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悲しき軽運送屋の顛末記-4 [顛末記]

広告を見て決めたことは前記したが、さらに言えば以前私は3回ほど運送業のアルバイトの経験がある。学生時代にSデパートの、軽運送を決める数年前(本業が段々下火になった頃)に大手運輸会社のS社とY社で一度ずつ。このときはリースの車で月に26万を稼ぎ出した。このことが「私にも出来そうだ」という結論を出したのだ。リース車でなければ(持ち込み)30万はいけたのでは…

軽運送の仕事先はD社に決めたが、まずは予算から考えなければならない。その頃の我が家の経済状態は殆ど空に近かったので当然借金。顛末記の1で書いたように幸いスポンサーのあてがあったので(これが今日まで引きずる悪夢になろうとは)お願いに行くことに。

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<その予算とは> ●第一に車両代。営業用の軽自動車は120万くらいで購入可能。ではあるが普通は車を買うときは値引きというものがある。私も自家用車の時には最低でも10万は安くさせたものだ。ところがこの場合、その値引き分はD社の懐に入ってしまう。いや、もっとリベートは貰っているだろう。というのも後で知ったことではあるが、どのメーカーの車種を買っても同じ人物が介入するのだ。つまり直接ディーラーに注文するのではなく、その業者が安いところを探して契約してくるらしい。なので新車のはずが一度名義変更が入ってくる。もちろん新車ではあるが、正確に言えば新古車なのだ。 次にこの車を軽運送用に変えなければならない。営業用にするには後ろのシートはあってはならない。定員は2名。後席の折りたたみシートの場合、固定金具を取って使えないようにする(後で自分で取り付けてしまうのはお役所の知ったことではないようだ)。それに荷物を載せる為にフロアに敷くマット。これをやらないと塗装した床は硬いものなどで傷が付いてしまう。お金のもったいない人はダンボールで済ませる者もいるが。それにハイマウントストップランプとエアコン。えっ「今頃の車は標準装備でしょ」であるが、当時はみーんなオプション。ストップランプは電球タイプと値段の高い(名前は忘れたが)明るいものがある。私は保険代わりに高価なものを注文。「オカマ」掘られて休業するよりは良いという考えだ。季節も冬だったのでサイルチェーンを…そんなこんなで仕事道具である車だけで合計150万にはなったと思う。 ●ロイヤリティー。相手は手数料と言っているが80万という金額。営業ナンバーを取得するためである。

ところが話が進んでくると「代行」が「お手伝い」に変わってきた。記載しなければならない書類は当然自分で。後の申請書類は当時主流であるワープロ機で打ったもの(PCのワープロソフトではない)をコピーしただけ。一部作れば誰のでも同じらしい。つまりお手伝いはコピーとりだけだ。ま、この後の営業無しで仕事を斡旋してくれる条件なので「しょうがない」という心境ではある。口には出さないがD社もそれがあるからと言いたいのだろう。ちゃんと仕事をくれればの話ではあるが。 その書類を持って陸運局へ(正確には軽自動車なので支局だが)。 そうして審査を受け、約一ヶ月後にナンバー発行になる。 少し長くなるが陸運局に行った時の事である。あの頃は長蛇の列。それだけこの仕事に関りたい人が多かった。一時間くらい待たされて係官の前へ。無言のまま淡々と書類のチェックをしていたが、やおら一番最後のページをめくって言った言葉が印象的だった。「なーんだD社から来たんだ」(最後のページには代行業者の社判が押してある)と言うなり許可のハンコが押された。

この先は想像にお任せ… ●仕事は一ヶ月目から収入があるわけではない。今月の仕事は2ヶ月後に入金になるのだ。だから現金になる頃には、どんな仕事でどのくらいの金額になったかは分からなくなってしまう。明細は来るがその文字からどのくらい苦労したかなんて、現金を手にすれば忘れてしまう。それも相手の作戦か…そんなわけで運転資金(後述)と生活費で100万。 それにこれがばかにならないのが地図である。現在従事している人たちはおそらくナビゲーションシステムを使っているのだと思う。が十数年前のナビは「使えねー」の一言。GPSではないし、海の中や公園を走っていることは当たり前の代物だった。地元の細かい住宅地図などは10万近くする。運輸会社では皆コピーして使っている。 都合、私はスポンサーから350万の借金をし、揚々と? この世界へ乗り出して行ったのだ。


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