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音楽ホール・劇場運営に必要な諸要素~Hall Managements for Dummies [指定管理者制度]

地方議会の政争と化しつつある「さきら」騒動を、あらためてアーツマネージメント問題として考えるための覚え書きです。
栗東問題がとりわけ騒ぎになっているのは、「指定管理者制度が導入されたらこんな混乱が起きるかもしれないぞ」とアーツマネージメント界でシミュレートされていた筋書きそのまんまの典型例だからだ、ということも再確認しておきます。

                            ※※

ホール運営の5つのジャンルに分け、各ジャンルの仕事としての性格を、「ハード」と「ソフト」、「表方」と「裏方」で位置づけてみましょう。

1:ビル管理業務:建物から駐車場までを含めた劇場・ホールの維持・管理。(ハード、裏方)
2:劇場管理業務:音響・照明など劇場・ホールの専門的機材の管理・運営。(ハード、裏方)
3:会館運営業務:劇場を演劇団体や演奏団体に貸し出す貸館業務。(ハード、表方)
4:接客業務:劇場・ホールでの接客一般、チケット販売、レストランやショップ運営。(ソフト、表方)
5:公演事業企画制作業務:ホールや劇場で行われる出し物を制作、宣伝広報まで含む。(ソフト、裏方&表方)

劇場運営の教科書の目次を列挙したような乱暴なメモです。「既にそこに存在する建物としての文化施設を運営する」ための諸要素で、「建築物としての文化施設をどうやって建てるか」、という議論ではありません。何よりも重要な「予算」にも触れていません。
大きな問題なのは、公共文化施設の特異例としての「市民納税者」という人々のあり方が、このメモにはまるで入って来ないこと。「予算」を視野に入れれば、市議会での予算承認というところで市民納税者の直接的関与が出てきますが。
また、「さきら」議論に限れば、ホントは「専門性の高さ」という指標も必要なんですけどねぇ。
以上、あくまでも考え方の指針。劇場運営の実態を踏まえれば、3と4を一業務とみなすこともできるでしょう。ま、適当にご利用下さい。ご協力いただきました関係者の皆様、有難うございます。

クリスマス・お正月休暇の暇ぶつし、知的な遊びとして、お近くの公共文化ホール・劇場を自分が利用するときに、どの部分と関わっているのか、シミュレーションしてみてくださいな。

娘のバレエの発表会でヴィデオ撮影をするでもよし、劇団「四季」公演を観に行くでもよし、併設カフェで知り合いと待ち合わせをするもよし、甥っ子を庭で遊ばせるもよし、ホール周辺の清掃ボランティアに参加するでもよし、市民劇「忠臣蔵」やらアマチュア合唱団「第九」の練習をするでもよし…その際に、文化施設のどの部分を利用し、どんなスタッフと接し、なにか事故があったときに誰が対応してくれて、誰に責任があるのか。

いかがでしょうか、少しは劇場を運営という面倒な業務のイメージがつかめますか。

                            ※※

クリスマスイブの昨晩、晴海のNPOが運営する民間コンサートホールでのクリスマス・コンサート終演後、そのホールを中心に活動するボランティアのオバチャン、オッサン、ねーちゃん、それにホールスタッフら1ダース以上が、打ち上げ二次会で我が佃の庵に乱入。文字通り座る場もないほどに詰まり、真夜中のミサが始まる頃まで大騒ぎしていった。来年度に向け「日本初の独立サポーター組織を立ち上げるぞぉ、NPO化を目指すぞぉ」と、なにやら怪気炎が挙げられていたのだけど…これって、上のメモでいえば、4の部分ですね。公共文化施設ならば、「市民ボランティア」という奴。

騒々しいながらも年の暮れ。栗東でシンポジウムをやっていた頃に、すぐそばのJRA施設で試合前の走り込みをしていたお馬さんたちも、さっき無事に仕事納めを終えたようだし。

競馬場って、誰がどうやって運営してるのかしら。公共施設なのかしら、それともJRAが持ってるのかしら。なんにせよ、栗東市が日本一住みやすい町とされる経済的背景のひとつは、JRAのお馬さん基地があることなんだろうなぁ。http://www.ritto-kanko.com/view_toresen.htm

なかやまに 紙吹雪舞い さきら建ち (栗東市長←ウソ)


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