源頼朝(吉川英治) [本(歴史もの?)]
司馬遼太郎さんの「義経」を読んですっかり頼朝びいきに
なってしまった私が次にお勧めするのはコレ↓です。
- 作者: 吉川 英治
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1990/02
- メディア: 文庫
描かれている時代は司馬遼太郎さんの「義経」とほぼ同年代で、
頼朝の初陣(平治の乱)から義経追討まで。
この時代を頼朝というひとりの人間に焦点を当てつつ平家一門
の興亡、弟義経の悲劇などにも話は枝分かれ、鎌倉幕府
以後700年におよぶ武家政治の基礎
を築くまでの前半生を力強く描いたすばらしい作品です。
ともすると弟義経を追討した冷酷な人物と思われがちな頼朝です
が、池禅尼の恩情や政子との危険な恋、石橋山での
挙兵と大敗など、まさに波乱万丈。
吉川英治さんの温かみのある人物描写により、読みどころに
溢れる人生が活き活きと描ききられています。
特に、政子との恋がすばらしいです。
目代の山木判官には悪い気がしますが、なんとも潔い恋
都落ちしてから四国へ渡ろうというときに10人以上の妻妾を
引き連れていたと言われる弟義経とは大違いです。
磐石とは言えない権力基盤ながらも必死
の思いで鎌倉に武家政権を樹立しようとして忍耐を強いられてきた
頼朝の人生
弟義経ですら(そして範頼も)追討せざるを得ない、当時の武士たち
が置かれていた権力事情もしっかり読み解いてください。
その上で、義経の行動の意味(仮に本人がそうと意識していなくても)
と頼朝の悲嘆と激怒を感じ取っていただきたい。
武家政権の祖、源頼朝に好感を抱いている方だけでなく、
悪いイメージを持っている方、そして何のイメージも持って
ない方にも。
感じるところの非常に多い本です。
いろんな方に読んでいただきたい作品です。お勧めします!!
t2o さん、nice&TB、ありがとうございます。私も吉川英治読んでみようかな?
藤沢周平の「蝉しぐれ」を私はTVで見たのですが、泣けますよ!
by Lavio (2005-10-18 23:15)
ようちゃんさん、お越しいただいてありがとうございます。
吉川英治さんの作品は人物描写に愛情が込められている気がしますし、
お勧めしますよ!
。。。「蝉しぐれ」まだ読んでなかったです!! 泣かなくちゃ!!
(リザーブが多すぎるのです!!)
by t2o (2005-10-18 23:33)
TBありがとうございます。吉川英治氏は「宮本武蔵」くらいしか読んだことがありません。頼朝ファンとしては、うれしい情報をありがとうございました。ぜひぜひ、読んでみたいと思います。
「義経」司馬遼太郎著を読んだ時には、義経があまりにトホホ~で、情けなくなりました(笑)。
by shinobirika (2005-10-20 19:27)
> shinobirikaさん。
お越しいただいてありがとうございます!&ぜひ読んでみてください。
義経は、吾妻鏡や平家物語をベースに描くと司馬遼太郎さんのように
トホホな人物描写になっちゃうみたいです。
人物を魅力的に描くことに長けた司馬さんが描いて「あのザマ」です
からね。。。
by t2o (2005-10-20 22:11)