♪NYメトのドン・ジョヴァンニ♪ ▼エツィオ・ピンツァ:1929〜1948 ▼チェーザレ・シェピ:1952〜1973 ▼ジョージ・ロンドン:1953〜1963 ▼R・ライモンディ:1971〜 1973 |
この頃のNYメトは、ヨーロッパで活躍している歌手を出演させ、非常に華やかな時代だった。R.ライモンディはNYメト出演の経緯を次のように語っている。
1968年にメトロポリタン歌劇場の総支配人ルドルフ・ビングが、イタリアへ新人を捜しに来たんですがね、僕の歌を聞くなりメトとの契約を申し込んできたんです。僕はその時非常に忙しかったので申し出を受けることができませんでね。しかしビングは諦めす電話・電報攻勢をかけてきました。1950年に当時27才だったチェザレ・シェピをアメリカに紹介したのは自分だと自慢したりもしましてね。こう言うんです、君はチェザレ・シェピ2世だ、だから君は私の手でアメリカ人に知らしめたいんだ、と。1970年に空いた時間ができたもので、メトのシーズン開幕公演に行きました。1970年は、僕にとって幸運の年でした。ミラノ・スカラ座とニューヨークのメトロポリタン歌劇場のシーズン開幕でうたうことができたのですから (スカラ座の名歌手たち)
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1984年まで続いたヘルベルト・グラーフ演出が、1990年に、ゼッフィレッリの新演出に変わる。一時期ドン・ジョヴァンニ役は、メトをホームグラウンドにしている歌手で占められていたが、ここ数年、また客演組が活躍しているようだ。アーウィン・シュロットは、今回の6月の来日引越公演がNYメトでのドン・ジョヴァンニ役デビューとなる。
▼シェリル・ミルンズ:1974〜1981 ▼ジェイムス・モリス:1975〜1994 ▼サミュエル・レイミー:1990〜1992 ▼トーマス・ハンプソン:1990〜2004 ▼アーウィン・シュロット:2006〜 |
メトのドン・ジョヴァンニ一覧表 ※ドン・ジョヴァンニを初めて歌った年/名前/(ドン・ジョヴァンニ公演数)メトでの公演数
1929 Ezio Pinza (64)878 イタリア→アメリカ | 同じ衣裳のドン・ジョヴァンニ 上の写真のシェピの衣装も同じ。ライモンディもミルンズも背が高すぎるのにスタイルがいいので、こういう衣装もお似合い (ネットを探し回りましたが、これ以上のドンはいないようです)
Segalini"RuggeroRaimondi"より
1990.11リサイタルプログラムより |
1952 Cesare Siepi(91)490 |
1953 George London (25) 264 |
1953 Nicola Rossi-Lemeni (3) 12 |
1955 Jerome Hines (11) 868 |
1960 William Wilderman (2) 232 |
1960 Kim Borg (4) 39 |
1963 Giorgio Tozzi (3) 527 |
1966 Justino Di´az (6) 398 |
1971 Ruggero Raimondi (9) 106 |
1972 Roger Soyer (3) 3 |
1972 John Reardon (4) 180 |
1974 Sherrill Milnes (32) 651 |
1975 James Morris (42) 832 |
1983 Richard Fredricks (2) 44 |
1990 Samuel Ramey(9)253 ゼッフィレッリ演出 |
1990 Thomas Hampson (27) 166 |
1990 Ferruccio Furlanetto (11) 153 |
1990 Richard Cowan (6) 19 |
1995 Christopher Robertson(2)28新国の海坊主.. |
1997 Hakan Hagegard (2) 88 |
1997 Dwayne Croft (21) 356 |
2000 Bryn Terfel (8) 63 |
2002 Dmitri Hvorostovsky (6) 81 |
2003 Peter Mattei (4) 39 |
2005 Gerald Finley (6) 26 |
2006 Erwin Schrott (3予定)17 来日引っ越し公演がメトでのドン・ジョヴァンニ役デビューになる |
※一覧表はNYメトデータベースをまとめたものです(2006.5.末現在) | ・Herbert Graf(1903-1973) ・Franco Zeffirelli(1923.2.12- )
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参考書籍:・音楽之友社発行、レンツォ・アッレーグリ著/小瀬村幸子訳 『スカラ座の名歌手達』
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ウィーン国立歌劇場公演記録 1945-2005
2006-06-03 18:53
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おひさしぶりです。
いつも面白く拝見しています。『ドン・ジョヴァンニ』は演出をみても、歌手をみても、興味尽きないオペラですね。
ライモンディとミルンズが同じ衣装、印象が全く違うのが面白いですね。モノクロ写真ですが、白地に黒の刺繍だったんでしょうか。
最近の『隣のドン・ジョヴァンニ君』像の原型は、カラヤン指揮の公演での名高いミヒャル・ハンペ演出じゃないかと私は勝手に思っています。近年の公演でもこれが元だな?と分かる演出をみることがありますが、今なお流用するほど、いい演出とは思わないのですが…。(RR×リック・ボンディの公演が強烈に頭に叩き込まれているので。)
私は、RRのジョヴァンニの『この人の目に止まったら、もう逃げられない!』的な怖い魅力が大好きなんですけど、(ドン・ジョヴァンニたるものこうでなくっちゃ!)最近のは、単純に歌手の技量のせいには出来ないでしょうが、何も劇場に行かなくても、街に出ればいくらでもいるナンパ男みたいな御仁にもお目に掛かります…。
まあ確かに、『お前の運命を変えてやろう!』なんてアプローチ、現代女性に通用しませんものね。
ところで、写真にカーソルを置くとコメント出てくる便利な機能がありますが、一番上の写真4枚のうち、シェピとロンドンは反対じゃないでしょうか?左から2番目は間違いなくシェピではないかと。両方ともともシェピなのかな?
keyaki様にしては珍しいことなので、ちょっと気になりましたので。
by にぃにぃ (2006-06-04 23:16)
お久しぶりです。ほんとだ!直しました。ブログなのにこり過ぎで、自分でもややこしくてわけわからなくなってます。間違いを教えて下さると助かります。
ミルンズとライモンディの同じ衣裳の写真は、この記事を作っていて気づいたんですよ。ミルンズのは、リサイタルの時のプログラムB5サイズの大な写真なのですが、はではで宝塚風なんて思っていましたが、ライモンディのはそうでもないですね、でも若くないと似合わない衣裳ですよね。ミルンズまでは華やかさがありますが、その後は、。。。ですね。
>カラヤン指揮の公演での名高いミヒャル・ハンペ演出
まあ、これって、カラヤンが本当にドン.ジョヴァンニをやらせたかった歌手だったかどうか私は疑問に思ってます。
いつも見て頂いて嬉しいです。お年の割には話題が豊富ですから、追っかけがいがあります。
by keyaki (2006-06-05 00:24)