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屋根 [仕様と価格]

 屋根については形状、素材について、性能、メンテナンス性について検討しました。検討にあたって、屋根は家の重要な部分の一つと思っていましたので、ローコスト化のために仕様を落とすつもりはありませんでした。

 屋根に求められる性能と言えば、防水性、耐久性、耐熱性、耐衝撃性、遮音性などでしょうか。このうち最も重要なのは防水性だと思います。
 屋根の形状はこの防水性に大きく影響します。
 屋根のかたちは、切妻屋根、寄せ棟屋根、片流れ屋根、差し掛け屋根、入母屋屋根、陸屋根(ろくやね)等があり、これらを組み合わせた形状の屋根も見かけます。
 屋根のかたち
 屋根の構造と屋根材
 雨漏りしにくいのは、形状が単純な寄せ棟、片流れ、切妻屋根と言われています。屋根と屋根の継ぎ目、屋根と壁の継ぎ目が多く、複雑な形状の屋根ほど雨漏りの可能性が高くなります。特に屋根と屋根の継ぎ目が谷状になっている部分は弱部となるので、何らかの対策をすることが望ましいようです。
 谷板取付(屋根屋ばんざい!)
 現在かっぱ亭を手がけてくれている大工さんも、屋根の形状は単純な方が良いと言っていました。
 逆に屋根の形が複雑になると、変化が出て見栄えが良くなります。
 屋根と雨漏りについて
 欠陥になりやすい部分
 かっぱ亭は見栄えより機能重視でしたので、屋根の形は雨漏りしにくい形状にしようと思いましたが、その一方で小屋裏をDENとして有効活用したいので、切妻屋根を選びました。また将来的に弱部となる可能性があるトップライトも設けないこととしました。
 小屋裏の採光にはトップライトや差し掛け屋根は魅力だったのですが、あくまで屋根の機能を重視しました。

 次に屋根の素材について。
 防水性の次に重視したのは耐久性です。屋根材として耐久性に優れているものとしては、瓦、ガルバリウム鋼板等があります。スレート(コロニアル)はこれまで耐候性に劣ると言われてきましたが、最近は改良された製品も出ているようです。
 屋根材についての比較検討を記したページはたくさんあります。それぞれ自社で扱っている屋根材の優秀性を記しており、実際のところ何が優れており、何が劣っているのかについて、定量的な比較は難しいです。
 ただ、「重い屋根は地震に弱い」という短絡的な考えから、軽い屋根材を選ぶのはどうかと思いました。屋根が重くなれば確かに耐震性は低下しますが、その分構造を強化すれば良いだけの話です。ビルダーには、「地震に弱くなるから軽い屋根材を使用した方が良いですよ」というより、「うちの構造はしっかりしているから屋根材は何でも大丈夫」といって胸を張って頂きたいものです。軽い屋根材を推奨しているH.M.には、構造部分にあまりお金をかけたくないという姿勢が見え隠れします。
 上記3種のうち、最も耐久性に優れた素材は瓦の様ですが、下に挙げた参考ページを見ると、ガルバリウムも耐候性スレートも遜色ない様に思えました。後は好みの問題かも知れません。かっぱの場合、外壁材の保護のため軒を出したかったこと、耐候性スレートは未だ実績が乏しかったこと等から、屋根材には瓦を選びました。Beハウス側としては屋根材が瓦になってもそれに合わせて設計するので全く問題ないとのことでした。
 瓦屋根は瓦と瓦の重ねしろが短いため、ある程度勾配を付けないと雨仕舞いが悪くなり、最低でも五寸勾配は欲しいと思いましたが、小屋裏空間を確保するため、最終的には六寸勾配になりました。この六寸勾配というのは、特別の足場なしで登れるぎりぎりに近い勾配だそうです。メンテナンスの費用を考えると、余り屋根勾配を大きくするのも考えものなのです。

耐候性コロニアル
一般的な屋根の構造や損傷、日頃のお手入れ、点検補修について
屋根材のポイント
コロニアル葺きのメリット,デメリット
スレート系屋根の塗装
カラーベストコロニアル屋根の塗替えは必要か?
ガルバリウム鋼板屋根について
瓦屋根葺き替え工事

 金属屋根を採用する場合、さらに耐熱性や遮音性を検討する必要がありますが、瓦屋根を採用したためこの部分については余り検討しませんでした(いい加減ですみません)。ただ、断熱材に吸音機能は余り期待できない様です。

 出来上がったパースを見てかっぱが一言、

 アパートみたいな屋根。

 妻は、

 いいじゃない、アパートで。

 (外観に拘らないかっぱ夫婦でした)

・今日の現場
 バルコニー廻りのサイディングと、二階のフローリングが進みました。
 暑い中ご苦労様でした。

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plusgate

瓦屋根が地震に弱いというのはほんとに間違いです。
問題はそれを支える構造体。
地震の報道で瓦屋根の家が倒壊しているのを
クローズアップしすぎた結果だと思っています。
by plusgate (2007-08-28 13:39) 

kappa

plusgateさん、コメントありがとうございます。
プロの方にそう言って頂けると嬉しいです。
現代の技術をもってすれば、施工さえしっかりしていれば雨漏りなんかしないと思いますし、陸屋根なんかメンテナンスし易い分だけ逆に有利なのかもしれません。図書館みたいな外観の住宅に、ちょっと憧れてたりするのです。
by kappa (2007-08-28 23:11) 

たいせい

 plusgate桟の所から訪ねてきました。
 三州瓦を作っているので、思わず反応してコメントを書いてしまっています。

 瓦と地震の関係については、阪神大震災以来、先日の中越沖地震まで幾つかの被災地に実際に足を運び被災現場を見てきましたが、直接の関連はないというのが一応私の結論です。
(本質的には築年度の建築基準法の要求仕様の問題。更に言えば、知りアリなどによる構造材の腐朽、手抜き工事の方が遙かに根が深いと感じています。)
 但し、kappa さんの仰るように瓦メーカーの言うことですのでどこまで信じていただけるか?と言う面があるかと思っています。
 もし宜しかったら、自身視察の報告書などをいくつか記事で書いていますので、読んで自分で考えていただけたら幸いに思います。

 過去記事ですが、TBを数点送らさせていただきます。
by たいせい (2007-08-30 09:42) 

たいせい

PS.
 なお、陸屋根は雨仕舞いなどの処理やメインテナンスがかえって大変だと聞いています。
by たいせい (2007-08-30 10:01) 

kappa

たいせいさん、初めまして。
コメントとトラックバック、ありがとうございます。
実はたいせいさんのブログ、前から拝見しており、遮熱実験についても興味深く読ませて頂きました(silent reader ですみません.私の様な素人がコメントしては失礼かと思い、控えておりました)。
私は、個人的に瓦が屋根材としては最も優れた耐久性を持っていると思っておりますが、耐候性スレートが30年色褪せしないと言い張られれば、反証できるデータを持っていないので、「実績に乏しい」という表現に留めております。
ただ、予算の都合で和瓦には手が届かず、平板瓦です (><)
by kappa (2007-08-30 18:12) 

たいせい

 再度のコメントで失礼いたします。
 拙BLOG二もお邪魔いただいていたとのこと、ここの所少し専門的な記事が続いてしまっていますが、堅苦しいBLOGを目指しているわけではありませんので、励みになりますので是非お気軽にコメントいただければと思います。(熱烈歓迎です)

 これはあくまでも私個人の考えなのですが、耐候性スレートの耐候性に現段階では疑問を持っています。
 まず一点目としては、耐久性や強度を出すためについ最近までアスベストを入れていたわけですが、新しい材料で実際に屋根に乗ったのはつい最近なわけで、氷点下から+80℃までの過酷な屋根環境の中で何が起こるかの実証が出来ていないことです。(実験室レベルでは当然済んでいるはずですが。:簡単に変えられるものならば、とうの昔にアスベストを使わなく出来たはずです)

 もう一点は、サンシャインウエザーテスト(自然界よりもかなり強い紫外線を当てます)で30年に該当すると言われる環境試験を行い、色差計で計り退職がないと言うテスト結果だったと記憶していますが、色差計もかなりいい加減な計測器で、耐候形でない塗料であるにかかわらず計測値は瓦より優秀だとの結果が出る場合もあります。
 また塗色全てに関して、試験結果が公開されているわけではありません。

 ただ、ハウスメーカーにとって瓦よりも利益率を上げやすい屋根材であり、首都圏のハウスメーカーを中心に、耐候性スレートがかなり攻勢を掛けてもおり「瓦」は大苦戦です。

 以上、利害関係者である「瓦屋のぼやき」ですので割り引いて読んでくださって結構なのですが、書いていて思ったのがどうやら私は薄型スレートやハウスメーカーに敵意を持っているようです。(フトコロが狭いですね...。)

 また今後ともよろしくお願いいたします!
by たいせい (2007-08-31 09:18) 

kappa

たいせいさん、再度のコメントありがとうございます。
実際に5年前、10年前に葺かれた耐候性スレート屋根がどうなっているかを見れば自ずと判断できることと思います。
現在、うちの近所では3軒が建築中ですが、田舎だからでしょうか、屋根は全て瓦葺きです。私はそれ程でもなくいのですが、建物の「格」という考え方がまだ残っている様です。

こちらこそ、今後ともよろしくお願い致します。
by kappa (2007-08-31 10:18) 

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