腰 八王子 無表情 お辞儀 内弟子 総士

お前の番だ！ 523
　高尾駅で京王線からＪＲ線に乗り換えて東京方面に一駅戻ると西八王子駅であります。八王子で乗り換えても良いのでありますが、その場合京王八王子駅からＪＲ八王子駅間は少し歩くので、その日の万太郎にはそれが何..
タグ： 門下生 物腰 つれない 気後れ 気配 億劫 駅 八王子 内弟子 総士

お前の番だ！ 522
「また随分、或る意味、スタミナのある心臓ですね」 　靴を履き終わった万太郎は立ちあがりながら、そんな冗談を云って笑って見せるのでありました。あの日、からもう一月以上も経っているのでありました。 「..
タグ： 門下生 物腰 心服 駅 仙川 つれない クール 冗談 内弟子 総士

お前の番だ！ 521
　万太郎は呆れ顔をして見せるのでありました。「二人の名前をご存知ですか？」 「いや、聞いた筈ですが忘れました。覚えておく程のヤツとも思えませんでしたから」 「ああそうですか」 「いやしかし、その..
タグ： 門下生 呑気 及び腰 明快 律義 無責任 八王子 名前 内弟子 総士

お前の番だ！ 520
　来間は心得顔で頷くのでありました。「折野先生ならその二人が胡乱な真似を仕かけてきても、あっさりと撃退出来るでしょうし、ご健闘をお祈りしています」 　この来間の他人事のような云い草が何となく気に入ら..
タグ： 内弟子 大袈裟 組形 体術 無愛想 道場 あっさり 総士 門下生 げんなり

お前の番だ！ 519
　万太郎が女心の機微にもう少し疎くなかったのなら、如何にも不自然に映るあゆみのこの動揺が多少は理解出来たでありましょうか。しかし是路総士依頼のこれから熟すべき役割の困難さが頭の中を殆ど占めている状態で..
タグ： 胡散臭い 名前 八王子 神保町 門下生 呑気 迂闊 機微 内弟子 総士

お前の番だ！ 518
　あゆみは顰め面をして懸念を表明するのでありました。 「僕もそう思います。第一に向こうを説得する自信がありません。それは法的にとか道理とかの面では看板から、常勝流、の文字は外させる事は出来るでしょう..
タグ： 道場 心服 内弟子 たじろぐ 無難 門下生 総士 あれこれ 体裁 コーヒー

お前の番だ！ 517
「問題って？」 　あゆみはもう少し身を乗り出すのでありました。 「会派の名前を、常勝流新興堂派、とつけられたらしいのです」 「ふうん。それは確かに問題あるわね」 　あゆみは眉間に皺を寄せてゆっ..
タグ： 道場 総士 内弟子 名前 小難しい 門下生 コーヒー 大袈裟 可憐 八王子