それはまだ終わらない。戦後は続く。(8月15日靖国神社参拝記 その2) [今そこにあるモノを見にいく(ルポ)]
(前回より続く)
遊就館は遠目からでも混んでいそうだったので、
とりあえずお茶をすることにした。
ちょっとイイ感じのTシャツが、ボディに着せられて、参道に、ぽんと置かれていた。後ろには、机をしつらえて、そのTシャツを着た中高年の方が、資料配付と署名依頼をしている。どうやら例の、合同戦没者追悼施設設立に反対する会が、Tシャツを作成、販売しているようだ。Tシャツを購入することによって、その会に寄付をすることになるのだろうか。Tシャツはその大日本帝国系デザイン性により、購入をためらわれるが、設立反対の趣旨には賛同するので、資料を頂こうと近寄るがスルーされてしまう。やんぬるかな。仕方なくそこを去り、もの悲しいアコーディオン響きと、それとは対照的な、朗らかな軍歌流れる食堂に行く。
そこは土産物売り場も兼ねていた。
早速知り合いに頼まれたカミカゼはちまきを購入。
中は黒服連と、遺族らしき参拝者、(前述した歳取って太った浅野忠信にも、ここで出会った。)そしていわゆる金髪、謎のジャージ姿といった方も多い。理論派は黒服、実行部隊はああいう感じの方なのだろうか?ここでも黒服の方々のイケメソ率に驚く。
(知り合いの、若手右翼活動家に上記の話をしたところ、ふん、と鼻で嘲笑われてしまった…。)
小さな子供達も縦横無尽に走り回る。居場所を確保するにも苦労するほど。歓声とどよめき。笑い声。大変にぎやかだ。外にはちょっとしたベンチやテーブルがあり、そこに陸海空軍のコスプレイヤー、アコーディオン弾きが集まって軍歌を詠唱していた。
気になったのは、その食堂の外には自販機が並んでいるのだが、靖国神社にもロッテの自販機が…。 まあ、企業に国境はないわけですが。
コスプレイヤーも混じり、軍歌、いよよ朗々と響く。
靖国そば、というのがあるので注文する。見たところ肉そば?のようだ。一般の肉そばと違うのは錦糸卵がのっていることか?そしてその味は舌にがっつりと濃い。
私の横に、乱れたソバージュヘアのいかにも姐御然とした方が、座る。すかさず、若い衆といった風情の黒服の方が、ライターの火を彼女の前にかざす。いかにも当然と言った様子で泰然と紫煙をくゆらす姿に、内心、すんげぇとこにきちまったなぁ…と実感す。
絵馬をみることにした。
英霊の安らからんことを、といった正統派がまず目につく。と、中に、以前良く朝生にでていた某ライターさんの同姓同名を発見。同じ日に2枚、あるいは日を変えて…と、何枚か奉納されている。太平洋戦争について、あるいは、戦後の歩みについて書いてあったりする。が、その大量奉納の意味はよくわからない。
意味不明な絵馬も多い。
「女友達ができますように」と大きく書かれた後に、ごく小さく「英霊の安らかな眠りを…」ととってつけたように記したモノや、「夫の浮気が直りますように」といった、上に記したような’遠慮’が全くないモノ、ひたすら何校も何校も記した合格祈願モノ、北朝鮮が不審船で領海侵犯をしてます、といった報告モノ、日記のように自分に起きた出来事を記しただけのモノまでいやいや、それはもう百花繚乱です。中でも一番良かったのは拙い字で「お兄ちゃんの亀が長生きできますように(-人-)」と記したモノだった。
時間は夕刻にせまっている。
遅れてミッチェルがきた。
彼は思想的には左なので、参拝はしない。
そういう姿勢はどうかと、日本国のために戦死した人々を祀っているのだから、参拝はすべきだろうと催告するが、聞き入れない。仕方なく、参道をうろうろしながら、追悼施設はいらない、いやいる、などと議論をしていると、戦闘服的ゴス系の格好をした3人組とすれ違った。ああいう場所ではきっちり軍服を着た方が、かえっていいような気がする。
なんだか変に浮ついた感じになり、御霊に失礼ではないか!と黒服の方々に、カツをいれられやしないかと期待、ではなく。などと雑念を抱いていると、手水を使っているのは、完全なおねえちゃん服を着たキャバクラ出勤前によったのか?というような唐突な集団だった。よくみると、カメラマン、ライターらしき人もいるので、取材らしい?ことはわかる。しかしその取材に、なんの意味があるのかはわからん。サブカル系雑誌得意の異文化交流だろうか。
来年は終戦60周年か…。形骸化している左翼陣営がどこまでやるか、また見に行くかな。そして皇国の礎となるべく、戦死された御霊の安らからんことを祈るために。また。
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