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視覚障害のある方へのAT/AACその2 [e-AT・AAC(試験対策)]

前回は視覚障害の種類と弱視(Low Vision)の方向けの支援機器の紹介を行なったが,今回は主に全盲(Blind)の方向けのパソコン入力・出力装置の紹介を記事にしている.

  • キーボード入力に関して
    • 標準的なキーボードの使用した入力
      タッチタイプ(ブラインドタッチ)ができる場合,標準的なキーボードの使用は可能である.
    • 点字入力
      これには次の2つの方法がある.
      • 専用の点字キーボードを使用する方法
        点字の各点にあたる6個のキーがあり,該当する点を入力する.
      • 通常のキーボードをソフトウェアを用いて点字入力する方法
        ソフトウェアを用いて上記の点字キーボードの各キーを[F][D][S][J][K][L]に割り当て入力を行なう.
        点字入力ができないキーボードがあるので注意が必要.
        点字入力に関しては下記サイトを参照して下さい.

    • 携帯電話入力とポケベル入力
      テンキーを用いた入力方法.携帯電話入力は,[7]キーを1回押すと「あ」,2回押すと「い」,3回押すと「う」と入力する方法(テンキーと携帯の数字配列が違うので注意すること).ポケベル入力は「す」を入力したい場合,さ行(3行め)なので[3],う段(3段め)なので[3]と入力する方法.
    • 音声入力
      音声認識ソフトウェアを用いた入力方法であるが.誤入力するケースがあるため他の入力方法と併用するのが望ましい.
      音声入力については下記サイトをご参照下さい.
  • マウス入力に関して
    現在のところ全盲の方がマウス入力を行なうことはかなり困難である.代替としてキーボードナビゲーションやショートカットを使用するケースが多い.ただし,一部ソフトウェアは正しく機能しない(設計されていない)場合があるので注意が必要である.
  • 画面情報の確認
    MS-DOSのようなCUI(Character User Interface)の場合だとスクリーンリーダーや点字ディスプレイで情報を捕らえることができるが,現在はWindowsのようなGUI(Graphical User Interface)のOSが主流となっており,全盲の方の画面情報の把握は以前より難しいものとなっている.
  • スクリーンリーダー
    パソコンの画面上にある情報を読み上げるソフトのこと.ソフトウェアやウィンドウの内容を読み上げる機能と押したキーが何であるか文字を読み上げる機能を有する.欧米の特に英語などは単語の読み方は基本的にひとつであることと同音異義語が少ないため,読み上げ内容が把握しやすいが,日本の場合,同じ文字でも読み方が違ったり同音異義語が多いため,例えば「日本」を読み上げる際に「にちようびのにち,ほんばこのほん」いった具合に詳細読みが必要となる場合が多い.

    また,スクリーンリーダーが読み上げることのできないソフトウェアが存在する.画面上の全ての情報を読み上げることは不可能,パソコンがフリーズした場合ユーザーは情報を把握できないといった問題がある.なお,スクリーンリーダー自体が一般的なソフトウェアではないためトラブルやエラーを誘発させることもある.
    スクリーンリーダーについては下記サイトをご参照下さい.
  • 点字ディスプレイ(ピンディスプレイ)
    スクリーンリーダーの場合,時系列上に情報が伝わるため,全体の把握が困難な場合がある.スクリーンリーダーで読む部分を点字で表示すれば何度も確認をすることが可能となる.
    点字ディスプレイについては下記サイトをご参照下さい.
  • 点字プリンタ
    パソコンを用いて作成した文書を点訳(墨字から点字に変換すること)し点字プリンタで出力することが可能.また,作成した点字文書は点字エディタを用いて直接点字を編集することもできる.なお,図を出力するときは点図ソフトウェアを使用する(一部機器で可能)
    点字プリンタについては下記サイトをご参照下さい.

とりあえず今日はここまで.次は全盲の方の日常生活の支援機器の紹介を行なう.


参考文献・サイト
  1. 福祉情報技術 II 生活を支援する技術編
    e-AT利用促進協会 監修
  2. 福祉情報技術 I 障害とテクノロジー編
    e-AT利用促進協会 監修
  3. 福祉情報技術コーディネーター認定試験
    e-AT利用促進協会 監修
  4. アダプティブテクノロジー ~コンピュータによる障害者支援技術~
    ジョゼフ・ラザーロ 著/安村通晃 監訳/島原信一・中村美代子・石田直子 訳
  5. こころWeb
    こころリソースブック編集会

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