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中小企業のデザイン導入時の問題点! [デザインプロセス]

先週、とある財団法人のとある委員会にて、「中小企業とデザイン」というテーマで、自身の事例を元に発表させていただく機会があった。質疑に対して応答してる最中に、改めて捉え直した事柄があった。やっぱり中小企業の商品開発においては、デザインワーク以前が問題なんだと…。

まず(外部から招聘されたデザイナーとして)出くわす最初の障壁。それは、「デザイン」の正否が、直接的、間接的問わずそのほとんどを「制約条件」が握っている…ということが理解されないという壁。そして次の障壁は、理解は示しても、「制約条件の確定」について、誰が案を作り、誰と誰が責任をもって検討して、誰が承認するのかの「仕組みとルール」を決めないままスタートしようとすることだ。

「デザイン(狭義の意=コンフィグレーション/スタイリング/カラーリング等々)」を検討するには、情報が必要になる。それら全てが「制約条件」と呼んでいい事柄だと思う。とはいえ、彼らの脳裏に反射的に浮かんでくるのは、「コスト」、「スケジュール」という、ほぼ2つに集約されてくる事柄。「どう作るか…」に濃く直結する内容だから当然だけれど、それだけで「良し」としてしまいがちなところに、更なる障壁がある。

そう、商品開発がうまくいかない場合、それらを押し進める「方法」の構造的な問題だったりするのだけれど、それも理解されないケースが多い。なぜなら、彼らにとっては顕在化してない問題だからだ。「何を面倒くさいことを言ってんのぉ。はやくデザインしてよぉ…」となる。
「デザイン」と「開発」の両輪が機能すれば、モノは出来る。でもそれだけでは「4P(Product/Price/Place/Promotion)」の全体を考慮しながら商品開発したことにはならず、その後でしわ寄せがやってくる。デザインのプロトタイプをメッセージの立体的な媒体としてだけ使うならいいけれど…。

では、それらの「制約条件」を決めるためには何が必要なのだろうか。

やはり、「制約条件」を決めるために必要な事柄も…「情報」だ。しかし、こちらには「ベクトル(方向と強さ)を持った情報」が不可欠で、それらが入っていないと「制約条件」として確定することができない。…で「ベクトルを持った情報」の「方向」については、その先にある「根拠(=目的)」に、「強さ」については、「重さ(=優先順位)」に、それぞれ紐づいてることが必須だ。「制約条件」の頂点は、「顧客の気持ちがハッピーになる条件」だけれど、これも忘れられやすい事項だ。

中小企業は大手の製造業と異なり、リソースが限られていたり、組織が形骸化していたりするのは承知している。だからと言って、放置していていい問題ではなく、よりクリエイティブに活性化すべきポイントだと思う。そうでなくては、勿体ない!。そういうエンジニアや職人が、この国にはまだ大勢いるのだから。


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