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十二週目 Yの場合 その2 [週替わり日記(2006-2007)]

 こんにちは、Yです。こちらもそろそろ春のようでぽかぽかした日が続いています。アメリカ人は寒さには強いようで、もう半袖で町中を歩いている人も多くいて驚かされます。

1.週間スケジュール

2.授業の様子

 今学期が最後になるので,仕事との関連を意識して実務的な科目を選択しました。その中でも不動産ファイナンスはもっとも好きな科目の一つです。不動産ローン(note) 及びモーゲージの設定・移転,モーゲージの実行等の諸問題から証券化まで幅広く法律問題を扱います。勉強していて驚くのは,アメリカには実に多くの判例が存在することです。日本でも似たような仕事をしていたのですが,日本では考えても見なかった論点にまで多数の判例があるので,契約書のドラフティングには非常に参考になります。

 また,アメリカの不動産法の多くは州法に規定されており、州毎に多様な法制度が存在します。例えば、モーゲージをどう捉えるかについて,日本の譲渡担保の所有権的構成と担保権的構成の議論と同様,所有権的に捉える州と担保権的に捉える州とその中間の州とがあります。もちろんそうした根本的な違いによって出てくる結論も当然変わってくることもあります。そこで,教授も、学生が将来どの州のlawyerになったとしても対応できるよう、「所有権的構成ならどうか」「担保権的構成ならどうか」という風に常にダイナミックに考えさせるような質問をしてきます。また上記の例以外でも、州によって結論が異なることはままあるので、教授は特定の論点について必ず学生を両方の立場に分けて議論させます。アメリカならではの教授方法だと思います。

 授業が終わった後、毎回のように質問にいっていたら教授に顔を覚えて頂けたようで、時々、「この点、日本法ではどうなっているんだ」といった質問を逆にしてくれるようになりました。こうした議論をするのもLL.Mコースの醍醐味のひとつですね。

3.学校外生活

 せっかくアメリカに来た以上、Nativeのアメリカ人と交流したい!ということはだれでも思うことで、私もいくつかのチャンネルを利用してきました。もちろん、Vanderbiltの場合、Legal Writing、Legal English以外はJDとの混合のクラスになりますので,クラスでのJD学生との交流はその人次第ということになります。授業以外では、私は(1)"APALSA"というアジア学生協会のような組織のイベントに参加する、(2)毎週木曜日,夜10時過ぎくらいから"Bar Review"という名のLaw School 有志による飲み会に参加する、(3)ISSS(国際部)が"First Friend"というNativeの友人を紹介するシステムを利用する,(4)バンダービルト大学の日本語を勉強している学生とConversation Partnerとなる、(5)図書館で隣に座っている人に声を掛ける(!)等の手段を利用してきました。これ以外にもサークルに入ったり,ISSSのイベントに参加すればもっと輪が広がると思います。

 先週の土曜日は、(3)の友人, HideさんとLL.M韓国人と大学内にあるブレアー音楽学校というところでクラッシックギターのコンサートに行って来ました。First Friendの彼は、ナッシュビルで音楽関係の機材のメーカーで働いていて、音楽を初めとする芸術全般に精通しており、気さくに誘ってくれます。

 またブレアー音楽学校は、音楽の都にあるに相応しく、校舎はロースクールのそれよりも大きく、60のスタジオ、50以上のプラクティス・ルームがある非常に大きな学校です。MBAの日本人学生の中にはこれをまたとない機会としてお子さんを通わせている方もいるくらいです。毎週のように有料無料のコンサートが行われており(ちなみに、上記のクラッシックギター・コンサートは無料でした。)、音楽が好きな方にお薦めのスポットです。



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