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イラクの映画いくつか上映中

さて、きょう(29日)から北海道と山口遠征だ。
http://www.littlebirds.net/gekijo/gekijo.html

10月に入ると月末まで、「山形ドキュメンタリー映画祭」http://www.city.yamagata.yamagata.jp/yidff/home.html のほかにも、北海道から九州まで連日上映で各地を僕も巡回する。よろしくお願い申し上げます。

さて、いまちょうど「Little Birds」だけでなく、いくつかイラクの映画が上映されています。先日はフジテレビの「とくダネ!」や、日本テレビの「プラスワン」でも紹介されていました。新聞でも最近よく紹介記事を見かけます。

東京・岩波ホールでは、以前もこちらでご紹介した「亀も空を飛ぶ」http://www.sanmarusan.com/kame/ が封切りされた。この後全国各地で上映される。イラク北部クルド自治区を舞台にしたこの映画は冒頭から「絶望」の連続だ。そして「絶望の果て」に何が待ち受けているのか。「安易な希望と結末」を期待する人にはちょっとつらいかもしれないが、覚悟して必ず見ておくべし。http://blog.so-net.ne.jp/watai/archive/20050703

ほかにも「アジアフォーカス・福岡映画祭」でクルド自治区の映画「少女ジヤーン」が上映される。
http://www.focus-on-asia.com/j/work/work01/03.html
こちらはまだ見ていないので感想は書けないが、ぜひご覧下さい。

以上までは、これからも恐らくメディアで紹介されるのだと思うが、とっておきのイラク映画作品が一つある。川崎の「しんゆり映画祭」http://www.siff.jp/siff2005/で、10月7日(金)に上映される「露出不足」だ。http://www.siff.jp/siff2005/sato_tadao.html#roshutsu 

これは今年4月に東京で「アラブ映画祭2005」http://www.jpf.go.jp/j/culture_j/topics/movie/arab.html が開かれたときに見た。当日は、イラク戦争の現場で出会った新聞記者やカメラマンも来ていたのだが、上映後、みんなうなり声をあげて驚いていた。2003年4月のバグダッド陥落直後、同市内で撮影ロケされた数々のシーンと描写に、みんな自分が取材・撮影した「その瞬間」のいくつかを重ね合わせたのだろう。

しかし、実際自分がそこにいたとき以上に、「イラク戦争」を映し出すある種のリアルなシーンや情景、イラクの人たちの心情を感じたのは僕だけではあるまい。イラク情勢の分析で知られる酒井啓子さんも「イラクの人たちの表現の魂はまだ死んでいない」と会場で言っていた。

「露出不足」はほかで上映される機会はなかなかないかもしれない。ドキュメンタリーから劇映画まで、この機会に様々なイラクをぜひ見てほしい。このブログ見ている人には言うまでもないけど、「Little Birds」もヨロピク。

一方、現実のイラクは、10月15日に新憲法の国民投票が予定されている。http://www2.asahi.com/special/iraq/TKY200509090113.html 今年はこうした政治プロセスが連続するが、その節目の前後というよりも、特に「前」の時期が最も荒れて、最も死者が出るというのが実情だ。

映画で描かれる多様なシーンや言葉の背後に、死者たちの「無言の遺言」が横たわっている。

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綿井健陽 WATAI Takeharu
Homepage [綿井健陽 Web Journal]
http://www1.odn.ne.jp/watai

映画「Little Birds~イラク戦火の家族たち」
公式HP http://www.littlebirds.net/
全国ロードショー上映中
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アグス・ムリアワンの6回忌(9月25日)

▼9月25日(日)午後2時~ 東京・明大前「キッドアイラックホール」
JVJA会員によるトークなど
http://www.jvja.net/13%20fhotojournalists.html

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アジアプレスの同僚だったアグス・ムリアワン(インドネシア国籍=享年26歳)が99年に東ティモールで殺害されてから、きょう25日(日)で早くも6回忌を迎えます。きょう(25日)のトーク会場で、彼の追悼番組を少しお見せしたいと思います。ご覧いただければ幸いです。

※僕のHPに掲載したアグスに関する記事は以下を参照
http://www1.odn.ne.jp/watai/tuitou-agus.htm

国連の暫定統治を経て、2002年に東ティモールは独立国家になりました。
アグスの婚約者だったサンチ・デービスさんは昨年ご結婚されて、赤ちゃんを出産されました。

さて、先日の南部バスラに続いて、今度はイラク北部モスルで、またイラク人ジャーナリストが殺害されました。http://www.rsf.org/article.php3?id_article=15079

以前も書きましたが、この2年間のイラク戦争でも報道陣の殺害は、地元イラク人が6割以上を占めております。http://www2.asahi.com/special/iraq/TKY200505040166.html

そして、「国境なき記者団」は、イラクの武装組織だけでなく、むしろ米軍とイラク軍が依然としてメディアの「敵」であることを伝えています。http://www.rsf.org/article.php3?id_article=14947

そこで暮らす人たちと、その実態を何とか世界に伝えようとする地元メディアの人たちが、いつも最も危険な状況にあります。それは世界中どこの戦争の現場でも同じです。

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綿井健陽 WATAI Takeharu
Homepage [綿井健陽 Web Journal]
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映画「Little Birds~イラク戦火の家族たち」
公式HP http://www.littlebirds.net/
全国ロードショー上映中
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これから新聞記者になる人へ

▼講談社「本」10月号=9月22日発売
http://shop.kodansha.jp/bc/books/hon/
エッセイ「僕の原点」

※紀伊国屋書店、旭屋書店などの大きな書店のレジ付近に置いてあるはずです。1冊80円!

▼朝日ニュースター「ニュースの深層」
http://www.asahi-newstar.com/
9月23日(金・祝)午後8時~OA(再放送あり)
スタジオ出演「自衛隊の活動は? サマワ現地報告」

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発売日を間違えていたようで申し訳ないのですが、
講談社の雑誌「本」に、ちょっと長い「プロフィール」を書きました。
当初入る予定だったサブタイトルは、「カンボジアPKO自衛隊から『自動車絶望工場』まで」。

そこにも書いたのですが、僕も過去に新聞社の入社試験をいくつか受けています。ほぼ全社途中の試験や面接で落ちたのですが、ある通信社の写真記者「補欠内定」という通知をもらったことがあります。結局「補欠」のままで入社できませんでした。もしあのときだれか「内定辞退者」が出ていれば、僕はその後どんな人生を歩んでいたのかと、ときどき考えます。

自動車工場でも働いた経験があります。
鎌田慧さんの「自動車絶望工場」です。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061830961/249-1959099-6129958
鎌田さんは1972年の34歳のときトヨタで、僕は1996年の25歳のときにホンダでした。

「組み立てロボット」としての7ヶ月間でしたが、そこでいろんな人に出会いました。彼らからいろんなことを教えてもらいました。あのとき出会った自動車組み立て工場の労働者のほとんどは、いまもベルトコンベヤーの前でずっと同じ作業を繰り返していることでしょう。。今回の「本」の中では紙幅が尽きて詳細は書けませんでしたが、また機会あればそのことも書いてみたいと思います。

そこで働いた後、僕はジャーナリスト活動を始めました。

さて、これから新聞記者を目指す人、新聞社「社員」の内定をもらった大学生、そのほかテレビでも、雑誌でも、本でも、ネットでも、何かを取材して、ものを書いたり、映像や写真を撮ったりする職業にこれからつくかもしれない人は、やはり覚えておかなければならないことがあります。

どこかの局面で、取材場所で、誰かとの出会いの中で、自分が「権力」に寄り添うのか、それとも「権力」と対峙するのか、その選択を迫られるときがあります。その選択次第で「権力」から、あるいは「権力の周辺」から、「何か」を突きつけられる、あるいは「何か」を奪われることがあります。そのとき、所属する会社や組織はあなたを守ってくれません。本来ならばそのときにあなたを守るのが、少なくとも抵抗するのが「ジャーナリズム」のひとつの役割なのですが、残念ながら日本ではそうした構造になっていません。いやむしろ、いまのメディア状況を見れば、そのときメディアはあなたの「敵」になるでしょう。

そんな日本のメディア状況の大きな分岐点になった事件がありました。それが1972年の「沖縄返還密約事件」と、それを報じた西山太吉(元・毎日新聞記者)氏です。

大学生ぐらいの世代だと、この事件のことをよく知らない人がほとんどでしょう。僕も大学生のときはまったく知りませんでした。しかし、いま何も知らなくても大丈夫です。24日(土)午後6時から東京・渋谷の会場で、それを知ることができる機会があります。これを知ってから新聞記者の道を歩むか、それともやめるか、そして「ジャーナリズムや報道は何のために存在するのか」を考えてみてください。僕もあらためて考えてみます。

24日(土)の詳細は以下のサイトを参照。
http://apc.cup.com/index.html?no=14.1.0.0.21.0.0.0.0.0.

※以前別のHPに書いた記事もあります。こちらはご参考までに。適当に読み飛ばしてください。
http://www1.odn.ne.jp/watai/050114.htm
http://www1.odn.ne.jp/watai/050117.htm

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綿井健陽 WATAI Takeharu
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映画「Little Birds~イラク戦火の家族たち」
公式HP http://www.littlebirds.net/
全国ロードショー上映中
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9月22日(木)「熊笹の遺言」特別上映会

さて、今日(20日)から東京・明大前でJVJAの写真展が始まった。
http://www.jvja.net/13%20fhotojournalists.html

22日(木)夜に僕が担当するトークがあるのですが、
一人で話をするのも何なので、ゲストをお招きする予定にしておりました。
【追加】25日(日)も皆さんそろってありますので、そちらもよろしく。

で、いまごろ急ですが、ようやく決定。
22日(木)は特別上映会と監督をお招きしてのトークを開催します。
ハンセン病元患者たちの人生を追ったドキュメンタリー映画「熊笹の遺言」です。
以下、絶対にお見逃しなく! 転載・転送歓迎

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▼「熊笹の遺言」(監督・今田哲史/製作・日本映画学校)
http://www.cinema-juku.com/kumazasa/newkumazasa/home1.htm

物語→ http://www.cinema-juku.com/kumazasa/newkumazasa/mainframe/sakuhin.htm#monogatari

日時 9月22日(木)午後6時30分上映開始(午後6時開場)
場所 キッド・アイラック・アート・ホール(東京・京王線「明大前」駅)
会場地図 http://www.kidailack.co.jp/access/access.html
ゲストトーク 午後7時40分~午後8時30分ごろ終了予定
ゲスト 監督・今田哲史さん (聞き手・綿井健陽)

※予約先着順で受付 椅子席40名+若干名
(お席に限りがありますので、事前にメールかお電話で以下までお申し込み下さい。当日受付の場合、満席のときはご入場できない可能性もございます。あらかじめご了承ください)→告知早々で申し訳ないのですが、残席が残りわずかになっております。ご希望の方はお早めにお申し込みください。

日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)
〒101-0063 東京都千代田区神田淡路町1-21 静和ビル2F
TEL : 090-6101-6113 FAX : 03-3252-7651
URL:http://www.jvja.net/
E-mail : infojvja@yahoo.co.jp
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この作品を僕が見たのは03年10月の「山形ドキュメンタリー映画祭」の会場だった。そのとき書いた感想は別のHPにアップしている。http://www1.odn.ne.jp/watai/031024.htm 見終わってから同じく日本映画学校で教える安岡プロデューサーに「参りました。これからは『日本映画プロダクション』と名前を変えた方がいいんじゃないですか」と言ったことを覚えている。これが学校の「卒業製作作品」で、しかも渋谷のユーロスペースで公開・上映されると聞いて、さらに驚いた。その後もいろんな作品を山形で見ながら、一方で「ここで人の作品を見ている場合ではないな」と思った。そしていまの僕がここにいるのかもしれない。僕にとって「きっかけは~フジテレビじゃなく、ヤマガタ」だった。

こうしたドキュメンタリー映画作品はなかなか見る機会が少ない。
今回見逃すと、次はいつ見ることができるか…本当に知らないよ。

さて、東京・御茶ノ水のアテネフランセ文化センターでは、今年の「山形ドキュメンタリー映画祭」の前夜祭も続いている。http://www.athenee.net/culturalcenter/schedule/2005_09/yamagata05.html

さらに、後日もう一度書くが、9月24日(土)は東京・渋谷で西山太吉さんのお話がある。http://apc.cup.com/index.html?no=14.1.0.0.21.0.0.0.0.0.
前回(8月31日)http://blog.so-net.ne.jp/watai/2005-08-31 でも書いたけど、こちらもお見逃しなく。

さらにもう一つ、イラク南部バスラから医師が来日講演される(9月26日)。http://www.jim-net.net/notice/notice050926.html 8月にも別の医師2人が来日していたが、いまバスラの医療状況は非常に困難な局面にある。それをなんとか現地で支援しているのが日本のNGO「JIM-NET」http://www.jim-net.net/だ。これを本当の「人道支援」という。郵政民営化の前に、自衛隊派遣の延長を考える前に、「国際貢献」「人道支援」こそ民営化しなければならない。

そして昨日(9月19日)、バスラでイラク人のジャーナリストが殺害された。
http://www.rsf.org/article.php3?id_article=15039
8月の米国人ジャーナリスト殺害のときも、そのイラク人助手が重傷を負った。そしてまた一人、次々とイラク人が狙われていく。

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綿井健陽 WATAI Takeharu
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「国民国家再編」と共謀罪

▼「週刊金曜日」9月16日号
http://www.kinyobi.co.jp/Recent
総選挙座談会「香山リカ×小森陽一×綿井健陽」
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先日の総選挙で僕は、小選挙区では共産党の候補者、比例代表では社民党に投票した。結果、その候補者は落選、社民党はかろうじて議席を2つ増やして7だった。以前からよく共産党系の雑誌や新聞の取材を受ける。社民からはあまりお誘いはない。しかし、申し訳ないが基本的に共産も社民も、政党としては「このままでは」あまり未来はないと思っている。「このままでは」という部分を強調しておくが。

この2つの政党を支持しているわけではないし、応援もあんまりしたくないが、以前書いた「半共」「半・反体制」ぐらいが、いまの世の中ではちょうどいいぐらいと思うので、ほかの政党の選択肢から比べれば「少なくともまし」と思って僕は投票した。それぐらいの立ち位置で、それこそ「公平・中立」なんじゃないの。http://blog.so-net.ne.jp/watai/2005-08-18

雑誌の座談会で香山さんが「確かに共産、社民は一定の議席を確保しましたが、これが最大値なら意味がありませんね」と言っていた。「九条の会」があれほど全国に広がっても、観衆をたくさん集めて、そして徹頭徹尾「護憲政党」の共産・社民で議席が「プラス2」という結果が「最大値」なのか…。

「護憲政党」の支持層で今回投票した人は、たぶん次もその次もずっと支持・投票するだろう。
しかし、それ以外の層には、「このままでは」絶対に広がらないと思う。

さて、あえて言うまでもないことだが、衆議院で自民党が296議席、公明党が31議席ということで、与党が3分の2を占める。ということは、これからは基本的にどんな法案も、たとえ参議院で否決されても、衆議院の3分の2以上の賛成で再可決できるということだ。

だから自民党が作りたい法律は、何でもいまのうちに作ってしまえとなる。憲法改正よりも先に、まずその下の法案をどんどん用意して作っていくことになる。政界再編、野党の再編よりも、今後始まるのはもっと恐ろしいことだ。

ノンフィクションライターの田中伸尚氏はこう語っている(「ジャーナリスト」05年8月25日号→この号の田中氏の「緊急提言」は必読!=日本ジャーナリスト会議発行 http://www.jcj.gr.jp/

「『改憲』の目的は、単に9条を変えるだけでなく、その射程はもっと長い。戦後国家の在りようを根底から変えようというのが狙いです」「現在の支配的な政治勢力が構想している改憲の方向性は、『国民』を国家に服従させるような内容です。もしそうなれば、国民国家再編は第二ステージに入る。それは国家権力が、改悪された憲法を実践していく段階です」

郵政民営化に賛成ならば自民党「公認」、反対ならば「非公認」
会社上層部の方針に従う人は「社員」、従わない人は「非社員」(つまり、「辞めてくれ」ということか)
学校の命令に従う教員は「公認の先生」、従わない教員は「非公認の先生」
そして、国家に服従する人は「国民」、服従しない人は「非国民」

会社から学校から、日本の社会のありとあらゆるところで、今後「小泉方式」が広がっていき、様々な現場で「公認」「非公認」で選民されていく。そこには議論や対話、個人の意思や自由などの空間・余地はない。

あの田中角栄を象徴する言葉に「政治は数。数は力」があった。
いままた別の形と方法で「数と力」の支配を拡大させていくだろう。

しかし、与党3分の2の「数と力」に対抗するためには、逆の側だって様々な人たちの「数と力」、そして少なくとも「知恵」を要する。

さっそくもう、以下のような動きが出ている。
http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=poli&NWID=2005091701003913

これをほっとくと、えらいことになるぞ。
黙っていると、知らないうちに法案は衆議院で可決され、そして「共謀罪」であなたも捕まる。
国家に無条件で従う「国家公認国民」以外は、みんなその可能性がある。

様々な現場や場所で一つひとつ、与党3分の2の「数と力」に対抗するしか、この日本の大きな流れは止められない。

「共謀罪なんて、別に僕は、私は関係ない」と思っている人こそ、ちゃんと知っておいた方がいい。
法律ができた後から「こんなことになるとは知らなかった」「本当は反対していたのに」と言ってももう遅い。

以下、いただいたメールから抜粋して転送。

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天下の悪法! 平成の治安維持法!?
「共謀罪」を永久に葬り去るために 9・19話そう会
その法案、凶暴につき

8月8日の衆議院解散で「共謀罪」は(とりあえず)廃案となった。
しかし、新たな政権の枠組み次第では、再提出→成立の可能性も大。
郵政法案の影に隠れたトンデモ法の実態を満天下に引きずり出し、
今度こそ永久に杭を打ち込むなら今がチャンス。
そのために、知恵と力を集め、何ができるか、どーするか。
9・19はそのスタート台です。多くの方々の参加と発言と知恵を!

「共謀罪」って何? という方は↓こちらをご覧ください。
http://tochoho.jca.apc.org/nkyz.html

▼日時:9月19日(月・敬老の日)午後1時30分~5時(開場:午後1時)
※午後5時~交流会
場所:東京・文京区民センター3C(都営三田線春日駅真上)
地図→http://www.city.bunkyo.lg.jp/shisetsu/kumincenter/
参加費:500円

発言予定者:斎藤貴男(ジャーナリスト)、篠田博之(月刊『創』編集長)、
成澤宗男(『週刊金曜日』編集部)、浜野佐知(映画監督)、
増山麗奈(画家) ほか

呼びかけ人:鎌田慧(ルポライター)、神林広恵(元『噂の真相』デスク)、
北村肇(『週刊金曜日』編集長)、斎藤貴男(ジャーナリスト)、
沢田竜夫(フリーライター)、篠田博之(月刊『創』編集長)、
清水直子(フリーライター)、寺澤有(ジャーナリスト)、
長岡義幸(ジャーナリスト)、西村仁美(ルポライター)、
浜野佐知(映画監督)、保坂展人(ジャーナリスト)、増山麗奈(画家)、
安田浩一(ジャーナリスト) ※9月4日現在

「共謀罪」の廃案を求める表現者・言論人の緊急共同声明の会(仮)

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綿井健陽 WATAI Takeharu
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映画「Little Birds~イラク戦火の家族たち」
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誰が喜んでいるのかなあ

選挙翌日の朝9時台の山手線電車に乗ったが、誰もウキウキしていない。
テレビで見る限り、首相以外で自民党の幹部も誰もウキウキしていないように見える。
自民党に投票した人たちでさえも、それほどウキウキしているとは思えない。
テレビも新聞も、ネット上でも、みんな分析・批評を展開する。僕も同じようなことをする。

そして、首をひねって、ため息ついて、黙り込む。

しかし、まだいろんな選択肢がありそうな気がする。
様々な選択肢をこちら側から生み出せそうな気がする。

「二者択一」
「YESか、NOか」
「従うのか、従わないのか」

そんな社会よりも、いろんな選択肢を自分で考える方がウキウキできそうだ。
次の希望は今はもてないかもしれないが、さほど絶望しなくてもよい。

「どんなところにいっても、ものごとをしっかり考えているひとたちがいる」(「ぼくが世の中に学んだこと」鎌田慧著=ちくま文庫)http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4480026037/249-7544846-1486758

全国各地を回って、様々な人に出会って、僕も実感している。

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何をしてはいけないのか?

金沢遠征から戻って、さてきょうは憂鬱な選挙の日だ。

メディアの「選挙速報・特番」のお祭り体制、世間の関心の「盛り上がり」度合いとは裏腹に、僕は今度の選挙に対してはさほど気分は盛り上がっていない。無理やりここに来て、何とか自分を盛り上げようとしているが、どうも身体と心がついて来ないようだ。「選挙後」「選挙結果」を想像すればするほど、暗い気持ちになるのは僕だけなのか。いろんな問題で「決定打」「ダメ押し」を食らいそうな気がするのは僕だけか。

「私だけ~」byだいたひかるです。
http://blog.so-net.ne.jp/daita-hikaru/

最近の映画上映会・講演などで、僕がよく話すことは以下のようなことだ。

「イラクに対して、あるいは世界に対して、どんな支援ができるか、何ができるかを考えることももちろん必要だと思います。しかし一方で、日本は何をしてはいけないのか、何をやめるべきなのかも、そろそろちゃんと考えた方がいいと思うのですが…」

この国が抱える歴史を踏まえて、この国に住む僕たちは、「何をしてはいけないのか、どんな選択肢を選んではいけないのか」。

それがきょうの選挙の僕の「投票基準」だ。

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綿井健陽 WATAI Takeharu
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台風リポート≒選挙リポート

▼月刊「世界」10月号(岩波書店)=9月8日発売
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サマワ現地報告「崩壊した『友好』、自衛隊に向けられる『敵意』」綿井健陽
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おととい(7日)、「報道ステーション」でのOAが無事終了しました。何とか選挙前に放送できました。番組最初の台風リポートなどで時間がどんどん押してしまい、映像リポート後のスタジオトーク部分が予定よりもだいぶ時間が少なくなってしまいました。古館さんも「もっと話したいこといっぱいあったのに」と番組終了後に残念がってました。

テレビのニュース番組は、取材現場でも、スタジオ進行なども、みんな「時間」を気にしています。

今回は前日のうちに映像リポートの編集部分が完了していましたのであわてませんでしたが、生ニュースなどでは番組が始まってもまだ編集していて、OA直前にギリギリ間に合うことがよくあります。去年僕が取材したアブグレイブ刑務所の映像編集は、そのコーナー枠が始まってからようやく編集が終了して、合間の90秒CMの間に、編集作業場所から「サブ」と呼ばれる映像送出場所まで、ディレクターと一緒にテープを持って走りました。放送が終わってからそのディレクターに聞くと、「毎日こんな感じですよ」といいます。

テレビ局の中では、アシスタント・ディレクターや学生のアルバイトの方が、廊下や階段を走っている光景を目にします。みんなギリギリで一緒ですね。

取材現場でも一緒です。特にテレビの場合は、夕方・夜のニュース用に、現場で撮影した映像をどうやってテレビ局まで送れるのか、中継できるのか、それをみんな非常に気にしています。

しかし、この時間との闘いには「落とし穴」がいつもあります。

「早く」「どうやって」映像を送れるのかばかり考えていると、そこで何を撮るべきなのか、その映像にどんな意味があるのか、ここで何を伝えるのか、あるいは何を伝える必要はないのか、そんなことを考える時間がどんどん奪われていきます。立ち止まる時間がなくなっていきます。

先週から台風情勢とともにテレビ局で編集作業をしている合間に、各テレビ局のニュース映像をいくつも見る機会がありました。どこもだいたい同じような内容・作りで、それを見ていると今度の選挙当日も台風リポートと同じような形ばかりになるのではないかと思いました。

現在の台風の位置≒与党自民党がいま何議席取っているか、過半数を超えたか
台風の今後の進路≒各党の議席予測
各地の雨量≒各党の獲得議席数
各地の被害≒各選挙区の当落状況
被害現場前からリポート≒有名候補者の当確・落選模様を選挙事務所前からリポート

などなど、ここ数日の台風リポートと、11日当日の選挙特番がだんだんダブって見えてくるようでした。選挙だけでなく、ひょっとしてイラク戦争が始まった2003年3月~4月あたりも、こんな感じだったのではと思いました。侵攻する米軍地上部隊の位置状況、今後の戦況予測、バグダッド、クウェート、アンマン、カタール、ワシントンなど各地の中継、死者・負傷者の数…。

僕は当時バグダッドから何度も中継リポートなどをやりましたが、どのテレビ局も番組全体は恐らくこんな風な流れだったのでしょう。

テレビは「生中継」が好きで、それが醍醐味ともいえますが、実は逆に「生中継」「ライブ映像」に弱いともいえます。

なぜかといえば、サッカーや野球中継のような、行われている場所や人の数・ルールが限定されているものと違って、世の中で起きていることは「同時進行」「目の前で見える光景」「映像化できること」「カメラで追える事象」は、実は極めて限られているからです。港に押し寄せる高潮や濁流、強風は映し出せても、被害の実態やそこで暮らす人たちの「生の」姿に迫ることは実は難しいのです。

それは戦争報道でも同じですね。空爆や爆弾の煙や炎は映し出せても、その炎や煙の先の人間の姿や思いを「生で、ライブで」伝えることは難しいわけです。しかし、そこにどうやって迫れるか、映し出せるのかを「現場で立ち止まって考えつつ、徐々に前に迫ったり、ときには後ろに下がった位置から迫ったりする」ことがもっとも重要だと考えています。

「現場から中継です」
「たったいま入った映像(情報)です」
「誰々に当確が出ました」

といったフレーズが選挙特番番組で何度も流れると思いますが、「早く、正確に情報を伝える」一方で、「生」「ライブ」「中継」以外にどんな光景・映像・企画が映し出されるのかに注目しています。

というのも、今回は11日の選挙翌日早々に、ある雑誌でなぜか「今回の選挙を振り返って」という座談会企画に出席することになりました。なので、投票にももちろん行きますが、僕も僕なりの時間単位での「速報体制」でスタンバイする必要があって、さてどうしよう?「にわか政治評論家」になって、選挙の分析とか評論を僕がしてもなあ…。やっぱりここはいつも通り、どこかの現場に行くべきなのかな。しかし、いまから慌てても、それこそ「高潮が押し寄せる港からの中継リポート」になるだけか。

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きょう(7日・水)に放送予定です

大変申し訳ありません。

台風14号とともに、昨日の放送予定が「飛んで」しまいました。
きょう(7日・水)放送される予定です。

▼9月7日(水)テレビ朝日系列「報道ステーション」
「自衛隊イラク派遣から一年半  『復興支援』の今」綿井健陽

※きょうはサッカー中継のため、番組の放送開始が午後10時9分から。中継延長の場合は、さらに10分遅れで始まります。番組の後半あたりだと思いますが、ほかのニュース・企画編成次第なので、よくわかりません。

突発ニュースなどによっては、さらに延期になって8日(木)以降になる可能性もありますが、きょうは恐らく大丈夫でしょう。先週からずっと続いた編集作業は昨日で完了しております。

▼月刊「世界」10月号(岩波書店)
http://www.iwanami.co.jp/sekai/
サマワ現地報告「崩壊した『友好』、自衛隊に向けられる『敵意』」綿井健陽

※こちらは台風の影響ではなくて、僕が発売日を間違えていました。申し訳ありません。あす(8日・木)発売のようです。

合わせてよろしくお願いします。

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放送番組(6日・火)のお知らせ

1泊2日は何とか免れましたが、2泊3日で韓国から戻って参りました。
帰国してからですが、受賞のお知らせが届いておりました。カムサハムニダ。

http://www.eidf.org/2005_fall/eng_temp/board_news_01.html?table=news_ko&mode=read&no=43

7月下旬に取材したイラク・サマワの映像リポートがようやく放送されます。なんとか選挙前の放送となりました。

9月6日(火)夜、テレビ朝日系列「報道ステーション」です。
http://www.tv-asahi.co.jp/hst/

テレビ局の番組編成の都合により、放送日は多少前後する可能性がございます。あらかじめご了承ください。日本の外交政策を取り上げた企画の中での短いリポートになりますが、ご覧いただければ光栄です。

日本の首相によると、サマワにいる自衛隊は「イラク政府から感謝と(派遣)継続要請されている」という。http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=poli&NWID=2005090401000972

この記事で「心の問題」という言い方もスゴイが、自衛隊に関する部分で「イラク政府から」というところがポイント。ちゃんとわかったうえで言っているのかもしれないが、残念ながら「サマワ市民から」は感謝されておりません。「全く」とは言いませんが、「ほとんど」ぐらいのレベルまで。

これまで防衛庁長官や、サマワに到着したばかりの自衛隊員も「サマワの人たち、子どもたちが手を振ってくれるのを見て感激しました」とよく言っていた。たとえば→http://www.jda.go.jp/j/kisha/2004/12/07.pdf それがサマワ自衛隊の活動の「評価基準」だったようだ。

しかし、勘違いしてはいけない。

Q「自衛隊がサマワで何をしているのか知っていますか?」
サマワのある男性「何も知りません。自衛隊は道を通り過ぎるときに『バイバイ』と言ってます。それだけです。ほかには何もありません」「自衛隊はただ私たちに『バイバイ』と手を振っているだけです」(05年7月25日 サマワ商店街にて)

鋭い皮肉・表現だ。

今週末は金沢での上映のほかにいくつか。以下参照。

▼月刊「世界」10月号(岩波書店)=9月7日発売予定
http://www.iwanami.co.jp/sekai/
サマワ現地報告「崩壊した『友好』、自衛隊に向けられる『敵意』」綿井健陽

▼東京藝術大学藝術祭「夜楽塾2005」鼎談+「Little Birds」上映会

2005年9月11日(日)
上映会 16:30~ 鼎談18:30~
http://www.geidai.ac.jp/event/geisai/event/gakunai.html

会場 東京藝術大学 上野校地 音楽学部5号館1階 5-109室
地図→http://www.geidai.ac.jp/campus/ueno_campus.html

ゲスト
森達也氏×綿井健陽×木幡和枝氏(東京藝大教授)

入場料 上映会500円(メールによる前売券予約受付)
鼎談 入場無料

▼東京・渋谷「UPLINK-X」 毎週金曜・レイトショー上映(午後9時~)
http://www.uplink.co.jp/x/log/000521.html
「Little Birds イラク戦火の家族たち」

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綿井健陽 WATAI Takeharu
Homepage [綿井健陽 Web Journal]
http://www1.odn.ne.jp/watai

映画「Little Birds~イラク戦火の家族たち」
公式HP http://www.littlebirds.net/
全国ロードショー上映中
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