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ケータイ刑事銭形雷17話[改訂版] [ケータイ刑事]

今回は第17話「ミステリー作家は二度死ぬ!? ~江戸川サンポ殺人事件」である。元ネタは言わなくても推理小説作家の大御所・江戸川乱歩ということは直ぐに分かる。(と言うより、気づかない方がどうにかしている。)こういうのって、本シリーズのような推理ドラマであればどのように料理されているのか、大いに注目されるところでもある。そう言えば、人気作家が殺されるという事件は「銭形泪」で2度(恋愛小説家、売れっ子漫画家)ありましたね。でも、今回の事件はそれらの物語とは被らないトリックと動機ということで、少し安心しました。

この記事のタイトルに「[改訂版]」と付いているのは、BS-iの本放送時に記したものをベースにして加筆を行っているためです。(BS-iの放送時に記したものはその物語が最新作であった時に記したものですが、今回は「銭形雷」全40話まで見た後なので、全体を見通した観点からも追記しています。)BS-iの本放送時に記したものと合わせてご覧頂ければ幸いです。(BS-iでの放送時に記したものは、ここをクリックして下さい。)ということで、いつものように長文&今更ながらのネタバレありで、本編に行きます。

警視庁、トミーが本を読んでいるところに姿を現した雷ちゃん。「岡野さん、また変な資格の勉強ですか?」と口にすると、トミーが読んでいる本のタイトルを見る。「パノラマ写真現像殺人事件、江戸川散歩(えどがわ・さんぽ)?」と久谷する雷ちゃんに「知らないのか、銭形くん」とトミー。(これは「銭形泪」で泪ちゃんが、パートナーに対して何度か口にした「知らないんですかぁ~?」というのを逆の形にしたものですね。)そして説明を始める。江戸川散歩は日本でも指折りのミステリー作家で、この本は彼の最新刊で、名探偵・烏山小五郎(からすやま・こごろう)の必死の捜査も空しく第二の密室殺人が起こったところで「下巻」に続くと言うことでした。(続きが気になるトミーでした。)しかし雷ちゃんは興味を示さずに「勤務中なのに...」と漏らす。するとトミーは自慢の資格を口にして「私はこう見えても、日本推理小説解説検定…」と言って資格証を自慢げに見せようとする。が、雷ちゃんが「4級ですか?」と尋ねる。しかし「違う」とトミー。そして「今度の昇級試験に受かれば初段ですよ」と言うトミー。(雷ちゃんは「段があるんだ...」と呆れていました。)で、初段になれば茶色の栞から黒の栞に昇格すると言って笑うトミー。(柔道や空手の黒帯ということなんですね。でも、黒帯、もとい黒栞になってもそれこそ自己満の世界だと思うのですけど... まあ、トミーのような資格マニアはそれが喜びなんでしょうが...)

そういうやりとりをしていると、雷ちゃんの携帯に「警視庁から入電中」という着ボイスで事件を知らせる入電が入る。携帯に出ると、港区赤坂の江戸川邸で殺人事件発生。被害者はミステリー作家の江戸川散歩。直ちに現場に急行せよ、ということでした。で、それを聴いたトミーは「何てことだ~」とショックを受ける。心配なのは「パノラマ写真現像殺人事件」の続きがまだ発売されていないということで、「結末が分からないじゃないか~」ということだった。これに雷ちゃんは「どっちが心配なんですか?」と言いながら「早く現場に行きますよ」とトミーの背中を押しながら現場に向った。(→愛読小説の作家が殺されたと言うことで、泪ちゃん(「・1st.7話/2nd.3話」)の反応とはまたまた違ったトミーの反応でした。)

事件現場に到着した雷ちゃんとトミーは直ぐに捜査を開始した。江戸川散歩は、こめかみを銃で撃たれていて、書斎の椅子で死んでいた。机の上には万年筆があり、「仕事中にやられたようだなぁ」とトミー。そこに鑑識・柴田束志が逆立ちしながら「報告します」と検死報告をする。「使用されたのは38口径」そして逆立ちを止めて普通に立つと「至近距離からの発砲により、被害者は即死です。他に争った形跡は全く見られません」と続ける。更に窓際に行くと「犯人が出入りしたのはバルコニーに続くこの窓です。丹羽にも犯人のものと思われる足跡を発見しました」と雷ちゃんに報告する。で、雷ちゃんは部屋に落ちているガラスの破片の上に鍵が落ちているのを発見すると、その鍵を手にして「これって?」と柴田に尋ねる。すると「ぎかのやへ、すなわち部屋の鍵ですね」と柴田。(一時期は出てこなくなっていた逆さに言う束志の得意技が久しぶりに出ました。)すると「指紋を採ってください」と指示する雷ちゃん。一方、トミーは書斎の机の上に並んでいる書籍を見ていて「江戸川先生の本が全部揃っているんだ」と興奮している。が、雷ちゃんはトミーが手にしている本を取り上げると「そんなことはいいですから。家族に話を聞きますよ」と言ってトミーを引っ張っていきました。→小説家が自分の出した本を揃えているのは当たり前のことです。ちなみに、そこにあった書籍のタイトルを記すと「怪人二、三面相」「パノラマ写真現像殺人事件」「BS坂の殺人事件」「黒子組」「多聞亭事件」「吸血蚊」等々。(「野球盤…」(画面の端にあって、全部の文字は分からない)というのもあった。)→ここでは記しませんが、元ネタは全て分かりますよね?

江戸川散歩の家族に話を聞く雷ちゃんとトミー。息子の江戸川清(えどがわ・きよし)が自己紹介で「小説家です」と言う。そして、隣にいる男を「親父の顧問弁護士の桜井さん」と紹介し「そして、義理の母の…」と女性を紹介しようとすると「江戸川の家内です」と自分で名乗る。(名前は言わなかったが、栄子(えいこ)という名前。また彼女は後妻であった。)普段は清、散歩、栄子の3人暮らしだが、今日は、散歩から重要な話がある、ということで、桜井は呼び出されたのだった。桜井が着いたのは1時ちょっと前で、それを栄子が玄関で迎えた。その時、2階から銃声が聞こえたため、慌てて駆けつけてみると、書斎のドアには鍵がかかっていて、呼んでも返事がなかった。で、隣の部屋にいる清(彼はヘッドホンを付けて音楽を聴いていたので、銃声は聞こえなかった、と言う)を呼び、書斎のドアを破り中に入ったら散歩が死んでいたというのだった。雷ちゃんは先ほど発見した鍵を見せると、「これは書斎の鍵ですね?」と尋ねると、その通りで、「何処にありました?」と清が尋ね返す。「書斎に落ちていました。指紋は被害者のものだけです」と答える雷ちゃん。また、鍵は内側から掛けられていて、しかもスペア・キーは無し。(この鍵のパターン、「ケー刑事」では得意のパターンです。)が、トミーは鍵に拘る雷ちゃんに対して「銭形くん、どうしてそんなに鍵が気になるのかな?犯人は窓を破って侵入したんだよ。密室殺人じゃないんだから...」と言うが「まだそう決めつけるのは...」と雷ちゃん。(トミーの結論は相変わらずです)が、栄子がそんな二人の会話を遮り「それより、早く犯人を捜してください」と言い、清も「警部さん、オヤジを殺した犯人を捕まえてください」と、いかにも被害者の家族という発言をする。これにトミーは「分かりました。この岡野警部の名誉にかけて」と張り切り、立ち上がる。雷ちゃんは「だから、でしょう~」と呟きました。(もはや、これはお約束です。)

庭で犯人のものと思われる足跡を調べている雷ちゃんとトミー。「綺麗に残していったなぁ~」とトミーはほくそ笑んでいる。「昨夜は1時間当たり3ミリの降水量がありましたからね」と言う雷ちゃん。(確かに、適度な降水量があると、土には足跡ははっきりと残ります。)で、トミーが自慢げに「犯人はあの塀を乗り越えて中に入り、バルコニーへとよじ登り、窓ガラスを割り部屋に侵入、江戸川氏を殺害した後、また同じルートを通って外へと逃走して行った。」と語る。が、雷ちゃんは腕組みして聴いているのかいないのか、自分の考えを進めている。トミーは続けていて「家族の人の話では、盗まれたものは何も無さそうだし、盗まれたのは原稿だ!」と雷ちゃんに自慢げに言う。が、「えっ?」と雷ちゃん。トミーは、犯人は小説の続きが気になって原稿を盗み出そうとしたが、江戸川氏に発見され、やむを得ず殺害してしまった。犯人は熱狂的なファンで拳銃まで持っていた、という結論を出す。(→それならトミー、あんたが犯人でしょう、と思ったら)「犯人はあなたです」とトミーに向かって雷ちゃんが間髪入れずに言ってくれる。(ありがたいツッコミです。)で「犯人は私です」とトミー。(期待通りのことを行ってくれる雷ちゃんとトミーです。)

雷ちゃんは「この足跡はニセモノです」と言うと、早速トミーの推理を否定して自分の考えを話す。行きと帰りが同じ歩幅というのは変で、人を撃って逃げたらもっと足跡は乱れるはず、という説明です。しかし「それじゃあ外から割られた割られた窓ガラスはどう説明するの?」とトミー。が、犯人が窓を破って侵入してきたら被害者は逃げようとするはずで、机に向かったまま至近距離で撃たれるのはあり得ない、と言う雷ちゃんでした。が、清は「それなら犯人はどうやって逃げたのでしょう?それにそんな偽装工作をしている時間はなかったと思うんですが」と問う。これに「それはまだ分かりません」と言う雷ちゃん。で、桜井弁護士に「重要な話」とはどういう用件だったかを尋ねる。「おそらく遺言に関する話ではないかと...」と答える桜井。(昨日、突然散歩から電話があり、遺言状を作成したのでそれを渡したい、ということだった。)で、栄子が桜井に詰め寄り遺言状のことを確かめようとする。(しかし現時点ではまだ桜井弁護士の手には渡っていなかった。)雷ちゃんは「江戸川さんは何処か体の具合が悪かったのですか?自分の死を予測していた?」と尋ねるが「いえ、健康そのものでした」と答える清。で雷ちゃんは、犯人はその遺言状を持ち去ったのかも知れない、と考える。

そこに柴田が「報告します」と行って姿を現すと「下駄箱からこんなものが発見されました」言ってスニーカーを見せる。そのスニーカーは庭に足跡を付けるために使ったものだった。で、「庭に足跡を付けたり、窓ガラスを割ったのは…」とトミーが言うと「この家の誰かですよ」と雷ちゃんが断言する。すると清は「親父だ。もしかしたら親父は自殺したんじゃないでしょうか」と言いだした。トミーは直ぐにそれに同意するが、雷ちゃんは「それならば現場に凶器が残るはずです」と自殺説を否定する。が、清は「書斎の窓はずっと開いてましたよね。窓から出て行ったのは犯人ではなく…」と言うとトミーが「それだ。自信を持って言いなさい」と後押しをして、「凶器だったんではないでしょうか」と言う。トミーは「その通りです」と清に言うと雷ちゃんの方を振り向いて「どうだ!」と自信たっぷりに言いました。(しかし、手が震えていました...)

庭を調べる雷ちゃん、トミー、清。井戸から、ロープで錘と拳銃が結ばれた凶器が発見された。で、「清さんの言った通りだ」とトミーは興奮する。で、清の推理は、散歩は銃と錘を結んだロープを用意して、バルコニーから錘を垂らしておいた。そしてロープを伸ばして椅子に座ると、こめかみに当てて引き金を引く。手を離れた銃は錘によって引かれて、そのまま庭にある井戸に落ちた、というものだったであった。「だから現場に凶器が残らなかったんだ」と一人で納得するトミー。清は「そう言えば前々から自分が死ぬときは、ミステリー作家らしく奇妙な死に方がしたい、と言っていました」と言うと「江戸川先生らしいなぁ~。他殺に見せかけて自殺か」と勝手に結論を出してそれに納得するトミーは「これで偽装工作をしたことも、部屋に争った形跡がなかったことも、全て証明が着く。流石は推理作家の息子さんだ。鋭い所を突きますね」と清に感服し、「これで事件は全て解決した」と言う。しかし、雷ちゃんはそんなトミーを相手にしないで「よどむ、悪の天気」(ここでAパート終了、経過時間は約12分半でした。ということで、Bパートは約13分ということになります。)

1階の応接室。トミーは桜井弁護士と栄子に結論を伝える。トミーは「今まで読者をアッと言わせてきた売れっ子のミステリー作家は、今度は自分の死を以て世間にその名を知らしめたかったのかもしれません」と説明する。雷ちゃんが待ったを掛けようとするも、それを制すると「遺言状の件もみんなをこの家に集める口実だったのです」と語り、この一件は自殺と言うことで処理をする、と伝えると退散しようとする。しかし雷ちゃんが「ちょっと待ってください、岡野さん」と帰ろうとするトミーに待ったを掛けようとする。しかし「事件は解決したでしょう」とトミー。雷ちゃんは「ちっとも解決してませんよ。江戸川さんは自殺したのではありません」と言う。すると清が「井戸の中に凶器があるのをあなたも見ていたでしょう。これは全て親父が仕組んだことなんですよ」と言って、トミーの下した結論に援軍を送る。これに「待ってください、これは自殺ではありません。証明できます」と雷ちゃんは反論を開始する。

2階の書斎、雷ちゃんは「清さんの推理を元に、自殺の現場を再現してみます」と言って再現実験を始めようとする。で、(お約束で)トミーが死んだ江戸川の役を演じることになるが、ベレー帽を被って、手にはパイプを持っているトミー。(→そんなコスプレはしなくていいんですが... そういえば、トミーはコスプレ検定の資格も持っていたからやりたいのでしょうが...)

雷ちゃんはバルコニーに行き、そこから錘を垂らし、ロープに結びつけられた銃を書斎の机の椅子に座るトミーの手に渡すと「では岡野さん、自分の頭を撃ってください」と指示を出す。で「はい、バァーン!」と言って引き金を引き、銃を手から離すトミー。すると銃は錘に引っ張られて窓の方に移動していった。しかし銃は途中で止まってしまった。それを見たトミーは「あれっ?止まった」と口にする。雷ちゃんは「分かりましたか?」と冷静に説明を続ける。この位置(デスクの位置)まで来ると、ロープの重さと摩擦が加わって、銃は外には落ちない、つまり、江戸川が本当に自殺をしたのであれば銃は外の井戸に落ちるはずがない。銃を落とすには、もっと窓から近い位置で銃から手を離す必要がある、と語る。そして、書斎の窓際にあるソファの背もたれの上辺りで雷ちゃんが銃から手を離すと、銃は錘に引っ張られて井戸に落ちていった。そして「おそらくこの仕掛けは、ソファで自殺することを想定して作られたんです」と言う雷ちゃん。清は指をくわえながら雷ちゃんの説明を聞いていたが、何も言わなかった。これにトミーが「ちょっと待った、銭形くん、頭が混乱してきたんだけど、この仕掛けを作ったのは誰?」と雷ちゃんに尋ねる。「勿論、江戸川さんです」と直ぐに答える雷ちゃん。仕掛けを作ったのも、足跡を残したのも、窓ガラスを割ったのも江戸川だとトミーは雷ちゃんに確認するが、「自殺をしたのではない」と言うと、「この事件は、江戸川さんの殺人に見せかけた自殺の計画を更に利用した犯行なんです」と雷ちゃんが言う。するとトミーが「殺人に見せかけた自殺に見せかけた殺人だ」(これが丁寧にテロップとして出ます。→なんて親切なんでしょうか...)と頭の中を整理して確認した。しかしそれを聞いていた栄子が「一体どっちなのよ?」と雷ちゃんとトミーに食ってかかる。というのは、自殺と他殺では保険金の入りが変わってくるというのである。すると「これは間違いなく他殺です」ときっぱりと言う雷ちゃん。が、清が「でも仮に、そうだったとしたら、ちょっと面倒なことがありますよね。一体どうやって犯人はこの部屋から逃げたのでしょうか?」という疑問を口にする。が、これには雷ちゃんは答えられなかった。

庭に出た雷ちゃん。トミーが「屋根に上った形跡はない」と調べた結果を伝える。ということで、犯人がバルコニーから屋根に逃げた線は消えた。部屋には鍵がかかっていたし、庭に降りたのならば発見した足跡以外にも足跡があるはずということで、「犯人の逃げ道は他には無いなぁ」とトミーは漏らす。これに雷ちゃんが「でも、それって重要ですよ」と言い、「もし、現場を密室状態にしたのが犯人ならば、それは自分のアリバイを作るためです。犯人はあの3人の中の誰かです」と閃いた。

再び書斎を調べる雷ちゃんとトミー。がトミーは「やはり、おかしいよ。犯人は江戸川氏が自殺することを知っていたのに、どうして殺したんだ?」という疑問を口にする。(でも、江戸川散歩の本「怪人二、三面相」を開いて読みながらのトミー...)これに「だからその答えを探すんです」と雷ちゃんは言い、遺言状を探すという。これは、散歩はミステリー作家らしく、遺言状も何処かに隠しているのではないかと言うことです。これに「それはあるな!」と同意したトミーは「日本ミステリー小説解説検定初段のこの私に任せなさい」とトミーは大張り切りで遺言状を探し始める。(書棚を探し始める。)これに雷ちゃんは「まだ初段じゃないのに~」と、もはや定番のカメラに向かってのツッコミを入れてくれます。

雷ちゃんは割られた窓ガラスの側に移動すると、携帯で現場写真を見る。すると「そうか、そういうことか」と言うことで謎が解けました。すると、江戸川散歩全集の箱を抱えたトミー(どう見ても中身のない空箱のようです。→百科事典や文豪の小説全集、はたまた難しい専門書などの空箱を書斎の本棚に並べることで、見た目にはそういう凄い書籍が揃っているように見せかけるための空箱(というか、ダミーの本)というのが実際に発売になっていますが、江戸川散歩もそれを置いていたということなんでしょうか?)を手にしたトミーが側にやってくると、「どういうこと?」と尋ねる。雷ちゃんは「謎は解けたよ、ワトソンくん

夜、書斎に清が入ってくる。が、雷雲が現れて雷鳴が轟いた。「雷鳴轟く積乱雲。…」雷ちゃんの口上が始まり「私の稲妻でしびれなさい!」から稲妻が落とされる。しびれる清は何とか耐えたが、やはり耐えきれずに倒れてしまい、煙を噴く。(ここのところ、雷ちゃんの稲妻が利かない、という演出がやたらと出てきましたね。)で、「あなたが探しているのはこれですね」と遺言状を見せる雷ちゃん。更に「江戸川さんを殺した犯人は、清さん、あなたです」と続ける雷ちゃん。が、「何のことだか分からないね」と惚ける清。すると雷ちゃんはトリックの説明を始める。

清は昼間、散歩がここ(書斎)で自殺の準備をしているのを知り、それを利用して殺害した、と切り出す雷ちゃんだったが、「何で死ぬと分かっている人間を殺さなきゃいけないんだ。俺はそんなバカじゃない」と清。これに「遺言状があったからです」と雷ちゃん。そして「おそらく江戸川さんはね遺言状を桜井さんに渡してから自殺するつもりだったのでしょう」と推理を語る。その遺言状は清にとっては都合の悪いものだったので、清はその場にあった銃で江戸川を撃った。そして、あくまでも自殺に見せかけるため、錘と一緒に銃を窓から投げ捨てた。が、肝心の遺言状は江戸川が何処かに隠しており、ぐずぐずしていたら栄子や桜井がやってきてしまうので、遺言状を探すのを後回しにして部屋を出た。すると清は「ちょっと待った。部屋には内側から鍵がかかっていたのにどうやって部屋を出たのか?」と反論する。が、余裕たっぷりの雷ちゃんは「簡単です。鍵は外側から掛けたんです」と言う。そして説明は続く。指紋が残らないよう鍵を掛けた清は自分の部屋に隠れた。栄子と桜井に、ドアに鍵がかかっていることを確認させ、自分を呼びに来るのを待っていた。そしてドアを破って中に入った清は、隙を見て持っていた鍵を床に落とした。しかし鍵は割れたガラスの破片の上に落ちたことが運の尽きでした。(→これによってトリックを見破るというのは、これまでの「ケー刑事」でも何度かありましたね。)これは自殺の偽装工作が終わった後に置かれたものということを証明していて、これが出来るのは犯人以外にいない。

清は「なるほどね」と言うも「でもそれはただの推測だろう。俺が親父を殺したという証拠があるのか?」と反論を開始する。これにトミーが「君が昼間着ていたセーターだ。袖口から硝煙反応が出たぞ!」と証拠のセーターを示して言うと、「もうダメじゃ」と清は観念した。「実の父親を殺してまで遺産が欲しかったのか?」とトミーが尋ねるが、「父親、俺は一度も父親だと思ったことはなかったけどね」と告白する。散歩はスランプであり、下手な駄作を書き続けるよりも、今の名声のまま潔く死のうと思う、と決心したことを清に語った。そしてミステリー作家らしく世間が驚く死に方をする、と告げた。清は「別に構わないよ。勝手に死ねばいいさ。俺だってあんたが死んだ方が都合がいいからさ」と口にした清は遺産が入ることを考えていた。しかし散歩は、遺産は全て「江戸川散歩記念館」創設の資金に回す様に遺言書を作り、そのために今日、桜井を呼んだのだった。(清には1円も行かない。)清は遺産はどうでもよくなり、トリックを考えることしか頭になかった散歩を「最低の父親だ」と言い捨てて殺害に及んだのであった。で、トミーが清に手錠を掛けた。すると「遺言状は何処にあった?」と尋ねる清。雷ちゃんが「岡野さんが見つけてくれました。」と言うと、トミーは机の上に並んでいる散歩の書籍の中の最新刊(「パノラマ写真現像殺人事件」)を手にして「最新刊の中に挟んであった。自分の遺作に遺言状を隠していたわけだ」と語りました。

事件解決後の夜の街。いつものように自転車を押しながら歩いている雷ちゃん。トミーは手に何かを持っている。で、「今度は何を読んでいるのですか?」と雷ちゃんが尋ねる。するとトミーは嬉しそうに「出版社に問い合わせたら、続きの原稿(もちろん「パノラマ写真現像殺人事件」の下巻の原稿です)は既に提出されていたんですよ。だから、重要参考書類ということで持ってきてもらったんです」と答える。すると「それって、職権乱用ですよ」と雷ちゃん。これにトミーは「まあいいじゃないですか。私は1冊でも多くのミステリーを読んで、黒の栞を取らなければならないんです」と答える。(これって、資格マニアのトミーの完全な自己満の世界ですね。)すると雷ちゃんは「犯人は魚屋さんですよ。売り場にあった太刀魚で被害者を一突きにしたんです」と犯人を言ってしまう。すると「コラッ!ネタ晴らしはルール違反でしょう」と怒るトミー。が、既に自転車に乗っていた雷ちゃんは「嘘ですよ」と言うと走り去っていきました。で、トミーは「銭形くん、大人をからかうんじゃない!」→(「嘘ですよ」というパターンは伝説の四姉妹でも何度かありましたね...)でも、原稿を手に入れて読もうとするトミーもトミーですが...

今回の物語は、トリックはこれまでに何度も出てきたものを使っていて、今ひとつヒネリがありませんでしたが、江戸川乱歩の小説を多数読んでいたら分かる小ネタ集がたくさんありました。分かる人だけ分かればいい、というスタッフの姿勢があるため、いちいち説明はされませんが、だからこそそれが分かるように色々と勉強するです。ということで、今回の物語に隠されたネタの分かった数で、自分がどれだけのミステリー・ファンなのかが分かるというテストが秘められていました。尚、「分かる人だけ分かればいい」というのは、PINK FLOYDが自分たちの音楽を理解できる者だけが聴けばいい、と言っていますが、それに通じるものがあります。ということで、P. FLOYDのサウンドは人類が生み出した偉大な文化遺産ですが、「ケータイ刑事」も同様に、「人類が生み出した偉大な文化遺産」の領域に突入しています。(そもそも、文化遺産なんて、万人が理解できるような易しいものではなく、少数の人が理解できるだけだけで、それを権威づけて語るから、理解出来ない人はそのまま受け取るだけとなるのです...)

次回の物語は、第18話「地球最後の日! ~デイ・アフター・トゥモロー殺人事件」である。何と言っても、佐藤二朗さんがゲストということが目玉です。12&13話で金剛地さんがゲスト出演した時に、この日が来るのをどれだけ待ったことか...(ちなみに、佐藤二朗さんは、この後「・2nd.7話」にもゲスト出演します。)また、警視庁で唯一、気象予報士の資格を持っている雷ちゃんですが、実はもっと凄いということが分かります。そしてもう一つは、「岡野さん、死んじゃいや~!」という雷ちゃんの台詞。伝説の四姉妹も「五代さん/高村さん」に対して同じ台詞を口にしていますが、これはある程度話数を重ねたからこそ出てくる台詞でもあります。(で、「ケー刑事」において、五代高村に続いて、いよいよ第3の黄金コンビ誕生と認定できることになります。)

鑑識メモ。雷ちゃんに恋い焦がれている柴田束志。「今週の雷ちゃんも可愛かったなぁ~」と溜息をついている。で、雷ちゃんの口ぶりを真似て「犯人は魚屋さんなんですよ」と言うと「雷ちゃんはどんな魚が好きなんだろうか?」と妄想の世界に突入。「そう言えば、「ハタハタ」という魚の名前の由来は「凄いカミナリ」という意味の「霹靂神(はたたがみ)」から来ているんだって...」と言うと、「はたたがみ」を何度も繰り返して早口で言い始める。が、他の言葉に変わらずオチのないパターンでした。

 

 

ケータイ刑事 銭形雷 DVD-BOX 2

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↓もはや「文化遺産」と言うことの出来るシリーズです。
ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX 1

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ケータイ刑事 銭形泪 DVD-BOX 2

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ケータイ刑事 銭形零 DVD-BOX 2

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ケータイ刑事 THE MOVIE バベルの塔の秘密 ~銭形姉妹への挑戦状 スタンダード・エディション

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ケータイ刑事 THE MOVIE バベルの塔の秘密~銭形姉妹への挑戦状+TVシリーズ オリジナル・サウンドトラック

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↓元ネタ各種
パノラマ島綺譚―江戸川乱歩全集〈第2巻〉

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  • 作者: 江戸川 乱歩
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江戸川乱歩全集 第1巻 屋根裏の散歩者

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  • 作者: 江戸川 乱歩
  • 出版社/メーカー: 光文社
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  • メディア: 文庫
怪人二十面相

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  • 作者: 江戸川 乱歩
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2005/02
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黒蜥蝪

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  • 作者: 江戸川 乱歩
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1993/05
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D坂の殺人事件

  • 作者: 江戸川 乱歩
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1987/06
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少年探偵・江戸川乱歩 文庫版 全26巻

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  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2005/03
  • メディア: 単行本
吸血鬼

吸血鬼

  • 作者: 江戸川 乱歩
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1993/12
  • メディア: 文庫
パノラマ島奇談・一寸法師・湖畔亭事件

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  • 作者: 江戸川 乱歩
  • 出版社/メーカー: 沖積舎
  • 発売日: 2006/11/20
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湖畔亭事件―乱歩傑作選〈9〉

湖畔亭事件―乱歩傑作選〈9〉

  • 作者: 江戸川 乱歩
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1995/08
  • メディア: 文庫
天国と地獄の美女 江戸川乱歩の「パノラマ島奇談」

天国と地獄の美女 江戸川乱歩の「パノラマ島奇談」

  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • 発売日: 2005/06/08
  • メディア: DVD
江戸川乱歩シリーズ DVD-BOX 1

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  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • 発売日: 2005/06/08
  • メディア: DVD
江戸川乱歩シリーズ DVD-BOX 2

江戸川乱歩シリーズ DVD-BOX 2

  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • 発売日: 2005/06/08
  • メディア: DVD
江戸川乱歩シリーズ DVD-BOX 3

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  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • 発売日: 2005/06/08
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↓早くから学んでおくといいかも...?
40歳で遺言状を書く!

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  • 作者: 福沢 恵子
  • 出版社/メーカー: オレンジページ
  • 発売日: 2004/03
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遺言状を書いてみる

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  • 作者: 木村 晋介
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2001/02
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遺言状の書き方

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  • 作者: 谷沢 永一
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遺産分割・遺言の法律相談

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  • 出版社/メーカー: 青林書院
  • 発売日: 2004/12
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すぐに役立つ遺産分割と相続税のしくみと手続き

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  • 作者: 高橋 裕次郎
  • 出版社/メーカー: 三修社
  • 発売日: 2006/10
  • メディア: 単行本
遺産はだれがもらえるの?

遺産はだれがもらえるの?

  • 作者: 山根 祥利
  • 出版社/メーカー: 岩崎書店
  • 発売日: 2004/03
  • メディア: 大型本
相続・遺産分割する前に読む本―分けた後では遅すぎる!

相続・遺産分割する前に読む本―分けた後では遅すぎる!

  • 作者: 高島 秀行
  • 出版社/メーカー: 税務経理協会
  • 発売日: 2006/11
  • メディア: 単行本
上手に遺産を分ける財産相続マニュアル―相続の基礎知識・遺産分割・相続税・紛争解決

上手に遺産を分ける財産相続マニュアル―相続の基礎知識・遺産分割・相続税・紛争解決

  • 作者: 石原 豊昭
  • 出版社/メーカー: 自由國民社
  • 発売日: 2002/01
  • メディア: 単行本
↓「38口径」から彼らを思い出しました。
The Very Best of the A&M Years (1977-1988)

The Very Best of the A&M Years (1977-1988)

  • アーティスト: .38 Special
  • 出版社/メーカー: Interscope Records
  • 発売日: 2003/04/29
  • メディア: CD
20th Century Masters - The Millennium Collection: The Best of .38 Special

20th Century Masters - The Millennium Collection: The Best of .38 Special

  • アーティスト: .38 Special
  • 出版社/メーカー: A&M
  • 発売日: 2000/06/27
  • メディア: CD
Wild-Eyed Southern Boys

Wild-Eyed Southern Boys

  • アーティスト: .38 Special
  • 出版社/メーカー: A&M
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD
Special Forces

Special Forces

  • アーティスト: .38 Special
  • 出版社/メーカー: A&M
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD
Tour de Force

Tour de Force

  • アーティスト: .38 Special
  • 出版社/メーカー: A&M
  • 発売日: 1990/10/25
  • メディア: CD
 
↓人類の文化遺産・PINK FLOYD(代表作を)
Dark Side of the Moon

Dark Side of the Moon

  • アーティスト: Pink Floyd
  • 出版社/メーカー: Capitol
  • 発売日: 2003/03/25
  • メディア: CD
The Wall

The Wall

  • アーティスト: Pink Floyd
  • 出版社/メーカー: Sony
  • 発売日: 2000/04/25
  • メディア: CD

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