『野の花たちへ』コラボレート写真詩⑱ [コラボレート]
(photo by ドン亀さん 翁草)
『野の花たちへ』
風が和らぎ 土が目覚めた
小川の水かさが増し
気づくものたちに
春は微笑みかける
野の花の優しさは
変わらぬ日々への讃歌
何かになりたいと
願った日もあったけれど
傍らに
共に生きるあなたがいて
日が昇り
ただ沈む
この穏やかさが
本当の幸せだと 教えてくれる
翁草のかたわらに
山葵の花が咲き
今年の春が
ゆっくりと通り過ぎてゆく
(photo by ドン亀さん ワサビの花)
(作者からあなたへ)
☆オキナ草、ワサビの花、見たことあります? 小さな野の花たちが教えてくれる春の訪れは、幸せの意味についてほんの少し、考えさせてくれるような気がするのです。
(『ドン亀日記』より)←ドン亀さんのプロフィール http://blog.so-net.ne.jp/trout/
2006.3.27の「オキナ草&ワサビ」の頁からお借りしてきた写真です。オキナ草、私は知りませんでした。ワサビの花も見たことがありません。季節の変化に気づけないなんて、とてももったいない気がします。身近に野山の無い暮らしというのは、なんて味気ないのでしょう。
都会に長く住んでいると、春は野の花と共にやってくるということを忘れてしまいます。コンクリートジャングルでは、せめて桜を見上げて春を感じるしかありませんが、本当の春は、足元の小さな野の花たちが教えてくれるのかも知れません。春を探し回る人たちと、春に包まれて暮らす人たちとでは、生きることの深さが違ってくるような気がします。
ありがとう。
「傍らに 共に生きるあなたがいて 日が昇り ただ沈む この穏やかさが
本当の幸せだと 教えてくれる」
ぼくの理想です。現実は厳しいけど(笑)。
「翁草のかたわらに 山葵の花が咲き」というところは厳密に言うと植生が違うからありえないのかも・・・。でもこの詩の本音はそんな枝葉末節のこととは関係ないのだから、それでいいと思いますよ。ぼくは好きです。
今朝はまた氷が張りました。
by (2006-03-30 07:26)
写真は雄弁ですね。一度見ただけで、心に入ってくる。
詩は繰り返し読んで、染み渡ってくるものですね。
久々に心穏やかな日曜日。
はじめて『野の花たちへ』を読んだのは、会社のパソコンから。
心をどこかに置いていってしまった日常生活では
ほんの些細なことにも何も感じることが出来ないようです。
今、落ち着いてようやく文字が意味をもって伝わってきます。
いま僕の周りで春を感じるものは、風の匂いぐらいですね。
あまりに心貧しい生活を送ってきたので。
コンビニ弁当に地下鉄の行き帰り、人を無視した言動の数々。
一つ一つ上げていたらきりがないですね。
ふと気付いたらもう4月。はやいなー。ふー。
詩にコメントをつけるのは、ナンセンスかな。(笑)
by Hi-D!!! (2006-04-02 13:07)
★by Hi-D!!!さん、ありがとう。
あなたの言葉こそが「詩」です。実感から生まれる、厳しく、暖かく、少し哀し
い言葉。それこそが詩だと、私は思っています。人はみな詩人なんだと。
会社のパソコンで詩を見つけるあなたの感性を、私はとても素敵だと思いまし
た。そして、それを忘れず、もう一度読み返してくださるあなたの心の柔らかさ
に、私はこの詩を書いて、本当によかったと、涙ぐんでしまいました。
みなさん、詩には、なかなかコメントをくださいません。だから、書くほうは、こ
れでよかったのかどうかと、いつも悩むのです。心のこもった、素敵な言葉の
お返しを、どうもありがとう。
by mama-witch (2006-04-02 15:28)
素敵な写真、そして素敵な詩ですね。。。
このやさしくてあたたかい詩が好きです。
by (2006-05-18 23:08)