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血なまぐさい話:「新選組!」 [テレビ番組]

 そういうわけで顔にこぶを抱えつつ、水曜日はぼーっとしていました。木曜日もぼーっとして、今に至ります。血がまだ止まらないのですがー。でも私、点滴のあとの止血にもよく失敗するのですよ。何が悪いのか……分かっていたらそもそも失敗しないはずなんですが。結局、気にしないという方向に意識改善して今に至ります。間違えてる間違えてる。

 そんな血なまぐさい話はさておき。先週末の大河は、伊東甲子太郎先生が大変に素敵でした。美男で頭もよく先見の明もあるのですが、いわゆる知性を鼻にかけている人で他者を軽んじるところがあり、策士策に溺れるを地でいくお方。
 新選組を「時代に取り残される集団だ」と見抜いていた彼が、自分もまた時代に置き去りにされようとするちっぽけな存在に過ぎないと気付かされるところから、先日のドラマは始まりました。新政府の偉いさんに露骨に無視される場面なのですが、その瞬間の彼の顔は、なんというか……非常に心動かされました。
 間違っていないはずなのに敗れ去る、大きな目で見ればそれはやはり彼が間違えていたからである。でも他にどんなやり方があったというのか。与えられた力を精一杯使い策を駆使しても、時代の流れの前では一蹴されてしまう。・・・まあもうちょっと他者に対して誠実であるべきだったかもしれないけど、多分それでも結局は変わらなかったよなあと。
 そこでなお意志とプライドを振り絞って相手に向かって微笑もうとする顔は、悲しくて愚かしくもありますが、率直な感嘆も呼び起こされます。
 人間どん底に落とされた時に本性が現れるとすれば、あれがこの大河の伊東先生の本性だったのでしょう。悪でも善でもない、賢くも愚かでもない人間の素の姿、そういうのはぞくぞくきます。

 ドラマの作りとしても、あそこに至るまでに散々彼の「作った顔」を見せておいて、肝心の山場で一気に崩すという。逆方向のカタルシスがあって、すごいなあ(というかよく溜めたなあ)と。さらにその後に一山あって、最終的には暗殺されてしまうのですが。いいもの見させていただきました。
 ・・・結局血なまぐさい話になっておりますが。


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