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肢体不自由のある方へのAT/AACその2 [e-AT・AAC(試験対策)]

肢体不自由の方に入って2回め,今回はキーボードが使いにくい方,マウスが使いにくい方への入力支援方法をまとめる.

  • キーボードが使いにくいとき
    • キーボードが使いにくい状況について
      • マヒがある場合
        「可動範囲が狭く遠くにあるキーを押せない」「片手が使えないため[Shift]キーを押しながらの操作ができない」「キーが重過ぎ,深すぎのため押すことができない」など
      • 不随意運動や緊張がある場合
        「押さえたキーが話せないためリピート入力されてしまう」「意図したキーとは違うキーを押してしまう」
    • OS付属の機能での対応(Wondowsの場合)
    • OS付属の機能での対応(MacOSの場合)
      • イージーアクセス(旧MacOS)」機能(「コントロールパネル」内にある).
      • ユニバーサルアクセス(MacOS X)」機能(「システム環境設定」内にある).
      • キーボードに関して設定できる機能は「複合キー」「スローキー」の2つ.
      • 「複合キー」…特殊キー([Shift][Control][Option][Apple]キー)を押した状態で固定する機能.Windowsの「固定キー」に相当.
      • 「スローキー」…キーの入力を受け付けるための時間の設定を行なう機能.キーのリピート機能はスローキーの設定で解除される.Windowsの「フィルタキー」に相当.
      • 「固定キー」「スローキー」については「パソコンのアクセシビリティその7(Macの場合)」をご参照下さい.
      • コントロールパネル内の「キーボード設定」…キーの繰り返し速度と繰り返すまでの遅れの設定が可能.
    • 市販品の中にも大きさ,キーの深さ,動作重量などさまざまなものがあるので使用者によっては使えるものもある.
    • 自助具・キーガードの利用
      • 口にくわえた「マウススティック」や頭につけた「ヘッドスティック」などの自助具による入力可能となる場合がある.
      • キーガード…通常のキーボードに穴を開けたアクリル板をキーボードの上に取り付け誤動作を防ぐガード.
    • 代替キーボード
      • 大型キーボード…キーが大きく間隔も広いため,不随意運動の多い方に有効な場合がある.キー配列をかえられるものもある.
      • 小型キーボード…標準キーボードでは届かないキーのある方,可動域は小さいが細かい操作をできる方に有効な場合が多い.
      • オンスクリーンキーボード…画面に表示されたキーボードのことであり,マウスやトラックボールなどポインティングデバイスを操作し,マウスカーソルを入力したいキーの上に持って行き,クリックすることで入力できるものが多い.可動域が極めて狭く小型キーボードでも使用が困難な方に有効な場合がある.また,タッチスクリーンを使用し直接キーを押すことで直接選択できるものもある.キー配列や大きさを変えることができるものもある.
    • 音声入力…音声入力システムを使用し,音声でアプリケーションの使用や文章作成ができるものがある.ただし,認識率が人により違うこと,すべての操作ができる訳ではないことを伝える必要がある.
      キーボードの入力補助に関しては下記サイトをご参照下さい.
  • マウスが使いにくいとき
    • マウスが使いにくい状況について
      • マヒがある場合
        「マウスを動作させること自体が難しい場合」「マウスのボタンを押しながらマウスを動かせない場合」「ダブルクリックが難しい」など
      • 不随意運動や緊張がある場合
        「振えのためマウスカーソルを目的の場所に持っていけない」「クリックボタンを押すタイミングが上手く取れないためダブルクリックやドラッグが難しい」など
    • OS付属の機能での対応(Wondowsの場合)
      • ユーザー補助」機能(「コントロールパネル」内にある).
      • マウスに関して設定できる機能は「マウスキー」.
      • 「マウスキー」…テンキーを使ってマウスカーソルの操作ができるようになる機能.
      • 「マウスキー」については「パソコンのアクセシビリティその4(マウスキーについて)」をご参照下さい.
      • コントロールパネル内の「マウス」の設定…マウスの左右のボタンの機能の入れ替え,ダブルクリックの速さやマウスカーソルの移動速度の調整が可能.
      • キーボードショートカット」…[Ctrl]キー+「S」キーで保存,[Ctrl]キー+「P」キーで印刷など通常マウスで行なう動作をキーボードでもできるよう置き換えたもの.
      • キーボードナビゲーション」…アプリケーションの使用をキーボードのみで操作できるようにする機能.[Tab]キーでフォーカス移動,[Enter]キーで決定となる,
    • OS付属の機能での対応(MacOSの場合)
      • イージーアクセス(旧MacOS)」機能(「コントロールパネル」内にある).
      • ユニバーサルアクセス(MacOS X)」機能(「システム環境設定」内にある).
      • 「マウスキー」…テンキーを使ってマウスカーソルの操作ができるようになる機能.Windowsの「マウスキー」と同様.
      • 「マウスキー」については「パソコンのアクセシビリティその7(Macの場合)」をご参照下さい.
      • コントロールパネル内の「マウス設定」…マウスの移動速度,ダブルクリックの速さ,マウスの軌跡の長さの設定が可能.
      • 「ショートカット」…マウスを使って操作する一般的な機能をキーボードのみで行なうことが可能であるが,Windowsにくらべるとキー操作のみでマウス操作の代替できるケースが少ない.
    • 市販品の中にも小さいマウス,トラックボール,タッチパッドなどさまざまなものがあるので使用者によっては使えるものもある.また,ゲーム用のジョイスティックやコントローラーをパソコンでマウスとして使用するためのソフトがある.
    • 自助具の利用…クリックボタンに外部スイッチを接続し操作できるようにするなど.
    • 代替マウス
      • トラックボール…指先でボールを操作することでマウスカーソルを動かす装置で,腕の動きが困難な場合に使用できる場合がある.
      • タッチパッド…よくノートパソコンについているポインティングデバイス,指先の移動でマウスカーソルを動かす装置で,トラックボールと同様に腕の動きが困難な場合に使用できる場合がある.また,動作に必要な力はトラックボールより少ない.
      • 押しボタン式マウス…方向ボタンを押しマウスカーソルを操作する装置.
      • ジョイスティック式マウス…マウス・トラックボールとは異なり,スティックの角度に応じてマウスカーソルが移動する装置.
      • ヘッドコントロールマウス…頭部に発信機や反射シールを装着し,頭部の動きでマウスカーソルを操作する装置
      • 視線入力式マウス…目で見た方向にマウスカーソルを移動させる装置で,カメラで眼球の動きを検出しマウスカーソルの動きに変えるもの.
        マウスの入力補助に関しては下記サイトをご参照下さい.

次回はキーボード・マウスともが使いにくい方への入力支援方法および環境制御装置についてまとめる.


参考文献・サイト

  1. 福祉情報技術 II 生活を支援する技術編
    e-AT利用促進協会 監修
  2. 福祉情報技術 I 障害とテクノロジー編
    e-AT利用促進協会 監修
  3. 福祉情報技術コーディネーター認定試験
    e-AT利用促進協会 監修
  4. アダプティブテクノロジー ~コンピュータによる障害者支援技術~
    ジョゼフ・ラザーロ 著/安村通晃 監訳/島原信一・中村美代子・石田直子 訳
  5. こころWeb
    こころリソースブック編集会


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