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オペラ 「コシ・ファン・トゥッテ」 [オペラぁ!]

第17回 神奈川オペラフェスティバル ’07
2007年10月28日 オペラ 「コシ・ファン・トゥッテ」



モーツァルトのオペラの中でも荒唐無稽なストーリーの中に、
美しい旋律と重唱が随所に織り込まれた音楽が傑出した作品ですが、
今日はソプラノのフィオルディリージ役が悦田比呂子 さん、
メゾソプラノのドラベッラ役が永田直美さんでした。
2人の絡み合う歌声は美しく、
その重唱では頬が熱くなるシーンも度々ありました。
室内劇的オペラにもかかわらず、
2000人以上入る大ホールを圧倒的存在感で甘美に支配した2人でしたが、
どうも、控え目でしっかりものの姉とちょっと浮ついた妹の役柄が、
逆のような気がしてしかたがありませんでした。

そして神奈川フィルハーモニーを指揮した山下一史さんは、
2日目という事もあってかリラックスした様子で、
穏やかに、陶酔するように指揮棒を振っていたかと思うと、
カツラが吹っ飛ぶのではないかと思うぐらい(自毛だと思いますが)、
長髪の頭を振り乱して演奏者を盛り上げ、
緩急のある指揮で締まりのある演奏を聴かせてくれました。
オーケストラにも大満足だったようで、
カ-テンコールで出て来た時には、
まず最初にピットに向かって拍手をしていました。

で、演出ですが、
左右対象に造られた舞台はその両側にオーケストラピットに張り出したステージがあり、
そこからそれぞれ階段を下りてピットから袖に抜けられるような構造が目を引くぐらいで、
全体を黒のベースにして、赤色のストライプや文字が配されたグラフィカルなステージは、
まるでデパートの化粧品コーナーのような感じです。
斬新とも言えず、協調的とも言えず、
良く言えば「抽象的な装置で歌と音楽を邪魔しない演出!」となるのでしょうが、
かえって出演者の本来どおりの中世風衣装が空々しく見え、
違和感がきわ立って感じられました。
それに加え、
シーンの展開時には「Cosi fan tutte」と書かれた看板が歌手の後ろで上下する、
というような趣向に到っては、
これは、コシ・ファン人形の展示会?
演出をした栗山昌良さんはちらしにも一番上に大きく写真が出ていましたから、
ベテランの大御所なのでしょうし、今回の演出も一般的には評価されているのでしょうが、
残念ながら私にはその意図は全く理解出来ませんでした。

 
第17回 神奈川オペラフェスティバル ’07
モーツァルト オペラ 「コジ・ファン・トゥッテ」
2007年10月28日 神奈川県民ホール

指揮 : 山下一史
演出 : 栗山昌良
キャスト
フィオルディリージ : 悦田比呂子
ドラベッラ : 永田直美
デスビーナ : 鵜飼文子
フェランド : 上原正敏
グリエルモ : 竹村淳
ドン・アルフォンゾ : 小島聖史
合唱 : 横浜シティオペラ合唱団
演奏 : 神奈川フィルハーモニー管弦楽団
チェンバロ : 服部 容子


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コメント 1

Kazoo

はじめまして。私のブログにniceをいただき、ありがとうございます。
神奈川県民ホールでのCosi fan tutte、観にいらしてくださったんですね。
私は合唱の一員として舞台に立っておりました。
観てくださった方の率直な感想、なるほど~と思いました。
ありがとうございました。
またお邪魔させていただきます。
by Kazoo (2007-10-29 21:38) 

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