もうじやのたわむれ 354
「ああそうですか。ずうっと奥まで私一人で、いや、一亡者でトボトボと、及び腰で歩いて行かなければならないわけではないのですね?」
「そのようです。尤も、私は体験したことがないので、絶対そうだとは請けあ..
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もうじやのたわむれ 304
拙生は呑気にそんな愛想なんぞを云うのでありました。「ところでお二鬼共、準娑婆省の方には行った事がおありなので?」
「私は前に一度、矢張りあの補佐官筆頭のお伴で、これも同じように或る亡者様の護衛で行..
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もうじやのたわむれ 224
街の中をつるっと回って日比谷公園に帰ってくると、丁度昼休み時間になったようで、公園の中には多くの霊が出ているのでありました。ぽつんと一人、いや一霊でベンチに座って携帯電話片手にパンを齧っている霊あり..
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もうじやのたわむれ 158
「そうですね、三十五年くらいやった事になりますかな。しかし私は、年数は長いですが、ちゃらんぽらんと通っていた口で、大した腕前には結局なれませんでしたけれどね」
「いやいや、ご謙遜を」
「いやいやい..
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もうじやのたわむれ 106
そうなると前の審問室にいた審問官と記録官の気安さが、妙に懐かしくなると云うものであります。閻魔大王官にしても、未だそんなに会話を交わした事はないのでありますが、仄見せるその愛嬌たっぷりの仕草とか、拙..
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もうじやのたわむれ 104
痛みが、全くないのでありました。抓った手の甲はその部分が赤くなるわけでもなく、抓られた事を無視するように白っとした儘なのでありました。と云う事はこの手の甲には血の気がないと云う事でありましょうし、神..
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