弱電メーカー(2)
〈岩垂邦彦〉
吉崎とWE社の間を仲介していたのは、岩垂(いわたれ)邦彦という人物である。
岩垂は安政四年(1857)に九州の小倉に生まれた。1882年(明治十五)、工部大学校(のち東京帝大..
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弱電メーカー(1)
〈伝話器〉
この章は、本書の主題である社会・経済の情報化ないし、ITサービス(ソフト/サービス)産業と直接の関係がない。第二次大戦後、国策に沿ってコンピュータを国産化する電機・電子機器メーカー..
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拡大する矛盾(5)
9月21日から11月4日までのおよそ1か月半に、横浜正金銀行は3億4200万円相当の円をドルに交換した。そのときの上位4社は次のようである。
・ニューヨーク・ナショナル・シティ銀行 3700..
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拡大する矛盾(4)
井上が描いた景気回復のシナリオは、次のようなものだった。
① まず、緊縮財政/軍備費削減によって重工業、繊維産業の不況は一時的に深刻さを増す。
② それによって、倒産や企業合併が進み、失..
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拡大する矛盾(3)
このために為替レートは円高に転じ、百円=43ドル50セントに回復した。これと同期して金の保有量が増加に転じ始めた。緊縮財政で一時的に不況の度は増すかもしれないが、輸出が回復すれば不況から脱することが..
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拡大する矛盾(2)
〈井上準之助〉
浜口内閣で財政を担当したのは井上準之助である。
東大を卒業し日銀に入り、イギリスに留学後、1913年に外国為替取引を専門とする横浜正金銀行の頭取に就任し、19年日銀総裁を経..
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