SSブログ

ショスタコーヴィチ 交響曲第5番(アンチェル) [クラシック音楽]

ショスタコーヴィチ 交響曲第5番
     カレル・アンチェル指揮
     チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
     1961年

アンチェル生誕100年記念第3弾。

一見随分あっさりとした5番。
でも侮る事なかれ。
かなり肉付けされたスケール雄大なバーンスタインや
厳しさの限りを尽くしたムラヴィンスキーも悪くはないけれども
この演奏は真の5番の姿を最もよく表現した名演ではなかろうか。
余計なことは一切せずにただ楽譜通りに演奏しているように見えて
その実背筋がぞっとするほどのリアリティを持つ演奏。

1楽章はもう少し厚みがほしいし
4楽章フィナーレもちょっと急ぎ足で物足りないけれども、
ショスタコーヴィチの自嘲めいた皮肉たっぷりな2楽章は
バーンスタインにもムラヴィンスキーにもないユーモラスさ満載だし、
弦楽合奏のラルゴも素直なこういう表現だからこそより一層
真実味に溢れ、はっとさせられる場面が随所に顔を出す。

感情移入して共感しやすいのはバーンスタインや
ムラヴィンスキーに違いはないけれども、
たまにはこういう「真剣に音楽を考えさせられる」演奏も
悪くはない。
こういう演奏からこそ共産党の厳しい視線を受けながら
作曲した作曲家の心情や、まだ共産主義支配下真っ只中にあった
この録音当時のチェコの情勢という難しい問題に
向き合うことができるのかもしれない。
ちょっと聴きで「あっさりして物足りない」と侮る事なかれ。
この演奏にはもっとものすごいものが裏に隠れていると思う。
以前UPした小澤盤にもこういう演奏を期待していたんだけどなぁ・・・・・。

現役盤のカップリングは「祝典序曲」ですが
私の所有盤ではチャイコフスキーの「1812年」なのでコメントはなしで。

ショスタコーヴィチ:交響曲第5番

ショスタコーヴィチ:交響曲第5番

  • アーティスト: アンチェル(カレル),ショスタコーヴィチ,チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
  • 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2003/07/23
  • メディア: CD


にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
※URLを含むコメントはスパム扱いとなりますのでご了承ください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました