幻のユートピア・ファンタラマを探して 前編 [廃墟]
昔やっていたサイトに掲載していた記事の焼き直しです。
未だにこのキーワードで探しにくる方が多いのでリメイクすることにしました。
東京ディズニーランド(以下TDL)に行くと欠かさず乗るアトラクションがあります。
そのアトラクションの名前は「イッツ・ア・スモール・ワールド」。
有名な「♪世界はひとつ」のメロディーが流れる中
ボートに乗って世界を巡るという緩いアトラクションです。
ディズニーランドがどんなに混んでいる時でもほぼ待たずに乗れ、
特に夏場は冷房が効いていていい休憩になります。
この「イッツ・ア・スモールワールド」
元々は1964-65年にアメリカで開催された「ニューヨーク世界博」で
ペプシコーラ館のアトラクションとして登場し、
その後、L.Aのディズニーランドに移設されました。
最近も愛・地球博のパビリオンがハウステンボスに移設されたりしてますが、
その走りみたいなもんだと思ってください。
で、当時大人気だった「イッツ・ア・スモールワールド」の噂は
高度経済成長まっただ中の我が日本にも及び、いくつかのパチモンが登場しました。
パクリとはいっても、オリジナルに一工夫加えてよりよくしちゃうのが日本のお家芸
たちまち評判を呼び、1983年に東京ディズニーランドが出来た後、
「なんやこれ、○○のパクリじゃねえか?あっちの方がよくできてたわい!」
みたいな世界的に見るとトンチキな印象を持った方が続出したそうです。
ではここでそんな「イッツ・ア・スモールワールド」のパチモン達をご紹介しましょう。
その1,船橋ヘルスセンター
「長生きしたけりゃちょいとおいで」のCFでお馴染み、
昭和30-40年代の子供達の楽園といわれた船橋ヘルスセンターには
ちょっとアレンジされた「小さな世界」があったそうです。
残念ながら資料が見つかりませんでした。
その2.宝塚ファミリーランド
関西人なら一度はいったことがあるだろう宝塚も無くなって早数年。
ここには閉園まで「大人形館・ファンタジーワールド」という名前で
存在していました。
映画・歌劇も手がける東宝・宝塚スタッフの力作は
本家以上のできばえと評判で、なんとその実績から
TDLの「スモールワールド」の人形作りも担当したのだとか・・
私も閉園直前に乗りにいきましたが、写真のねぶたなど
本当に素晴らしかったです。残してほしかった・・・。
以上の2つはそれなりに知られているのですが、
問題の3つ目はかなりマイナーな存在です。
その3.那須ロイヤルセンター
避暑地として知られる栃木の那須高原には
有名な「那須ハイランドパーク」の他にもう一カ所、
屋内型遊園地がありました。その名も「那須ロイヤルセンター」
1969年に那須高原の山中にオープンした施設で、
東京ドーム10個分の広大な敷地の中に遊園地だけでなく、
温泉、ホテル、テニスコート、美術館、ゴーカートコース、
さらには宝塚を模した豪華レビューを魅せる大劇場に
専属劇団「ロイヤルダンシングチーム」まで揃えた
まさに夢の一大レジャーランド
・・・であったにも関わらず、
周辺の20-30代栃木県出身者11人全員が「行ったことも聞いたこともない」とコメント
もちろん東京生まれテクノポップ育ちの私も知りませんでした。
私はこの本で「ロイヤルセンター」のことを知ったのですが↓
そこには「ファンタラマ」という見慣れない言葉とともに
第三の和製「スモールワールド」の写真が載っていました。
この屋内遊園地のオープン以来の人気アトラクションだそうで、
「ファンタジー+ジオラマ=ファンタラマ」の造語なんだそうです。
(フォトラマとか、サークロラマとかと同じ系列のネーミングですな。)
ボートに乗って歌い踊る世界25か国の人形を見ながらを旅をし、
その25か国の言葉で「おはよう!」を覚えられるというおまけ付
ある意味、「イッツ・ア・スモールワールド」より進化しているとも言えます。
(「こんにちは」が「おはよう」に変わっただけですが・・)
「これはすごい!」、「見たい!」、「乗りたい!」
そう思ったのはいいのですが、
経営母体の破産により2000年で営業を終了。
廃墟と化しているとのこと
廃墟となればこっちのモンです。(なにをだ)
そして私は当時の廃墟巡りパートナー(現在消息不明)Oさんと一緒に
いざ、那須高原へと旅立ちました。(というのがかれこれ5年前のお話)
~中編へ続く~
はじめまして
昨日やってたウルトラマンタロウの再放送に那須ロイヤルセンターが出て来たので検索してしまいました
by しっぽだ (2014-03-31 09:38)