記事 での「髪飾り」の検索結果 459件
枯葉の髪飾りⅩⅩⅥ
「もう知っとらすでしょうけど、佳世さんと海に一緒に行ったとですが、その後体の調子の崩れんかて思うて、ちょっとオイ、いや僕は心配やったとです」
拙生が云います。
「いやあ、むしろ元気になったとよこ..
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枯葉の髪飾りⅩⅩⅤ
「ま、オイは大学生になったらビールになったばってんね」
彼女のお兄さんが云います。
「今年成人したからて云うて、大人ぶって」
吉岡佳世がからかうような口調で云います。
「やぐらし。寮の先輩..
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枯葉の髪飾りⅩⅩⅣ
「本当はなんかご挨拶の品ば持ってこんばやったとですが、オイ、いや僕が気の利かんもんけん、どうも済んません」
拙生がそう云うと彼女のお母さんは顔の前で手をせわしなくひらひらと動かします。
「なあん..
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枯葉の髪飾りⅩⅩⅢ
「井渕です。お邪魔します」
拙生は頭を下げたままそう云って徐に上体を起こすのでありました。
「どうもどうも、よう来たね」
彼女のお母さんはそう云って体の前に手を揃えて拙生に頭を一つ下げます。..
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枯葉の髪飾りⅩⅩⅡ
そう云うわけで九月の或る日曜日に、拙生は吉岡佳世の家に行くことになったのでありました。昼食を一緒にと云うことのようであります。いくら歓迎してくれるはずであると判ってはいても、彼女の家族に会うのはなん..
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枯葉の髪飾りⅩⅩⅠ
「井渕君、一度あたしの家に遊びに来ん?」
吉岡佳世が云うのでありました。
「お前ん家にか?」
拙生はベンチのすぐ横に座っている彼女の顔を覗きこみながら聞きます。「なんで?」
九月になって..
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枯葉の髪飾りⅩⅩ
「お前、本気で東京で大学生になる気にならんばだめぞ」
拙生は云います。「そうなったらいいか、とか云うとじゃなくて、本気の本気でぞ」
「うん判った。本気で大学生になりたいて思う」
吉岡佳世はそ..
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枯葉の髪飾りⅩⅨ
どんなにはしゃいでいても、きっと彼女の頭の中にはいつも自分の病気と向き合わざるを得ない苛烈な現実が鋭い棘のように浮き出ていて、そのはしゃいでいる自分をなにかの拍子に不意に突き刺したりするのでありまし..
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枯葉の髪飾りⅩⅧ
逆上せ上っているものでありますから、拙生は砂遊びをしている小さな子供に躓きそうになったり、置いてある誰かの浮輪を踏んづけたり、波打ち際の湿った砂に履いていたゴム草履をとられてつんのめったりしながら、..
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枯葉の髪飾りⅩⅦ
手を繋いでゆっくりと二人は波打ち際を歩くのでありました。
「誰か知っとる人間に見られとるかも知れんぞ」
拙生が云います。
「いいやん、見られてても、別に」
吉岡佳世が返します。拙生の小心..
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枯葉の髪飾りⅩⅥ
吉岡佳世は小屋から砂浜にぴょんと飛び降りると上体を屈して、穿いていたジーパンの裾を絡げ始めます。彼女の背骨の凹凸が白いTシャツの上に浮かび上がっているのを、拙生はなんとなく眺めているのでありました。..
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枯葉の髪飾りⅩⅤ
暫く吉岡佳世との言葉のやり取りが途切れた拙生の耳に波音が急に大きく聞こえだします。その波音に促されたように彼女は終わった昼食の後片付けを始めるのでありました。彼女は空いた弁当のタッパーの中に使った拙..
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