お前の番だ！ 532
　ノッポが万太郎の掌に注意を向けているのを確認して、万太郎は人差し指以外の指で握り拳を作って残った人差し指を鉤形に曲げると、それを小さく曲げ伸ばしして見せるのでありました。要するにおいでおいでをしてい..
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お前の番だ！ 505
「興堂流が今般解散となるのならば、当然威治君の後の宗家の跡目の問題も、つまり霧消する事になるのでしょうかな？」 　是路総士が茶を一口啜ってから佐栗理事に訊くのでありました。 「そうなります。当初は..
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お前の番だ！ 390
「ああ、広島の須地賀さんならウチにも来ましたよ」 　威治筆頭範士はごく普通に何の気なくそう応えるのでありましたが、是路総士はその後すぐに次の言葉を継がずに、やや間を取って、その間威治教士の顔を呆れた..
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お前の番だ！ 375
　花司馬筆頭教士のこの慰労会は、日を跨いでも続くのでありました。今後の身のふり方に目途が立ったためか、花司馬筆頭教士は来た時の固い表情とは裏腹に、大いに安堵した面持ちで注がれる儘に猪口を傾けるのであり..
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お前の番だ！ 251
「それはそうだけどさ」 　あゆみは困ったような顔で一応頷いて見せるのでありました。 「ところで総本部道場運営の仕事を、これから先僕とあゆみさんが担当すると云う事ですが、僕等の方の役割分担はどうなり..
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お前の番だ！ 198
　万太郎は大岸先生にそう云われて勿論嬉しくはあるけれど、味わいのある異趣に変わり得ると云う自分独特の癖、と云うのが今一つ自分でピンとこないのでありました。 「だから、本当はそう云う癖はこちらとしては..
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お前の番だ！ 174
「折野君はこのところ体に芯が出来てきたように思います。実は一緒に組ませて貰って、その芯がなかなかに強力で、組形でもそれを崩してこちらの手の内に引きこむのがこの頃如何にもしんどくなってきました。是路総士..
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お前の番だ！ 161
　十五分程の、立ち取り腕一本抑え、と云う技の反復組形稽古の終了を告げる興堂範士の声が道場に鳴り響くのでありました。門下生達は一斉に下座に下がって正坐して、次に稽古するべき興堂範士の手本の技を待つのであ..
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お前の番だ！ 155
　寄敷範士の声に道場中に乱舞していた蛮声がピタリと止むのでありました。門下生達は急ぎ下座に下がって正坐するのでありましたが、繋り稽古で動き続けたものだから全員が汗を滴らせながら肩で息をしているのであり..
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お前の番だ！ 154
　次の段階は前の一挙動の動きに次第に速度をつけるものであります。受けが肩を掴んだ途端にすぐに崩しをかけて受けの体を泳がせて、そこに乗じて仰向けに投げ捨てるのでありますが、かと云って受けの手と仕手の肩の..
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お前の番だ！ 151
「次、横面打ちこみ三十本、各個に始め！」 　再び万太郎の大音声の指示で門下生全員が、頭上にふり被った右手刀を矢張り継足に一歩踏み出して、前に居ると仮想した相手の蟀谷目がけて袈裟がけにふり下ろすのであ..
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お前の番だ！ 119
　興堂範士はまたもや顔面に伸びてきた良平の拳を体を右開きに躱しつつ、自分の左拳を接近してきた良平の脇腹に小さく突き刺すのでありました。良平の体線がその不意打ちのような当身に依って少し崩れるのでありまし..
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