本■火怨(上下巻) [┗小説とか]
■出版社■講談社文庫
■作者■高橋 克彦(タカハシ カツヒコ)
■ジャンル■歴史小説
■やまの評価■★★★★★
高橋さんの東北歴史小説、『火怨』→『炎立つ』→『天をを衝く』という流れの大作の序盤です。
時代的には、こんなことがあった時代です。
平城京遷都(710年;何と(7、10)キレイな平城京、と暗記しましょう)
↓
長岡京遷都(784年;名(7)は(8)知(4)らないよ長岡京、と暗記しましょう)
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平安京遷都(794年;鳴(7)く(9)よ(4)ウグイス平安京、と暗記しましょう)
こんなことがあった奈良時代のお話です。歴史の授業では、古事記とか国分寺とか奈良の大仏とか習ったかと。中央のことばっか知っても面白くないでしょ?ってことで。
辺境と蔑まれ、朝廷の興味から遠ざけられ、平和に暮らしていた陸奥の民。8世紀、黄金を求めて支配せんとする朝廷の大軍に、蝦夷の若きリーダー・阿弖流為(アテルイ)は遊撃戦を開始した。北の将たちの熱い思いと民の希望を担って。古代東北の英雄の生涯を空前のスケールで描く、吉川英治文学賞受賞の傑作。と、出版社/著者からの内容紹介にはあります。
学校で聞いたことありませんか?「坂上田村麻呂が征夷大将軍となって蝦夷(えみし)を平定した」って史実を。きっとその頃は暗記するだけだったんじゃないでしょうか?なぜ平定しなければならなかったのか?蝦夷は何か悪いことをしたのか?
日本史で習うのは、勝った側からの視点のみで、負けた側の事情は基本的には触れられてないような気がします。
自分たちと異なる醜い「蝦夷」と蔑まれ、略奪・侵略される側が「人としての誇り・自由を守る戦い」をする。誰もが史実を知ってるので、「最後には負ける」ってのは分かってます。けど、「義のために闘う」っていう心がいたるところに表現されてて、読む側には「熱い」小説です。
「中央権力の理不尽さ」や、「死を覚悟した男気」や、「目的を一つとして立ち向かう男たちの友情」など読む側の感情を引っ張り出す文章表現はさすが高橋克彦さんって感じです。
最後は泣けます!
最後の方だけ3~4回は繰り返し読んでしまうくらい泣けちゃいます!ゼヒ!
ちなみに、田村麻呂が創建したと伝えられる京都清水寺境内には、平安遷都1200年を記念して平成6年(1994年)11月に、最後に処刑された2人の顕彰碑が建立されているそうです。「最後に処刑された2人」については読んでネ♪
ってことで料理は2~3日おやすみです~m(_ _)m
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