本当に毎日新聞の記事？ [生活／くらし]
いつもニュースソースを得るのはこうしたオンライン新聞記事なのですが、今回はちょっと目を疑いました。
毎日新聞 ＜愛知女性殺害＞被害者、事件翌日に交際男性と食事の約束
名古屋市千種区春里町２、派遣社員、磯谷利恵さん（３１）の拉致・殺人事件で、磯谷さんは事件に遭った翌日の２５日、今春から交際していた男性と食事の約束をしていた。男性とは趣味の囲碁を通じて知り合ったといい、今年中には囲碁の初段を目指していたが、凶行に夢を断たれた。２人が通っていた囲碁の出来るカフェの経営者の男性は「（容疑者に）心はあるのか」と、やるせない表情を見せる。
子どものころの磯谷さんを知る関係者は「大人しい性格」と口をそろえる。小中学校時代の同級生の名古屋市緑区のパート女性（３０）によると、磯谷さんは中学校時代、文芸部と読書クラブに所属。丁寧な字でノートを取る姿が印象的だったという。近所の人も「犬の散歩中に会った時、ずっと犬をなでてくれた」と振り返り、誰からも穏やかな印象を持たれていた。
一方、磯谷さんが普段は見せない負けず嫌いな一面をのぞかせたのは、名古屋市中区新栄のカフェだった。このカフェは毎週１回、客や経営者が対局する「囲碁会」を開いており、磯谷さんは囲碁会に欠かさず参加していた。経営者の男性（４９）によると、磯谷さんが囲碁を始めたのは２５～２６歳のころといい、友人から「おしゃれなカフェで囲碁が打てる」と誘われ、今年４月から、このカフェに通い始めた。
磯谷さんは手作りのケーキを持参したり、好物のワインを飲んでおしゃべりも楽しんでいたという。囲碁には熱心で、自宅でもインターネットを使った囲碁で腕を磨き、「今年中に初段を取りたい」と意欲的に取り組んでいた。プロと対戦する時でも「絶対に負けたくない」と勝ち気な側面を見せ、一局に６時間かけることもあったという。
交際していた男性とも、このカフェで知り合った。事件の１０日ほど前、磯谷さんは名古屋市中区の名古屋城の夏祭りへ２人で行き、夜空のペルセウス座流星群を眺めた。その時、浴衣姿で幸せいっぱいにほほ笑む磯谷さんに男性がシャッターを切った写真は、磯谷さんが撮った生前の最後の写真とみられる。
事件を知らない男性は２５日、食事の待ち合わせ場所で、磯谷さんが現れるのを待ち続けた。携帯電話に連絡したが、応答するはずもなく、２３日の電話が最後の会話となった。取材に応じた男性は「『食事が楽しみ』とうれしそうに話していたのに」と大粒の涙を流し、深くうなだれた後は言葉を継ぐことが出来なかった。【松岡洋介】
いったいこの記事は何ですか。
この女性を面識もない男達が金銭を奪うために殺害したという事件です。当然これを断罪し、罰が下されなければなりません。
この女性がどんな趣味を持っていたか、ケーキやワインが好きだったか、交際している相手がいたか、こんなことを新聞が記事にしているのに驚きました。
中にはこうしたことに興味のある読者もいるでしょう。また事件の悲惨さを際だたせようという意図があると言われれば、わからないではありません。
最初に懸念されるのは、遺族の方や周囲の方がこうした報道を本当に望んでいるか、あるいは承諾したのかということです。まずそれをクリアしなければならないと思います。
また、こうしたことを伝えるのは、週刊誌かワイドショーと思っていました。毎日新聞関係であれば、サンデー毎日誌面か、TBS系列「朝ズバッ！」か「ピンポン！」「ブロードキャスター」なのではないですか(あまり見たことはありませんが)。
新聞は事件を冷静に捉え、犯罪そのものを分析し、この犯人の為した罪に対して検察の求刑はどうなるか、そして裁判所がどんな判決を下すか、それを報道するのが仕事だと思っていました。
こんな記事は本当にサンデー毎日向けのものが誤ってまぎれ込んだのだと思いたいところです。
殺害された被害者が囲碁が強いと、交際相手の男性がいると、それだけ量刑を重くするのでしょうか。逆に交際相手のいない、趣味も特にない被害者だったら量刑が軽くなるのでしょうか。そんな風に考えているのなら、被害者に対する侮辱でもあります。
そして何より加害者はその罪によって裁かれるべきであり、こうした周辺状況は関係ないはずです。
万が一こうした報道をすることによって犯人をより厳罰に、などと思っているのなら、先に取り上げた九州の酒気帯び事故の裁判における検察の行動と同様、間違っていると思います。
一体何を考えているんだ、毎日新聞。
おめえも何考えてんだ うぜー
by NO NAME (2007-11-05 10:36)
コメントの意味がわかりません。毎日新聞の記事を支持しているんですか？
by 筍ＥＮＴ (2007-11-05 22:23)