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悲しき軽運送屋の顛末記-8 [顛末記]

本当に仕事が無かった。本業の合間に数本の運送。これでやっていけるのかと言う懸念の声が頭の中を渦巻く。

後で分かったことだがどの斡旋業者も同じで、契約して初期の頃には特に仕事を多く与えてくれるのだ。なぜなら最初から仕事が無いと分かると詐欺として訴えられる。なので時間が経つにつれて次第に減らしていき、大体一年あたりで先細りになるようにする。当然会員は(個人業なので斡旋業者の協会に入っていることになるのだ)嫌気が差し諦めて辞めてゆくという筋書きなのだ。
斡旋会社は会員を少しでも多く集めてロイヤリティを搾取することが目的なのだ。多分一部の業者なのだろうが。
いつまでも長居をしてシステムが分かってきて騒ぎ出す輩を排除しなければならない。ましてや大勢に回す仕事量などあるはずも無く、そのバランスを考えれば2年も3年も居続ける奴は厄介者なのだ。

と言うことは、私は余程甘く見られたものだ。始めて間もない時期にこれほど仕事を与えられないのだから。それも面白いもので実際、配送に従事している時に重複して連絡が入る。「仕事は沢山あるのに残念ね」と言いたげに。D社の場合、小さいと言っても5営業所があってわざわざ今、受けている仕事の担当営業所とは違うところからお呼びがかかるようにしているのだ。この辺は巧妙な作戦に踊らされていた。副業と言う条件を出したのがいけなかったのか。たまに与えておけば良いと読まれたのだ。
これでは数百万も使って生活費も出ない。数日考えた結果、とりあえず本業は運送屋が軌道に乗るまで休みと決定。条件を変更することを伝え、きつく仕事を回してもらえるように「お願い」する。


★Photoはイメージです

おことわりしておくと、ここから先の細かい数字は定かではない。私は10年前にこの仕事から足を洗っている。充実した楽しい仕事なら記憶に残しておくところだが、嫌な(仕事の中には嫌でも働かなければならないこともあるが)、ましてや気持ちの上で騙されたと受け止めている事なので、どうしても早く忘れてしまいたいと思う気持ちが働いてしまう。この仕事に関する資料や伝票類は全て破棄してしまっている。「それなら何故いまさら」かと言えば、長きに渡り現在まで精神的に後悔の念が残る事柄であるし、それを告白できるブログという場を与えられたからである。

契約時の条件であるが、まだ記して無い事がある。顛末記-4で運転資金として後述と書いた事項だ。 殆どの募集広告には載っていない、諸々の必要経費。車両代とロイヤリティのほかに協会への会費が毎月5,000円。それに貨物保険代が月々(一年の一括払いもある)、そうして斡旋手数料なるものが売り上げの20%引かれる。これはD社の例で、他社では30%のところもある。
簡単に言えば25万の売り上げで、多くても手取り19万くらいである。営業経費?では最初のロイヤリティの80万は本当に純粋な営業ナンバー取得手数料か、斡旋料も含まれるはずでは…

そして、手取りの中から当たり前と言えばそれまでだが、個人業なのでガソリン代も勿論自分持ち。
それで終わりではない。スポットと言う性格上時間厳守、遅れれば信用をなくすだけではなく違約金の可能性もある。なので殆どの場合、有料・高速道路を利用する。その通行料金もほぼ自前である。荷主との交渉で片道が出る場合もある。他社ではそれが当たり前と聞いたこともあるが往復は絶対に出ない。帰りは下(一般道)である。(D社では往復とも高速代は自分持ちが殆どであった)
軽自動車と言えども運送の仕事。少なくとも一年間に平均15万kmは走行する。会社から提示された上記の経費を差し引いた金額全てが稼ぎとして手元に残るかと思えば車検や各種整備代(オイル交換・タイヤなど消耗品の交換・そのほかの修理費)、次回の新車購入の予算も考えに入れなければならないのは勿論のこと車両保険代もそれから差し引かなければならない。
稼げば稼ぐほど必要経費も増えていく、2ヶ月後に銀行に振り込まれた時には目に見えないので、そっくり手取りだと思うとそれは大間違い。冷静に考えれば当然のことではあるが。


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