人権と権力の区別 [┌人権擁護法案]
人権擁護法案で大騒ぎになっていますが、その”人権”ってのは一体何か?私は少なくとも他人に強制する力を人権と呼ぶべきではなく、強制力が付いた時点で、それは既に権力と呼ぶべきであって、おかしいと思う。
そもそも人権という概念は日本が発想したもんじゃなくて欧米発と思うけど、「日本の人権」と「欧米の人権」では、微妙に何かが違うように感じる。日本の「人権を叫ぶ」諸団体を見ていると、人権と権力は対立するものだと思いこんでる。しかし、海外の人権という発想では、どうも「権力あっての人権」という発想があるように思う。もちろん彼らは「権力と人権が対立する」事もあれば「権力によって人権が保護される」事もあると考えているだろう。しかし原則としては「権力あってこその人権」であって、権力(警察とかの手段)によって人権は守られ、また”そうでなければならない”と考えているように思える。そして、人権を守るために強制力を持つ力を権力とし、自然に備わっている権利を人権であると、ちゃんと区別をしているように思える。
そう考えると、人権擁護法案は次々指摘されている内容だけが問題じゃなくて。人権と権力、目的と手段、理念と強制、をそれぞれ混同しているのも大きな問題だと思う。少なくとも強制力を持った段階で”法律名から人権擁護”という文字を消すべきで、仮に人権擁護という法律名を冠するならば、それは理念法として”どうあるべきか”という実務的な部分(組織だの調査権だの処罰だの)を一切抜いた法律を作り、それを根拠法としてさらに別途組織を規定する部分と処罰告発調査する部分をそれぞれ規定すべきだと考える。
つまり、早い話が人権擁護法案は題名変更し三分割すべきである。
では、どういう題名(法律名)にし、どう分割すべきか。
以下私案だが
1.理念 「人権擁護理念法」(どうあるべきか、目的を明記する法律)
2.組織 「差別および人権侵害に関する調査機関を設置する法」(手段)
3.処罰 「差別および人権侵害の処罰規定法」(手段)
これで良いのではないかと思う。(もちろん、内容もしっかり作って)
このように考え、改めて現行の人権擁護法案に反対します。
投稿直後、若干修正しました。2005/3/24 7:17
by takamori (2005-03-24 07:17)