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日本の教員の地位・ILOとCEARTが調査 [教育]

内閣では大変なことが起きましたが、きちんと責任を取って辞職をしていれ
ば、このような事にはならなかったのではと思います。安部総理は内閣筆頭
としての責任と政治がどうあるべきかを論理的に表明してほしいと思います。
引き続き教育について書きます。
文科省では、なんと40年ぶりに教員の勤務実態調査の結果を公表しました。
対象となった公立の小中高では、恒常的に1日2時間という数字が出ていま
した。この数字は実感としては少なすぎるように思いますが、それよりも何
よりも、小中の教員には休憩時間がないことが大きな問題です。昼休みとい
うのが小1時間でも取れるなら、こんなに病気になる教員は多くないと思う
のです。休憩時間の分は勤務時間の後ろにつけたりしていますが、実際は放
課後は残業しなければならない忙しさなのです。10時間も11時間も、ぶっ通
しで仕事に追われるのがどんなにつらいことか。
さて全日本教職員組合が2002年にユネスコの合同専門委員会(CEART)に
指導力不足教員の認定制度が「教員の地位に関する勧告」に違反するとして
申し立てをしてきました。CEARTは「制度をつくるにあたって、教職員団体
との協議が不充分とされる」と判断し、文科省に教職員団体と対話をするよう
に求めてきました。その過程で全教、文科省の双方が「直接、教委、すべての
教職員団体から意見を聞くべきだ」と同意しました。当事者の合意でCEARTが
調査団を送るのは世界でも初めてだそうです。

毎日、教育再生会議のニュースが流れています。その度に、何もできないもど
かしさにおそわれます。今日は「ゆとり教育を見直し、土、日の補習も認める
方向」という話が紹介されていました。
ゆとり教育とはなんだったのでしょう。知育偏重ではなく、もっと考える力を
というかけ声で、教科の授業時間と学習する内容を減らし、その代わりに総合
学習や選択授業を増やしてきたのは、かつての文部省です。現場の教員の意見
は全く、無視されました。今度は学習内容を増やすことを考え、土、日の補習
も認める、とはどういうことでしょうか。 補習をいくらでもやっていいこと
になれば、どこの学校も必死でやらなければなりません。受験戦争を批判して
おいて、次は競争をあおるのですか。学校で補習をやり、子供はさらに他の子
供と差をつけるために、結局塾へも通うのでしょう。子供の生活を破壊し、教
員を奴隷のごとく働かせ、これが日本がめざす社会なのでしょうか。

指導力不足の不適格教員とは、どういう人のことを指すのでしょう。
私が知っている学校を思い浮かべても、不適格教員などいません。不適格教員
があたかも、学校には大勢いるように、国民に思わせているのは、政府ではな
いですか。世の中の悲惨な事件を教員のせいにしたいのでしょうか。
毎日テレビで流れる、教育再生に関するニュースを、本当に信じられない思い
で見ています。年間3万人もの自殺者の責任はどこにあるのですか?
                 タマラ記


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坊つちやん

今日、偉い人がきて講演していった。生徒に特活で身につけさせるべき物は1に規範意識、2に生命の大切さ、3に自尊感情だそうだ。キーワードは折り合いをつけて生きる技術。規範意識の全くない大臣、それが簡単に自殺してしまうような組織と個人の見識。あたかも大半が不適格教師であるかのような政府のアナウンス。こんな現状とどう折り合いをつけて教育をしていけばよいのか。答えはもちろんなかった。
by 坊つちやん (2007-05-29 03:39) 

tamara

政治が正しい方向を向いていないことが、今回のことでなおはっきりしたのではないでしょうか。政治家の世界で起こる問題は、庶民の世界でも起きているのです。会社に飼い慣らされ正義の基準がいつの間にか変わってしまい、そのあげく会社につぶされて自殺する人がなんと多いことか。
どんな人でも命の重みには変わりありません。自ら命を絶つのと、生きたいのに戦争のせいで殺されるのとどちらが悲惨なのでしょう。人の死によって命の重みを感じることができる人なら、なんとしても戦争を回避しようと思うはずです。そして生活苦のために死ぬ人がないよう手をさしのべるはずだと、思います。
by tamara (2007-05-30 00:05) 

mai

昨日から「青い光が見えたから(16歳のフィンランド留学記)」という本を読んでいます。知人の話では書店に平積みになっていたそうですから、話題になっているのでしょうか。私のブログでも取り上げたいと思いますが、フィンランドの高校の豊かな教育、生徒たちの伸びやかさ、優しさに感動します。想像力を育む教育がされています。安倍氏の目指すような管理強化、全体主義的教育では絶対にこのような結果は生まれないと確信します。「きのくに」に似ている点が多くて、ちょっとびっくりです。子どもがきのくにに入学できないかなあ〜。私の夢です。
by mai (2007-05-30 13:24) 

mai

肝心の記事に対する感想が抜かっていました。全教さん、頑張りますね。今の日本では政治にも世論にも教育に対する自浄作用は期待できませんから、国際的な組織に訴えることが必要だと思います。教育基本法の時も、子どもの権利条約の違反で国際的に何とかならないかと素人ながら考えていました。もっともっとこういう動きが起こるといいですね。
by mai (2007-05-30 13:56) 

tamara

まいさん、本当に国際的に訴えていくような動き、もっと早くにやれなかったものか、と思いますね。訴えてどうにかなるものではなくても、ニュースになって、一般の人たちにアピールできるだけで、政府の暴走を少しだけでもストップできたのでは、と思います。もう何でもいいからやりたかったですね。
今日もテレビで党首会談見てしまいました。「年金問題」これまでずっと与党だった政府にしっかり責任取ってほしいです。
どうやって取るのか見ものですが。
by tamara (2007-05-30 22:00) 

ふきあげさなえ

高い年金を払い続けてきたのに、受け取れないなど、とんでもないことです。
社会保険庁を解体して民営化することを安倍首相は言い出しています。とんでもないことです。問題を解決せずに国が直接責任を取らなくなったら、国民の年金はどうなるのでしょうか。
最後まで国が責任を取るべきです。社会保険庁を解体して責任逃れをするべきではありません。
NHk記者が野党の追及を「選挙がらみ」などと解説していました。
これもとんでもないことです。国民の目から見てどうなのかを解説すべきです。
by ふきあげさなえ (2007-05-30 22:42) 

mai

こんにちは。ILO調査の続報をたまたまネットの朝日新聞で見つけましたので記事にしました。そのなかで、タマラさんの文章を大幅に引用されていただいています。お読みいただいて、もし不都合なことなどありましたら、削除、訂正等しますので、お知らせください☆それにしても日教組と全教、何とかなるのでしょうか??(門外漢なのでさっぱりわかりません)
by mai (2007-06-01 10:31) 

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