もうじやのたわむれ 272
「まあ、あの一件は、お主が間抜けだったと云うのも一因ではあるぞい」 　閻魔大王官は補佐官筆頭の方をふり返らずに、拙生を見ながら、皮肉な笑いを髭に覆われた口の周りに薄ら湛えて云うのでありました。 「..
タグ： 亡者 戯れ 娑婆 間抜け 審理 立つ瀬 お辞儀 小難しい サイン 遠慮

もうじやのたわむれ 191
　ウエイターは腰をかがめた儘そう云って、大テーブルの先の壁際にある調理カウンターを掌で指し示すのでありました。 「鯉料理にベーコンエッグにスパゲティーにラーメンに刺し身に寿司ですか。和洋、それに中華..
タグ： 日本酒 娑婆 戯れ 亡者 酒 徒食 猪口 中国 コーヒー 物腰

もうじやのたわむれ 173
「大丈夫ですか？」 　警察官が拙生と鵜方氏が平静な表情をしているのを認めて、少し気勢を削がれたような顔になって、遠慮がちな小声で聞くのでありました。 「ええ、私等は大丈夫ですが、･･･」 　鵜方..
タグ： 亡者 戯れ 娑婆 遠慮 当身 呑気 間抜け 公園 物腰 不謹慎

もうじやのたわむれ 172
「俺とした事が、少しばかりお前等を甘く見たようだぜ」 　小柄な男が冗談のような軽い口調で云うのでありましたが、それはこう云う事になっても、あくまで余裕のあるところを見せるための虚勢でありましょう。 ..
タグ： 公園 呑気 際どい リラックス 無難 当身 合気道 冗談 娑婆 戯れ

もうじやのたわむれ 153
「でしたら、繁華街の夜の賑わいも見てみたいですね」 　拙生は呑気そうにそう云うのでありました。 「まあ、それも結構ではありますが、･･･」 　コンシェルジュは絵地図から目を離すと、拙生を遠慮がち..
タグ： 亡者 戯れ 娑婆 呑気 街 地図 遠慮 あっさり 冗談 消息

もうじやのたわむれ 147
「そうですね、ま、ありません」 「地獄に行く事に抵抗はありませんか？」 「抵抗も、ないですね」 「ほう、そうですか」 　男は感心するような表情をして、顔を拙生からやや離すのでありました。 「..
タグ： 遠慮 旅行 無意味 戯れ 亡者 街 呑気 瞑目 娑婆 散歩

もうじやのたわむれ 146
　さて取り敢えず部屋の方を見てみるかと、拙生がエレベーターのある方に歩き出そうとすると、すぐ横のソファーに座っていた男に声をかけられるのでありました。 「あのう、補佐官と先程お話しになっていた新宿の..
タグ： 喫茶店 娑婆 戯れ 亡者 名前 新宿 お茶の水 神保町 審理 呑気

もうじやのたわむれ 145
「判りました」 　拙生は未だパンフレットを見ながら頷くのでありました。 「それからこちらは、この閻魔庁近辺の見所なんかが描いてある観光案内の絵地図です」 　補佐官筆頭が今度は、これもＢ五判の大き..
タグ： 亡者 戯れ 娑婆 地図 散歩 愛想 審理 名前 呑気 遠慮

もうじやのたわむれ 141
「ただで飲み食いして、買い物も出来るのですか？」 「そうじゃな。帰りに支払伝票にサインしておいて貰えば、後でその店の主人が閻魔庁に代金を取りに来るような仕組みになっておる」 「なんか至れり尽くせり..
タグ： 亡者 戯れ 娑婆 旅行 散歩 審理 了見 レトリック 好都合 呑気

もうじやのたわむれ 139
「そんな事が出来るのですか？」 「ほいな。亡者は正式に自分の希望生まれ変わり地をワシに申告する前に、充分思い悩む時間が要るじゃろうと配慮されていてな、三日間、閻魔庁の宿泊施設のゲストルームで、自由な..
タグ： 旅行 戯れ 街 娑婆 亡者 散歩 遠慮 気後れ リラックス 好都合

もうじやのたわむれ 131
「その、さるすべりの句に関しては、話しはそれでお仕舞いになったのかえ？」 　閻魔大王官が顎髭を扱きながら訊くのでありました。 「そうですね。もう一捻り考えて、今度こちらに出張して来た時に会心の句を..
タグ： 亡者 戯れ 愛想 陰鬱 酒 小難しい 間抜け 呑気 げんなり 味わい

もうじやのたわむれ 130
「どちらかと云うと慎ましやかな召しあがり方でした」 「それにつけても、その俳句とか俳諧の話しじゃがな」 　閻魔大王官が再び後ろの補佐官筆頭の方に上体を捻るのでありましたが、その窮屈な姿勢に辟易して..
タグ： 戯れ 酒 たじろぐ 苛々 陰鬱 呑気 無難 愛想 按配 小難しい