パーペチュアル機構と自動巻き。 [洋服やファッションのこと。]
前回、オイスター・ケース↓について書きましたので、、、
ついでに、もう少し時計の話題を書きたいと思います。
例によってクラモトさんの書かれた記事によれば、、、自動巻きを
発明したのはロレックス、と記載されています。
ロレックス批判をする方には「パーペチュアル(自動巻)
機構を初めて一般化したのがロレックスだ」という宣伝文句に
対して
「自動巻きはもっと昔からあった」
「自動巻きの量産化はロレックスが最初ではない」
といった反論をされる方がいらっしゃいますが。。。
実はこの批判は正しいし、ロレックス社の「パーペチュアル
(自動巻き)機構を初めて一般化したのがロレックスだ」といった
宣伝文句も正しいのです。
はて?
私が書いたことは一見矛盾したことに見えるかもしれませんが、、、
よ~く読んでください。
ロレックス社の宣伝文句は「パーペチュアル機構」であって、
より広義な「自動巻き」ではないんです。
「パーペチュアル(自動巻き)機構」と(カッコ)書きしていることが
あるのは、パーペチュアル機構というものがそれほど一般的な言葉
ではないためかと思います。
(パーペチュアル機構というのは自動巻きに関する技術の一種ですが、自動巻きという機能を
達成するためには別の技術を用いることもできるのです。)
つまり、さきほどの批判は批判になっていないもの
で、単に話が噛み合っていないだけなんです。
こういった意見のすれ違いがあるのは自動巻きの技術
が1つしかないと思っている方がいらっしゃるためかもしれません。
ちなみに自動巻きに関する技術(とちょっとおまけも紹介)についての
歴史を簡単に整理すると、、、
1770年 Perrelet(アブラハム・ルイ・ペルレ)が世界で初めて
自動巻き懐中時計を製作。
1780年 Breguet(ブレゲ)が自動巻き機構の開発を発表。
1795年 Breguet(ブレゲ)が永久カレンダーとかの有名な
トゥールビヨンを発明。
1924年 イギリス人時計技師John Harwood(ジョン・ハーウッド)
が18世紀のペルレの考案を進展させて、腕時計として
初めて実用可能にして、特許を取得。
1926年 ジョン・ハーウッドの発案をFortis(フォルティス)が
製品化に成功→発売。
1931年 Hans Wilsdorf(ハンス・ウィルスドルフ)が360度回転
自動巻き機構「パーペチュアル・ローター機構」
を発明し、特許を取得。
といった感じになるのでしょうか。
自動巻きという技術にはいくつもの種類があるのですね。
ということで、「ロレックスが自動巻きを発明した」と
書いてしまうと正確性を欠くことになります。
(近頃の雑誌では平気でそう書いてあることがありますが。。。時計の開発にたずさわってきた
発明者・開発者のみなさんに失礼ではないでしょうか。)
それでも現在の自動巻きの「主流」(もちろん傍流はたくさんあります!)
であるパーペチュアル機構を世界に先駆けて
実用化したのはロレックスだ、というのは正しいのです。
私はあまり好きではないんですが、ロレックスには現在まで脈々と
作り続けられるものすごい技術を発明した開発者
(というか、会社の設立者)がいたのですね
そういうわけ(?)で、私のTUDOR↓
は手巻きなのです。
特にロレックスに思い入れがないのと、私の好きな
デカバラでは自動巻きで気に入ったものが見つからなかった
のと。。。
そんなこんなで手巻きの時計が大好きなのです
パーペチュアル機構の話に持っていくまでの過程が、引っ張り過ぎ。
おまけに、パーペチュアル機構が「ローターが時計回り、 あるいは反時計回りどちらに回しても巻き上がる360度回転式ローターによる全回転機構」であるという最も大事な説明が欠落している点で、残念ながら「なんだかなぁ~?」と思わせる文章である。
by ケプラー (2016-08-19 22:35)