「曲面のデザインが好きなんですねぇ…」、「いやぁ〜、そういう訳では…」

「曲面のデザインが好きなんですねぇ…」と、何人かに声を掛けてもらった（いろいろな場面で…）。そういう場面は、必ずと言っていい程、画像の「Birds-Foot（ブックエンド型CDスタンド／designed by Tetsutaro）」がある時（実物or画像）だ。その前後の発言としては、「有機的な曲面っていいですよね」、「トリの足なんですね」、「（手に取って…）重っ!!」等々…。

以前のエントリーにも少し書きましたが、「カメラの三脚のように、３点で床（水平面）に自立して、立てたCDの側面（垂直面）も３点で支持する。そうすれば機能的には事が足りる…」ということから生まれたデザインです。点接触して、なおかつ相手を傷つけないベストなフォルムは「球」ですよね。ベンツのマークのように120度振りの位置に点としての「球」を置いて、あとはそれらを繋げる形を探しました。
足１本が「！（びっくりマーク）」のような形状なのも、点接触を妨げないように…ということと、コスト面から採用した「鉄鋳物」の製造プロセス上、細部の精度が甘くなる（水平、垂直、平面がきれいに出ずらい）ことが判っていたので、製品歩留まりを良くする（精度が出ないことを、ある意味でごまかす）ため…という理由から採用したフォルムだったりします。実は、デザインしてる途中なんですね。これって「トリの足」っぽくない？…と気がつくのは。

販売を想定してたショップと、そのショップのファン層に喜ばれるであろう商品価値。次に、そこでの価格帯からくるコストの作り込み。それらを念頭に置いた、素材や製造方法の選択に、投資と回収の見込み。それらの要素が重なるところに、嵌まるデザインを探す。半ば無意識に思考しているプロセスを文字にするって、ちょっと違和感ありますが、そんなふうにデザインが進む時って多いですよね。

▼Birds-Footリンク：
AssistOn / Birds-Foot