ミュージカル「ヘアスプレー」を観る [舞台・ミュージカル]
ミュージカル「ヘアスプレー」を観にオーチャードホールへ。
2003年トニー賞 最優秀作品賞受賞作品
この映画(1988年ジョン・ウォルターズ監督作品)のミュージカル化。
2002年にNYで初めて観てからあまりの楽しさに何度も足を運んだ作品ですが、
今回は初の来日公演ということで早速観にいきました。
公演が始まって2日目に行ったのですが会場はほぼ満席。
今年初めに先行販売でチケットを購入していたので「最前列」です。
当日は、なかなか始まらず予定よりちょっと遅めの19:15開演。
舞台は1962年のメリーランド州ボルチモア。(←映画を監督したJ・ウォルターズの出身地)
チビで太った女子高生のトレーシー・ターンブラッドは、
毎週TV放送されるダンス番組「コーニー・コリンズ・ショウ」で
一番人気のアンバー(女子)やリンク(男子)のようにレギュラーメンバーになるのを夢見ている。
(番組提供は“ウルトラ・クラッチ[←超ガチガチとでもいうのか]”という商品名のスプレー)
番組オーディションに行こうとするトレーシーは、母エドナに反対されるが、
父ウィルバーが「本当にやりたいことならやりなさい」と応援してくれたので
そのままオーディション会場に向かうと(そこでリンクに一目ぼれするとレーシー)、
アンバーの母で番組プロデューサーのヴェルマが
「あなたみたいにチビでデブの子がテレビに出られる訳ないわ」とトレーシーを門前払いする。
元ミスボルチモアのヴェルマ(左から2人目)
有色人種差別主義のヴェルマが製作する番組なので(当時の時代性も反映している模様)
黒人が出られる“ニグロデー”は月にたったの1回の放送のみ。
オーディションを門前払いされてガッカリするトレーシーは、
ある日の学校の居残りクラスで黒人のシーウィード(男子)に出会う。
月に一回のニグロデーに出演したことがあるというシーウィードに流行のダンスを教えてもらい
コーニー・コリンズがやってきた高校のダンスコンテストで
トレーシーがシーウィードに教わったダンスを踊るとコーニーに褒められそのまま番組へ。。
生放送の番組に出演して「毎日ニグロデーにすればいいのよ」と発言したりと
少々お騒がせのトレーシーだったが、
その愛嬌とダンスで一躍番組の人気者になる。
番組オーディションに反対していた母エドナもトレーシー人気に大喜び、
有名デザイナーのピンキーの親子でモデルになって更に人気が出るトレーシー。
飾り気のなかったエドナ(左)もオシャレに
←ブロードウェイのオリジナルキャスト版
ワガママなアンバーと付き合っていたリンクもトレーシーの明るさと優しさに惹かれていき
シーウィードやトレーシーの友人ペニーとも付き合うようになるが、
有色人種を差別するのはおかしい、白人、黒人を区別することなく番組に出すべきだと、
コーニー・コリンズ・ショウのスタジオ前で抗議行動を行なおうとするトレーシーに賛同できず
謝りながら去っていく。
リンクが去って悲しいトレーシーだったが自分の考えを曲げたくないと
母エドナ、友人ペニー、シーウィードと仲間達と共に抗議行動を行なう。
それに気づいて抗議を止めさせようとするアンバー&ヴェルマ親子、
互いに衝突して混乱が起きると全員逮捕されて牢屋へ。。。。。。
ここで一幕終了。 なかなかテンポよくあっという間です。
休憩中、作品最後に出てくるダンスを振付師のような外人のオジサンから軽く教わり
全員で座ったまま身振り手振りで踊った後に第二幕。
逮捕された皆さんが入れられた牢屋の場面から
皆が釈放される中、ヴェルマの策略で一人牢屋に残されてしまったトレーシー。
人気者が逮捕されてトレーシーや家族の生活は一転、
父ウィルバーは店を開けられず、エドナもピンキーとの契約を打ち切られてしまう。
(この時ウィルバーとエドナがデュエットする♪You're Timelss To Me♪がジーンとします)
一人取り残されたトレーシーを助けに来たのがリンク。
付き合っていたと思っていたアンバーは人気取りの為にリンクを利用していただけと分かったし、
本当に素敵で好きなのはトレーシーだというリンクは
ヘアスプレーとライターの火で牢屋の鉄格子を焼き切りトレーシーを脱走させてしまう。
脱走したトレーシーとリンクはシーウィードのところに転がり込むが
自分達が指名手配されて大騒ぎになっていることを知り自首しようとする。
シーウィードの母モーターマウスが夢を諦めてはいけないのよ、と
トレーシーをコーニー・コリンズ・ショウの人気投票最終決戦の場に送り込む。
ライバルのトレーシーが逮捕されたので楽勝で優勝すると思っていたアンバーは、
「自分がミス・ヘアスプレーよ」
と余裕綽々で
既に勝利宣言状態だったが、
そこに現れたのがトレーシー。
リンク、ペニー、シーウィードと一緒に踊り
エドナまでスプレー缶の装置から登場しちゃって
全国からの大反響で逆転優勝。
トレーシーが「ミス・ヘアスプレー」に選ばれたのを見ていた州知事はトレーシーに恩赦を出し、
有色人種を激しく差別していたヴェルマは自分の意に反した結果となってしまったものの、
番組の盛り上がりをプロデュースした腕を買われて化粧品会社の役員に。
といっても、担当は「有色人種向けの化粧品」。
トホホと思っているヴェルマとアンバーにも手を差し出すトレーシー。
差別をなくしましょう!、と和解したところでメデタシメデタシ。
以前に比べると来日公演も「二軍ぽいなあ」と思うこともなくなり質が高くなった感じですが、
エドナ役の俳優さんが毒気がなくてちょっと物足りなかったかな。
普通の太ったオジサンが女装している感じがしてしまい、それがちょっと残念。
映画版では、カルトムービーでおなじみの伝説のお釜女優(俳優?)、
ディヴァインだったし、
ブロードウェイ版では、
劇作家で俳優で「おまけつき新婚生活」に不動産屋で出ていた
ハーヴェイ・ファイヤスティーンだったし
すごいダミ声でかなり毒々しくて良かった
←素顔はこんな感じ
このミュージカルは、
1988年の映画を元に舞台化されましたが、
映画がミュージカルになって、今度再び映画にリメイクされるというのは、
メル・ブルックスの「プロデューサーズ」と同じような流れですが、
現在、全米で公開中の映画版では、
ジョン・トラヴォルタが随分可愛くエドナを演じています。
が、個人的には
やっぱりディヴァインの方が渋くてカルトで好き(笑)
ヴェルマはデボラ・ハリー(ブロンディ)だったのが、
リメイク版ではミシェル・ファイファー 綺麗過ぎ?
また今回の舞台であまり格好良くなかった感あり(笑)のリンク役は、
「ハイスクール・ミュージカル」で主役を演じた
ザック・エフロン オバチャンの私も思わず
でもリンクになると可愛さ数割引かも。。。
とはいえ、リメイク版も早く観たいところです。
話自体は分かりやすいし、1960年代風の音楽はポップで乗りやすいし、と、
最後に、通路に沢山ダンサーが出てきてくれて一緒に踊れたし、
歌って踊って沢山笑ってほろりとして十分楽しめた「ヘアスプレー」でありました.
(おまけ)
終演後、劇場を出る時に協賛しているVO5からスプレーのミニサイズ缶をいただきました。
何だか嬉しかったりして。(笑)
うつぼさん、こんばんわ!
ジョン・トラボルタ版映画「ヘアスプレー」の宣伝も始まりましたね。
確かコーニー役がジェームズ・マーズデンという、一時期ハマった俳優さんで、覚えてました。(彼は「スーパーマン・リターンズ」でロイス・レインの婚約者リチャードを演じた人。歌の上手さは、ドラマ「アリー・myラブ」で証明済み。)
さて、映画版も興味がありますが、こういう内容なら、ミュージカルで見たいかも~って思います。生は違いますからね~。
by Catcat44 (2007-07-26 23:14)
毎度すっごくわかりやすく面白いレビューですね(w
うつぼさんの記事読んじゃうと、見たつもりになってしまうので得した気分になっちゃいます。
by kikuzou (2007-07-26 23:40)
おそらくうつぼさんはこのミュージカルを見に行くんだろうなーって思ってました。テレビ朝日を見てるとしょっちゅうCMを流してますが、映像を見てるだけでも楽しそうなミュージカルですよね。
ザック・エフロンを見て思わず胸がときめいてしまったうつぼさんに、乙女心を感じてしまいました(苦笑)。
女装したジョン・トラボルタ...ちょっと怖いです...。
by 堀越ヨッシー (2007-07-27 10:39)
LICCAさん、こんばんは!
もう映画版の宣伝始まってるんですか。トラボルタというとどうしても「サタデー・ナイト・フィーバー(吹替byヒロミゴー」と「パルプフィクション」くらいしか浮かばないのでこういう役を受けた理由が今ひとつ分からず。。。
>ジェームズ・マーズデン
渋い脇役なので注目してみますね。
オーチャードでの舞台はもう少しやっていると思いますので(ちょっと高いですけれど)お時間あれば是非観てくださいまし。
by うつぼ (2007-07-27 20:46)
kikuzouさん、こんばんは。
>毎度すっごくわかりやすく面白いレビューですね(w
お有難うございまーす。(笑)
最近特に自分の備忘録的存在になっていてどうしても長文になってしまいますが、本人が後で読み返すのにはよいのでご容赦下さいまし。
by うつぼ (2007-07-27 20:48)
堀越ヨッシーさん、こんばんは。
この作品、何度も観ていたので今回は日本で見たいと思って。
ヨッシーさんが仰る通りこれは確実に私の好きな作品です。(笑)
>乙女心を感じてしまいました(苦笑)。
仕事でいつも怒っているからたまには乙女にならないとね。(笑)
とはいえ、映画版でトラボルタだとは思いませんで。他にいないかと思ったけれどロビン・ウィリアムズやダスティン・ホフマンは経験済みですしねぇ。
by うつぼ (2007-07-27 20:52)