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さよならべリーズ第2章 夏祭りの思い出37 太鼓の真相

「ごめんね。舞波ちゃん・・・。・・・あの・・・踊りに間に合わなくて・・・。」

僕は頭を手で掻きながら舞波ちゃんにちょこっと頭を下げる・・・。

「・・・いいよ!ベリーズの舞台だって見にきてくれたし!・・・嬉しかった!!!」

舞波ちゃんはそういいながら僕に笑顔を見せてくれる・・・。

・・・なんか、優しくてちょっと可愛らしい子だな・・・。

・・・そう思った・・・。

でも、そんなに僕の事を気にしてなかったのかもな・・・。

そのとき、まことの大笑いする声がきこえた!

「あはははははっ!そうですか!?」
見ると、小太りで白髪まじりの役員の人と話している。
ベリーズの太鼓をたたく人が体調をくずしちゃったときは、どうしようかと思ってたが
 露店をだしている君の従兄弟のお兄さんがドラムをたたけることを思い出してね・・・。」
「いやー!!!びっくりしました!!突然、従兄弟の兄ちゃんが僕の携帯に電話してきて、「まことにドラムのソロプロジェクトの話があるんだ!すぐ来いよ!」なんて言うから
大喜びで駆けつけたら・・・。」
「ドラムじゃなくて太鼓だったからなあ。びっくりして当然だな!従兄弟の兄さんにも
 ドラムと太鼓じゃ全然違う!なんて怒鳴られてしまったがな。」
「でも、みんな困ってるし、無理でもいいからやってみようと思ったんですよ!」
「結果、面白いことになったわけだ!審査員の方たちからは、太鼓としては雑でなってないが、新鮮な感性を感じる。と、言われて特別賞になったのだよ。君はもしかしたら
テレビにも出れるような有名なミュージシャンになれるかもしれないな!!!はっはっは!」
そう言って役員の人は笑いながら、まことの肩をたたいた。
「いやー!!!それほどでもありますよ!!!はっはっは!!!」
・・・フツーは、それほどでも無いですよ!・・・だろ?・・・お調子ものめ!

・・・でも、まことが高く評価されたことに、僕は友達として自分の事のようにとても嬉しく
感じた・・・。

「雅人くんもかっこよかったぜ!!!」
僕の後ろから駿さんの声が!!
振り返ると手をつないだ麻琴さんと駿さんが!
ベリーズ最高!」ってジャンプしてた雅人くん、格好良かったぜ!」
僕は恥ずかしいことだと思ってたので、頭を掻きながらモゴモゴとうつむいて返事した。
「あ、いや・・・。その・・・。」
すると駿さんは僕の肩をたたいて笑いながら言った。
「雅人くんはもっと自分に自信をもて!」
そして辺りをちらりと見回した。
麻琴さんは千奈美ちゃんと楽しそうに笑いあってる。
駿さんが僕に耳打ちした。
大勢の人がいる前で、女の子に「着替えを覗いてゴメン!」なんて大声で謝ったら、
 女の子じゃなくてもちょっと恥ずかしくなると思うぞ!」
「あれ?知ってたんですか!?」
「ちょっと小耳に挟んだんだ。もう一人の子に謝るときはちょっと周りにも気を使ったら、
雅人くんのすまないと思ってる気持ちが伝わるんじゃないかな・・・?」
「・・・そうですか?」
駿さんは再び笑って僕の肩をたたいた!
「自信をもて!!」
「・・・はい!」

・・・僕は駿さんの言葉を聞いて思った。
もう一度謝ってだめなら、あきらめよう、しょうがない・・・。と。

僕は佐紀ちゃんのもとへ歩いていく。
佐紀ちゃんは友達と話している。
ちょっと様子を見て、話しかけるチャンスをうかがった。
話はまだ終わらないようだ・・・。

ふと気がつくと、まことがこっちを見ていた。
まだ役員の人と話しているようだ。
まことは僕と目が合うとすっと役員の人に視線を戻した・・・。

「じゃあね!」
佐紀ちゃんの友達が佐紀ちゃんに手をふり去っていくのに気がついた。

今ならいいかな?

僕は佐紀ちゃんに軽く手を振った。
佐紀ちゃんが僕に気がつく。

「あの!ちょっと話があるんだけど・・・。」
「・・・なんなの?雅人くん?」
僕はちょっと辺りを見回した。
だれも僕たちの話を聞いている人はいないようだ・・・。

「昼間・・・。川原でのことなんだけど・・・。」

冷静に僕を見る佐紀ちゃん・・・。
その視線に僕は追い詰められているような気分になって
僕はゴクっと息を飲み込んだ・・・。

                                   ・・・つづく


 

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masato

ここからはまこっちゃんストーリーです。
by masato (2006-10-02 20:17) 

masato

僕はまこっちゃんと一緒にベリーズの集まる中に入っていく。
まこっちゃんは、千奈美ちゃんに
「良かったよ~!!!すごいね~!千奈美ちゃん!!!」
といって、駆け寄っていく。
そのとき僕は、太鼓を叩いていた少年が大笑いしてるのでそちらを見てみた。

「あはははははっ!そうですか!?」
見ると、小太りで白髪まじりの役員の人と話している。
「ベリーズの太鼓をたたく人が体調をくずしちゃったときは、どうしようかと思ってたが、露店をだしている君の従兄弟のお兄さんがドラムをたたけることを思い出してね・・・。」
「いやー!!!びっくりしました!!突然、従兄弟の兄ちゃんが僕の携帯に電話してきて、「まことにドラムのソロプロジェクトの話があるんだ!すぐ来いよ!」なんて言うから大喜びで駆けつけたら・・・。」
「ドラムじゃなくて太鼓だったからなあ。びっくりして当然だな!従兄弟の兄さんにもドラムと太鼓じゃ全然違う!なんて怒鳴られてしまったがな。」
「でも、みんな困ってるし、無理でもいいからやってみようと思ったんですよ!」
「結果、面白いことになったわけだ!審査員の方たちからは、太鼓としては雑でなってないが、新鮮な感性を感じる。と、言われて特別賞になったのだよ。君はもしかしたらテレビにも出れるような有名なミュージシャンになれるかもしれないな!!!はっはっは!」
そう言って役員の人は笑いながら、まことの肩をたたいた。
「いやー!!!それほどでもありますよ!!!はっはっは!!!」
・・・。
たしか・・・。
僕はまこっちゃんと一緒に海に行っていたときに
トラックにクラクションを鳴らされたんだ・・・。(まこっちゃんと、いい雰囲気のときだったんだけどな・・・。)
そのトラックに積まれていた荷物が、この祭りで使う太鼓だったんだ・・・。
僕たちは結局、その道に迷ったトラックを誘導して、この町まで来たんだ・・・。
その太鼓をこの少年が叩くとはなあ・・・。
あのとき・・・。
まこっちゃんといい雰囲気になったところを邪魔されて、ちょっと気分を悪くしたけど、結果は良かったみたいだな・・・。
もし、太鼓がこの会場に届いていなかったら
もしかしたらベリーズのステージも実現されないか
特別賞をもらえるほどの出来ではなかったかもしれない・・・。

・・・ふと気がつくと、雅人くんが少年の方を嬉しそうに
笑みを浮かべてみている。
きっと、友達なんだろうな。
by masato (2006-10-02 20:33) 

masato

もしかしたら、昼間、一緒に千奈美ちゃんの着替えを覗いてしまったという
もう一人の友達がこの少年なのかもな・・・。
雅人くんはその少年にそそのかされたようなことを言ってたけど・・・。
親友を失うというのは、
後になってみてわかると思うけど、かけがえのないものを失うのと同じようなものだしな・・・。
 特に社会人になると、親友ってなかなかできない・・・。
でも、二人はいい友達でいられそうだ・・・。
by masato (2006-10-02 20:45) 

masato

そういえば雅人くんは謝ったけど、また千奈美ちゃんに嫌われてしまったみたいだな・・・。
ぼくは、本殿の裏で千奈美ちゃんと雅ちゃんが
話していたことを思い出していた。
千奈美ちゃんが雅ちゃんに応えた・・・。
「だって、皆んな人がいっぱいいるところで、着替えを覗いてゴメン!なんて大声で言うんだもん!恥ずかしいよぉ!!!」
雅人くんは謝ったけど、謝り方が悪かったのかもな・・・。
「たしかにねえ・・・。まあ、私はちょっとあの人がかわいそうかなって思って言ってみただけ・・・。まあ、ちなも、さっきそんなに気にしてないっていってたし、今度また謝ってくるときがあったら、ゆるしてあげれば?
ちょっと大人になって・・・。。」
「全然気にしてないわけじゃないけど・・・。うーん。大人になってかあ・・・。」
雅人くんにさりげなくおしえてあげようか?
by masato (2006-10-02 23:45) 

masato

「お兄ちゃん!考え事!?」
ふと気がつくとまこっちゃんが僕の手を握って笑っている。
・・・ちょっと一人でいろんな事を考えてしまったかな(笑)
「あの太鼓を叩いていたのは、あの子だよ!まだ中学生みたいだけど
 かっこいいなと思って・・・。」
「うん!そうだね!雅人くんの友達みたいだね!」
僕は雅人くんに声をかけてみた。
by masato (2006-10-02 23:46) 

シャケオ

本編終了お疲れ様でした!
僕…じゃなくて、駿くんとまこっちゃんとのいい雰囲気を邪魔されたからこその、ベリーズのステージだった訳ですか。

話は変わりますが、確かに普通社会人になったらそうそう友達なんて出来ないものですよね。
そう考えたらあの時娘。ハワイツアーに参加して、本当に良かったと思いますよ(笑)
by シャケオ (2006-10-03 09:34) 

masato

ありがとうございます。
言葉にして返すことはなにもありません。(良い意味で)
いつもありがとうございます。
by masato (2006-10-03 23:08) 

masato

「雅人くんもかっこよかったぜ!!!」
雅人くんの後ろから声をかける。
雅人くんは気がつき振り返る。
「ベリーズ最高!」ってジャンプしてた雅人くん、格好良かったぜ!」
雅人くんは頭を掻きながらモゴモゴとうつむいて返事した。
「あ、いや・・・。その・・・。」
僕は雅人くんの肩をたたいて笑いながら言った。
「雅人くんはもっと自分に自信をもて!」
そして辺りをちらりと見回した。
まこっちゃんは千奈美ちゃんと楽しそうに笑いあってる。
僕は雅人くんに耳打ちした。
「大勢の人がいる前で、女の子に「着替えを覗いてゴメン!」なんて大声で謝ったら、女の子じゃなくてもちょっと恥ずかしくなると思うぞ!」
「あれ?知ってたんですか!?」
「ちょっと小耳に挟んだんだ。もう一人の子に謝るときはちょっと周りにも気を使ったら、雅人くんのすまないと思ってる気持ちが伝わるんじゃないかな・・・?」
「・・・そうですか?」
僕は再び笑って雅人くんの肩をたたいた!
「自信をもて!!」
「・・・はい!」
by masato (2006-10-04 00:04) 

masato

雅人くんは女の子の方へ歩いていった。
もう、これ以上は僕がでていく場では
ないだろうな。
そう思って僕はまこっちゃんを目で捜した。
・・・つづく
by masato (2006-10-05 06:55) 

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