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アポロ月着陸はなぜ成功したか(その1) [宇宙村]

現在、NASA・ケネディ宇宙センターでは、スペースシャトルの運航再開に向けて、STS-114便の打ち上げ準備が進んでいます。STS-114便は、日本人の若田宇宙飛行士を含む7名を乗せて5月中旬に打ち上げられる予定です。このフライトが成功すれば、国際宇宙ステーションISSの建設のため、スペースシャトルの定期フライトが再開されます。

ただ、今回の運航中断の原因である、一昨年のコロンビア号事故のダメージは大きかった様です。米国ブッシュ大統領は、2004年1月、下記(内閣府・総合科学技術会議の公開資料より引用)の様な米国の新宇宙政策を発表しました。

  • 2010年までに国際宇宙ステーション(ISS)の組立てを完了させる(15カ国のパートナに対して責務を果たす)。
  • ISSへの搭乗員輸送(地球周回低軌道)だけでなく、宇宙探査にも対応可能なCrew Exploration Vehicle(CEV)を2008年までに開発し、2014年までに有人初飛行を行う。
  • 2015年から2020年までの間に有人月探査を実施。(2008年までに無人月探査計画を開始する)。継続的かつ資金的に可能な有人及びロボットによる太陽系及びそれを超える探査計画を実施する。

そして、これに付随して、「スペースシャトルは、コロンビア号事故調査委員会の勧告に基づき、安全を確認の上、飛行を再開。ISSを完成させた後、2010年に退役させる」とのことです。

すなわち、今度の「スペースシャトルの運航再開」は、現シャトル計画の「終わりの始まり」を意味します。ブッシュ大統領の新宇宙政策は、「新しいCEV有人宇宙機」や「有人月探査」といった輝かしい未来を謳う一方で、現シャトル計画の終了を宣言したと思えるのですが、どうでしょうか...or2

あの...輝かしい「アポロ月着陸」を成し遂げたNASAが、ポスト・アポロ計画として打ち出したシャトル計画。二度の大事故を起し、2010年退役を宣言?されたシャトル計画。いったい、米国の宇宙開発に何が起こったと言うのでしょうか。

...まずは、シャトル計画に先立つ「アポロ月着陸」について、複数回に分けて書きたいと思います。


1957年10月、ソ連(現ロシアを中心とした連邦国家)は世界初の人工衛星スプートニク1号を打ち上げました。これをきっかけとして、米ソの宇宙開発競争が始まります。

この宇宙開発競争に明確なゴールを示したのが、1961年5月、ケネディ大統領による「1960年代末までにアメリカ人宇宙飛行士を月に着陸させる」宣言です。この宣言の直前に、米国のマーキュリー宇宙船が有人初飛行に成功したといっても、地球を回らない弾道飛行。その段階で期限付きの有人月着陸を国家目標に据えた宣言は、かなり大胆だったと言えるでしょう。

そして、その後の歴史が示す様に、アメリカは3名の宇宙飛行士の犠牲(アポロ1号事故)を払いながらも、ケネディ大統領の宣言を実現しました。1969年7月20日、アポロ11号の月着陸船・イーグルは月の「静の海」に着陸。月に降り立ったアームストロング船長は、「これは一人の人間には小さな一歩だが、人類にとって偉大な飛躍だ」と語る。...う~ん、書きながら泣けてきたよ~(T^T)

その日(21日深夜?)、私の実家では法事が行なわれていましたが、お坊さんを始め、お客さん全員が読経を止めて、TVに映る月着陸(船長が月へ降りる場面?)の実況放送に見入ってました。といっても、中継状態は最悪。白黒のまだら状態の画面の中で、飛行士と管制官との通信内容から、NHKの解説者が「今、船長が着陸船のハッチを開けた様です」なんてしゃべってた...そんな気がします...(^▽^;)アイマイナ記憶デゴメンナサイ

これが、何と今から35年前に起きた出来事です。当時、こんなイベントを見せられた子供が、「当然、次は有人火星探査だよな!」なんて思ったって、不思議じゃない。あの頃は、「輝ける未来社会」が私の眼前に広がっていました。

アポロ11号の月着陸成功の後、12号、14~17号とアポロ月着陸は成功しました。映画化もされたアポロ13号は、月への飛行途中に酸素タンクが爆発。月着陸を断念して地球へ帰還しました。また、当初計画されていたアポロ18~20号のフライトは、宇宙開発予算の削減を受けてキャンセルされました。

月着陸成功を繰り返す中、アポロの月探査ミッションは徐々に本格化して、15号からは月面車を使った探査が始まります。でも、日本のTVや新聞の扱いはどんどん小さくなって行きました。これは米国でも同様だったのでしょう。ベトナム戦争が泥沼化していた米国にとって、アポロ18~20号のキャンセルは仕方がなかったのかも知れません。...ただ、順調に成功したその結果が、当初計画の一部キャンセルというのは、ちょっと悲しく感じます。

(後日、この続きを書きます)


↑アームストロング船長に続いて月面に降りるオルドリン飛行士(NASAのサイトより)

・アポロ計画に関するお勧め日本語サイト:アポロマニアックス

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