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悲しき軽運送屋の顛末記-6 [顛末記]

車のキーを貰って、さてこれから仕事…と言いたいが本格的に動くのは営業ナンバーが来てから。暫くは新しい車の運転に慣れること、地理を覚えると言う名目で与えられた仕事はポスティング。要するに研修期間ですな。


★Photoはイメージです

そう、今では主婦の皆さんの副業になっているカタログを家庭のポストに入れていく仕事。これには2種類あって指定された町内に手当たり次第に配って歩くもの(おそらくこちらが近頃の奥様のパートになっていると思う)。もう一つは住所・氏名が決まっていて、封筒のシールに宛て先の書いてある指定配達(これは現在のメール便になる、その頃はメール便は無い)。

私の仕事は後者。5~6人で一つの市をカバーして配達区域を決めるのだが、新参者には余り効率的でない場所が割り当てられる。たとえば旧番地。●●町1234番地とかで、次の番地が飛んでいたりする見つけにくく配りにくい街。新米が一日にそのようなところで配達できる部数なんてせいぜい100件。逆に配りやすいのは区画整理されている街、特に団地のように整然と家屋が並んでいるところは、隣から隣へとスムーズにポスティングできる。これなら一日に200部は可能。えらい違いだ。家人に会わずに印をもらわないだけ楽なわけだが。

この仕事、受け取ってそのまま配りに出る訳には行かない。宅配も同じだが、まずは仕分け。これに時間を費やす。町ごとに分ける作業から、それを受け取り自宅に帰るとルートを決めて…約1000部くらいを受け持つ。家の中は配達の順番を決めるのに封筒が広がっていぱいになる。これを3~4日で配り終わらなければならない。当然、新米には無理が来る。案外きつい仕事だ。

これが一部120yen。結構良い利益率。少なくても一日の稼ぎとしては1万を越す。とはいえ、一ヶ月を通して毎日あるわけではないのでこの仕事だけでは一ヶ月、十数万にしかならない。
ある時仲介業者に提案したことがあった。封筒の中身、つまりカタログは全て同じもの。ならば宛名のシールは貼らずに渡してくれればルートを決める必要が無くなる。なぜならシールは町名・番地が順番に記されているのだから。ポスティングする時にシールを貼れば非常に合理的なのだが、業者にすれば何がしかの狡をするのではという懸念があるのだろう、何度も頼んだのだが聞き入れてはくれなかった。

実は慣れてきてからは効率が良くなり、営業ナンバーをつけた後も暫く続けていたのだが、「あれよ、あれよ」と言う間に単価が下がってきた。他の競争相手の業者が値段を下げたのだ。自分の首を絞めるとも知らずに。とうとう40yenまで下落してしまい、うまみの無い仕事になって私は本格的な配送業務をすることにしたのだ。初仕事の利益は結局一月8万くらいになってしまった。「あれ、さっき十数万と言ったはず」…そう、何故に手取りが減るのでしょう? これは次回。


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