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ダ・ヴィンチ展に行ってきました ★ [笑ったり遊んだり]

展覧会巡りが、続いています。
球体凧の紙工作
※画像は合成写真です。

仕事で六本木ヒルズに寄ったので、ついでにレオナルド・ダ・ヴィンチ展に行ってきました。『直筆ノート「レスター手稿」日本初公開!』が売り文句の、この展覧会。かなりマニアックな内容です。万人にお薦めできる……、というものではありませんが、展覧会めぐりが趣味の方は、おさえておいたほうが良いでしょう。これを見ておいたことは、何年か経ったら、自慢できるような気がします。

レスター手稿とは、現存するダ・ヴィンチ直筆のノートのひとつです。1994年にマイクロソフト社のビル・ゲイツさんが購入して、世界中で話題になったモノ(だそう)です。鳥の紋章などのすかしの入った、当時の高級紙に、特徴的な鏡文字(左右反転して書かれた文字)で、びっしりとさまざまな事項についての考察が書かれています。また、細かな手描きの図版(解説図)も、余白に描かれています。湧きでるアイデアを、ひたすら書き留めたメモ帳、といったところでしょうか。

紙とインクの保護のため、展示スペースは真っ暗。足元の段差も見えないくらい。二つ折り18枚(全72ページ)の紙が、裏も表も見えるように、ガラスケースでパウチされて、石碑か墓地かモノリスか……、といったおもむきで、点々と屹立しています。明かりをつける時間を制限するため、一枚の紙を一定の時間、ライトが照らし、それが消えて溶暗し、次に別の展示台が点灯する……、という、ホタル園に来たような、まるで展示スペースそのものが最先端の現代アートのような、とても面白い雰囲気でした。……あちこち歩き回って、ぐったり疲れましたけどね。

ダ・ヴィンチが左利きだったということは、よく知られています。両利きだった、という説もあるそうですが、それにしても、どうしてわざわざ鏡文字を使って文字を書いたのか。この謎については、諸説あるようです。「先進的な内容を記載する際に、秘密を保持するため」……、なーんて説は、ボクはナンセンスだと思っていました。まったく読めないわけじゃないもんね。しかしながら今回、直筆文字を見て、その細かさに目が疲れてしまい、とても読みづらかった/見づらかったので、「読まれたくなかった説」は、あながち間違いではないのかも。

……でもまぁ、おそらく、「単に、鏡文字の方が書きやすかったから」というのが、理由だと思うのです。その証拠に(……というほど、大げさなものではありませんが)、イラストの陰影部分=斜線が平行して引かれているところは、常に左上から右下に線が引かれているのです。右手でこの方向に平行線を引くのは、とてもたいへん。頭の回転も早く、おそらくは記述も猛スピードでこなしていたであろうダ・ヴィンチですから、イラストの斜線は、左手でさっさっと描き、鏡文字もさっさっと書いていたのでしょう。実物を見て、発見したことのひとつでした。

ちなみに、漫画表現の「雨」や「流線」。斜線が、どちらの方向から引かれているかを見るだけで、その漫画家さんの利き腕が(または、その漫画家さんのアシスタントさんの利き腕が)判ります。……いや、たいていの漫画家さんは、きちんと紙を回転させて、雨や流線を引っぱっているとは思いますけれど。閑話休題。


時間があったから、ふらっと立ち寄っただけで、べつに紙工作のネタを探しに行ったわけではないのですが、やはりなにかインスピレーションを得たいもの。メイン展示の「レスター手稿」も、たしかに見ごたえがあるのですが、『かみおう』的には、どう料理したものだか、ちょっとわからない。昔の紙がきちんと残って情報を伝えている、ということに感激して、レスター手稿に賛辞を贈ったところで、オチがつかないよなぁ……。

そんなことを考えながら、その他の展示を見ていると、面白いものがあったので、これを紙で作ることにしました。

飛翔機械=球体凧の模型 球体凧の紙工作
※『飛翔機械=球体凧』模型(レオナルド・ダ・ヴィンチ理想博物館蔵)と紙工作の球体凧【写真右】
※左の画像は、森美術館から。

球体凧は、「レスター手稿」に描かれているものではありません。ダ・ヴィンチの直筆ノートは、膨大な量が現存するそうです。そのうちの一頁に、描かれていたものらしいです。展示会場には、巨大な模型が吊るされていたのですが、説明文もほとんどなくて、ちっとも目立っていませんでした。レスター手稿だけでは、展示会の「間[ま]」がもたないと考えて、とりあえずつけ加えた展示、といったところでしょうか。

ダ・ヴィンチと言えば、「ヘリコプター」や「パラシュート」や「羽ばたくための仕組み(翼型)」などのスケッチは、とても有名です。でも、この「球体凧」は、あまり知られていないんじゃないかな? 現在に至るまで、類似した飛行体が実用化されていないために、ダ・ヴィンチの先見性を賛美する資料になりえず、あまり取りあげられることがなかったのではないか……、と。

説得力がありそうで、なさそうな、かなり微妙な形です。本当に飛ぶのか。どうやって浮くのか。どっちに進むのか。四方八方から風の抵抗を受けて、とんでもないことになりそうですよね。「搭乗者は、常に垂直の状態を保つことができる」とかなんとか、コメントが附されていたようですが、その根拠がよくわかりません。地球ごまみたいなものかな。映画『コンタクト』の宇宙船(タイムマシン?)みたいに、ぐるぐる回るのかな?


球体凧の紙工作(型紙)です。コピー用紙など、薄手の紙に印刷して作ったほうが良いようです。
◆紙工作の球体凧(約330kb)
※PDFファイルの紙工作型紙(無料)です。転用・転売・直リンクなどはご遠慮ください。

同じ形を、8枚。ひたすら切り抜いて、飽きもせずに折りたたんで、バランスを考えながら、てきとうに貼りあわせる。それだけで、できあがり。いちおう、翼の表と裏で、骨の有無を描き変えてあるのですが、できあがったらぜんぜん見分けがつかないので、無視してかまいません。

いうまでもないことですが、精密モデルではありません。いつものように、イメージ重視/紙工作として楽しいこと重視、です。その結果、できあがったものは、単なる球状のものになりました。ボーリングのピンを紙で作れば、転がしてぶつけて遊ぶこともできるでしょう。

……あーあ。天才ダ・ヴィンチのすばらしい構想なのに、ボクにかかったら、こんなシロモノになっちゃいましたよ。


【追記】
ちなみに、森美術館で開催されていた、『杉本博司:時間の終わり』展が、とても面白かったので、こちらはいろんな人にお薦めしたいです。できれば、もう一回見に行きたいくらいなんです。笑った笑った。


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