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李ソウル市長 a GOGO! [音楽業界]

6月にイタリア取材をしたコンペの原稿を明日朝締め切りでやっていて、もう頭の中の時系列はボロボロ。体バラバラ、ものを考えただけで涙が出てくる前頭葉過労状態。このままでは今日もブログが落ちること確実なので、とにもかくにも頭使わずに、爬虫類の死体が条件反射で書くみたいに書ける内容を綴っておきましょうか。

さっき校正をFAXで戻したソウル取材の原稿で、まるで使えなかった部分。東京の某大衆文学者出身イケイケ知事と双璧、吹くことだけは達者なアジアの突っ走り首長の両巨頭、李ソウル市長がグイグイ飛ばして周囲を呆れ驚かせている、漢江アーツセンターの情報です。

日本では殆ど報道されていないようだけど、この建設出身のソウル市長、漢江大橋が貫いている漢江に浮かぶ小さな島全体を、巨大アーツセンターにする計画をぶち挙げた。完成は2009年で、この方はとっくに市長じゃあないんだけど、大統領になって高笑いをしながらテープカットをする腹づもりとのこと。

なにはともあれ、ソウル市のホームページに挙がっている建築コンペ応募要項は以下。
http://www.uia-architectes.org/texte/england/Seoul2005/2seoul.html
このページ一番上の写真の島を、まるまるアーツセンターにしてしまおうという無茶なアイデアです。

で、世界から315人の山師、じゃなくて建築家チームが、絵に描いた餅のようなとてつもない原案を出した。去る31日から1週間、最初の審査を通った24の案が、市庁舎の前にディスプレイされておりました。全ての応募案は、来年になったらみられるそうです。ひとつ例を見せてあげましょ。

こんな調子の図案だらけ。おいおい、建築家さんよぉ、ってのばかりでした。以下が、市のホームページに挙がる、24案のうちのいくつか。これ、はっきりいって、穏当な奴ばっかり並べてるね。
http://english.seoul.go.kr/today/news/city/1223785_3326.html

いやぁ、経済危機があろうが、経済成長が頭打ちだろうが、サムソン支配も後何年かでまたヒュンダイのような分割になるだろうと噂されようが、ソウルのパワーはスゴイです。頭が下がる。

ところで、音楽ファンとすれば、このアーツセンター構想には、もっと重要な情報がふくまれているのであーる。

ご存じの方も多いと思いますが、指揮者のチョン・ミョンフン氏は、去る8月15日の光復節の日に、ソウル市庁舎前で、音楽顧問兼指揮者に就任したばかりの旧ソウル市交響楽団(今後はSeoul Philと呼ばれるそうな)を振って野外コンサートをしてます。就任時のニュースは以下。
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2005/03/22/20050322000053.html

この旧ソウル市響、ソウル地域のオーケストラのビックスリーからも転落し、しばらく低迷していて、どうしてわざわざこんなオケの責任取る気になったんだぁ、と事情通は不思議に思ってたわけですね。
でも、そーです、そろそろ見えるでしょ、この市長が新しく造るソウル市のアーツコンプレックスの目玉は、オペラハウスなんです。李市長はコペンハーゲンのオペラハウスを視察し、「場所も川の向こうに街があるし、こんなオペラハウスが良いね」などと毎度ながらGOGOな発言しているわけです。
このオペラハウスのピットに入るオケとして、旧ソウル市響をチョン氏に委ねたか?…という筋書き。
一部ではオケの首切りが始まったとの噂が流れていますけど、韓国の「音友」たる「客席」朴編集長によれば、それは嘘にすぎないそうな。

このオペラハウスプロジェクト、なんとなく眉唾っぽいなぁ、という気がしないでもないけど、とにもかくにも、2009年にはソウル市オペラハウスを完成させると現市長が言い張っており、チョン・ミュンフン氏などというこれまでソウルでのポストを長期間きちんと持ったことのなかった大物がなぜか市立オーケストラ(正式には都響と東京都みたいな関係の財団で、京都市と京響みたいな関係じゃありませんが)を指揮するようになった、となれば…まあ、いろいろ想像するなという方が無理ってもの。

ソウルのオペラハウス動向、今後はいろいろ情報が流れるでしょう。お楽しみに。コリア・シンフォニーが実質上のレジデンシィをし、国立オペラ団が事務局を構えている「芸術の殿堂」オペラハウスとの関係が、いろいろと騒がしく聞こえてくるだろうなぁ。
なんせ、あらゆる西洋音楽の中でオペラが一番好きという東洋のイタリア。李市長の今後のパーフォーマンスに注目だっ!

ちなみに、10月の初め、東フィルが「芸術の殿堂」で国立オペラ団が行う「ナブッコ」のピットに入りに訪韓します(指揮者はチョンさんじゃなくて、ダニエル・オーレン)。ソウルの状況は、東京とは無関係じゃあない。


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