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京王オペレッタ 「メリー・ウィドウ」 [オペラぁ!]


東京オペラシティ コンサートホールは新国立劇場の隣にある四角い箱型のホール、
異常に高い天井で屋外的雰囲気がしないでもありませんが、
音が突き抜けるような事はなく妙な残響のあるホールと感じました。

ビル故構造的にやむをえないのでしょうがオーケストラピットはなく、
(掘ったら下の階の天井を破る事になるでしょう。)
多少客席に張り出した舞台の後ろにオーケストラという構成です。
その客席も床はほぼ平らでズドーンと縦長で教会のようです。
聴くだけならともかく観るのはちょっとどうかと思う構造で、
オペラをやるにはちょっと無理があるようです。



この企画はフェスタと言うだけあって、
企画自体がお祭り的内容になっていました。

ホワイエでは海外旅行の案内や、
今回の演目をラベルにして貼り付けたハンガリーのワインなども売っていて、
そんなところにも企画側の意欲が見られます、
ハンガリーと聞いてワイン畑は想像出来ませんでしたが、
以外にまろやかで美味でした。

舞台も装置こそありませんが、
今日はたっぷり楽しんで下さい、と言った趣向です。

フレンチカンカンの踊りでは、
「天国と地獄」の曲まで持ち出され、
観ている人たちもリラックスした様子で手拍子まで飛び出していました。

舞台は20世紀初頭のパリ、
マキシム(イメージ的にはムーラン・ルージュ)で、
踊り子をはべらせ厭世を紛らわせるダニロ伯爵を演じる黒田博氏の真っ直ぐな演技と対象に、
バーコード頭のおめでたい大使役の加賀清孝氏はじめ、
ギャグやのろけの連発、
大使館付下役の鹿野由之氏は歌手とは思えない演技とアドリブで、
後ろのオーケストラにちょっかいを出したり、
現実社会の男の女の関係を茶化し、
不倫を羨んでみたり、
客席で道化てみたりして観客を沸かせていました。

幕間にはスタッフジャンパーを着たパパラッチもどきのカメラマンが、
不倫現場を押さえようとするかのごとくフラッシュを焚いてうるさく感じましたが、
これも祭りの一部で舞台とリンクしているのかとも思いましたが、
さすがにそこまでは考えたなかったでしょう。

男女のすれ違いややるせない想いも、
人生の楽しみにしてしまいましょうという1日限りのこの企画、
十分に楽しませてもらいました。


2007年4月28日 東京オペラシティ コンサートホール
フランツ・レハール「メリーウィドウ」 (The Merry Widow: Franz Lehar)

指揮 : 時任康文 Yasuhumi Tokito
演出/脚本 :今井伸昭 Nobuaki Imai
振付 : 川西清彦 Kiyohiko Kawanishi (振付)

ハンナ・グラヴァリ : 腰越満美 (Mami Koshigoe)
ミルコ・ツェータ男爵 : 加賀清孝 (Kiyotaka Kaga)
ダニロ・ダニロヴィッチ伯爵 : 黒田 博 (Hiroshi Kuroda)
ヴァランシェンヌ : 林 美智子 (Michiko Hayashi)
カミーユ・ド・ロジョン : 井ノ上了吏 (Ryoji Inoue)
カスカーダ子爵 : 岡本泰寛 (Yasuhiro Okamoto)
ラウール・ド・サンブリオッシュ::大川信之 (Nobuyuki Ookawa)
ボグダノヴィッチ : 畠山 茂 (Shigeru Hatakeyama)
シルヴィアーヌ : 坂野早苗 (Sanae Sakano)
ニエグシュ : 鹿野由之 (Yoshiyuki Shikano)
プラシコヴィァ : 加納里美 (Satomi Kanou)
クロモウ : 秋山隆典 (Takanori Akiyama)
オルガ : 橋本啓香( Keiko Hashimoto)

東京フィルハーモニー交響楽団(Tokyo Philharmonic Orchestra)


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