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いよいよ、クリスティー特集(後編) [アガサ・クリスティー]

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アガサ・クリスティー特集「名探偵ポワロ」&「ミス・マープル」

前編はこちら
さて、後編は「ミス・マープル」です。
先にも書きましたが、
日本初放送
の新作シリーズです。
マープルを演じるのは、ジェラルディン・マクイーワンさん。



この新作シリーズ、設定は1950年代なんだそうで、「名探偵ポワロ」同様、時代考証にこだわった贅沢なドラマになっています。
ただ、本国ではやや不評だったとか。

HMM2005-06に掲載されている松下祥子さんのエッセイによると、不評の一つは、「パロディみたいな芝居と演出」。
原作から脱線気味で、わざとらしい喜劇じみた演技が、BBC制作のジョーン・ヒクソンのシリーズに比べて真面目な制作に見えない、お金の無駄に映ったようです。

もう1点は、現代の視聴者を念頭に置きすぎた脚色。
なんとミス・マープル、「若い頃に不倫した」という背景がほのめかされているそうです(○_○)
他にも、「レズビアン関係だの、レイプだの、やたらとセックスが加わっている。」
まあ、このことは最近の「名探偵ポワロ」シリーズにも当てはまるんですけどね。
(ポワロ・シリーズの制作は、『ナイルに死す』以降はカーニバル・フィルムが制作から外れて、ITV (グラナダTV)主導の制作に変わっており、このミス・マープルシリーズもITV制作ですからね。)
現代ミステリに慣れた視聴者には普通に受け入れられる反面、クリスティーの<メイヘム・パーヴァ>(ノスタルジアから成り立つ神話の王国で、それぞれの時代の政治的、社会的関心からは完全に遮断されている世界。世界ミステリ作家事典より。)を望む視聴者にとっては、そういう安直なセックス描写は邪魔者以外の何物でもないかもしれません。

まあ、見てみないと分かりませんね。

さて、ジェラルディン・マクイーワンの声優を担当するのは、女優の岸田今日子さん。
この2人、確かに声の質は非常によく似ています。
ただ、予告編を見た限り、個人的には岸田さんの喋り方はやや耳障りかなぁ?
もっとも、ミス・マープルはよくお喋りしすぎて、警察や若者らからは煙たがられる側面が原作には描かれていますから、そういう特徴は出てるのかも。
でも、ジョーン・ヒクソンのシリーズに比べて、セント・メアリー・ミード村ののんびりした感じはあまり出ていない気もします。

これも、見ないと分かりませんね(^_^;

では、今回の放映作品について「Yuseumの勝手に見所」。
このシリーズ、セカンド・シーズンでは『シタフォードの秘密』や、トミー&タペンス物の『親指のうずき』の「非マープル物」にマープルを登場させるという、これまた物議を醸し出しそうなことをやっているみたいです。
しかし、今回放送されるファースト・シーズンの作品はすべてマープル物の長編原作です。
(なお、2ndシーズンでは他に『動く指』と『スリーピング・マーダー』が制作、放送済。)

  • 12/6(水)『牧師館の殺人』

  • ミス・マープル物の長編第1作です。
    この作品、ポワロ物の第1作目でクリスティーの処女作でもある『スタイルズ荘の怪事件』と、プロットが似ているような気がしますが、いかがでしょう?

    なお、先にも述べたジョーン・ヒクソンのシリーズは、ミス・マープルの長編作品を全て映像化しているので、どうしてもそれと比較したくなります(・-・)(。_。)
    こちらは、「可もなく不可もなく」という印象でしたが、今回の作品はどうでしょう???
    【参考】

    ミス・マープル[完全版] VOL.8

    ミス・マープル[完全版] VOL.8

    • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
    • 発売日: 2006/02/24
    • メディア: DVD


  • 12/7(木)『予告殺人』

  • 『予告殺人』はYuseumの好きな作品の一つです。
    終盤の展開が古臭く解決も腰砕け、という意見もありますが、マープル物の作品の中では最もトリッキーであり、意外な真相が好きなんです。
    これが面白いかそうでないかは、今後のこのシリーズを占う一つの指標にはなるでしょうね。
    ジョーン・ヒクソンのシリーズは2時間30分以上の大作で、とにかく長い!
    (見応えはあるけど。)
    その割に、解決編は最後の最後の非常に短い時間で片付けられた印象が強く、やや物足りませんでした。
    (今回の作品は約95分。)
    【参考】

    ミス・マープル[完全版] VOL.12

    ミス・マープル[完全版] VOL.12

    • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
    • 発売日: 2006/02/24
    • メディア: DVD


  • 12/11(月)『書斎の死体』

  • ほう! イアン・リチャードソンが出演するんですか
    彼、Yuseum好きなんですよ(#^_^#)

    この作品の原作は読んでないです。
    ジョーン・ヒクソンのシリーズでは最初に制作された作品で、これまた2時間30分以上と長いんですけど、こちらは「殺人が起きたのに、どことなくのんびりしたムードのセント・メアリー・ミード村」という雰囲気が好きでした。
    特にバントリー大佐がユーモラス、というか「かわいそう(‥、)ヾ(^^ )」という感じがよかったんですけど、今回の作品はどういう雰囲気かな?
    【参考】

    ミス・マープル[完全版]VOL.6

    ミス・マープル[完全版]VOL.6

    • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
    • 発売日: 2006/01/27
    • メディア: DVD


  • 12/12(火)『パディントン発4時50分』

  • この作品は映像化しやすいんでしょうかねぇ。
    アニメのマープルでも映像化されてましたし、今年は日本の2時間ドラマでも映像化されていましたし。。。
    でも、Yuseumはこの作品、あまり好きではない(__;)
    というのも、冒頭の非常に魅力的な展開に比べて、これこそ解決編が腰砕けだから。

    まあ、この作品は「スーパー家政婦」ルーシー・アイレスバロウがどれだけ魅力的かどうか、がポイントですね。
    【参考】

    ミス・マープル[完全版] VOL.4

    ミス・マープル[完全版] VOL.4

    • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
    • 発売日: 2006/01/27
    • メディア: DVD


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    コメント 4

    降龍十八章

    予告殺人は長編で、ドラマでは三篇に分かれていましたね。
    さて、これらは皆総合テレビでしょうか?(確か、BSの契約はされていなはずでしね)
    by 降龍十八章 (2006-12-03 00:50) 

    ゆーじあむ

    降龍十八掌さん、nice!ありがとうございます。
    NHK-BSで放映されます。
    (BSの契約はしてますよ[にこっ])
    by ゆーじあむ (2006-12-05 23:13) 

    降龍十八章

    失礼しました。
    BSは今度、デジタルになるのでまた、新たな出費が必要になりそうですね。
    by 降龍十八章 (2006-12-07 10:58) 

    ゆーじあむ

    ははは、Yuseumはミーハーなので、BSデジタル元年の時に契約したんですよσ(^◇^;)
    コメント、ありがとうございます。
    by ゆーじあむ (2006-12-07 15:38) 

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