日本以外全部沈没：ナニミル？～DVD日記～：SSブログ

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日本以外全部沈没　[2008年レビュー] [編集]

「日本以外全部沈没」（2006年・日本）　監督：河崎実　原作：筒井康隆

　2006年版の「日本沈没」を観たときから気になっていたパロディ映画をようやく観る。
　「日本沈没」があまりにヒドイ映画だったので、そのとき「まだ『日本以外全部沈没』のほうが面白いんじゃないか？」と書いたんだけど、なんのこたーない、こっちも相当ヒドイ映画だった（笑）。

　基本は「もしも日本以外が全部沈没したら…？」というショートコント集。もちろん方向性は間違ってないんだけど一応100分弱の映画なんだから「一本、筋通せよ！」と言いたくなるほど芯のないフニャフニャな映画でした。
　いや最後には世界平和みたいなハナシになるんですよ。結局人間は支え合って、助け合って生きていかなきゃいけない、みたいな展開になるんだけど、それまでに有効な伏線は無いし、ブラックジョークも効いてないし、マジメに悪ふざけしてないところが浅はかだなと思うわけです。
　河崎実にそれを期待するのが土台ムリなんだけど。

　じゃあ僕がどういう作品を期待していたかと言うと、①「祖国を失った人間の狂気」か、②「ボーダーレスとなったことで生まれる連帯感」か、③「狂った日本の独裁政治」のいずれか。向かう先はどこでもいいから行き着くところまで行き切って欲しかったんです。
　具体的に言うなら「ああ、日本以外全部沈没するとこんなことまで起きちゃうんだ」と観客に気付かせるものが欲しかったってこと。
　劇中には「アメリカが沈没したおかげで食料品の値段が上がった」という面白いシーンもあるんです。なのに食糧問題を深く追求するでもない。とにかく脚本に知恵を使い切ってないのがバレバレで、「頼むからもうちょっとアタマ使えよー」と言いたくなるのです。
　まあ、98分のしょーもないコントだと思えば腹も立たないかもね。