オガワコマッコウ頭蓋 [生物]
岩手県立博物館にはかなり面白い標本が展示されていて、クジラ類の頭蓋が並んでいるのも見逃せない。オウギハクジラも良いが、恥ずかしながらオガワコマッコウも初めて見たかもしれない。そして、とにかくこのオガワコマッコウが驚異的なのである。
毎度のように立体視に仕上げた写真は、オガワコマッコウの頭蓋を正面から見たものである。今一度強調するが、正面から見たものである。やや遠い位置に展示されていて間近で観察できなかったのが残念だが、手前が吻で、歯がわずかに見えているのがわかる。正中線を辿って脳頭蓋へ視線を移すと…左右へ強くのたくっているのが分かる。孔の非対称性もすさまじい。
クジラ類の頭蓋は左右非対称になっているものがあるのは知識としては知ってはいたが、現物をこう見てみると、さすがに「なんじゃこりゃ」という感じである。
海棲哺乳類頭骨データベース(オガワコマッコウを含む多くのクジラ類の頭蓋画像が見られる)
http://svrsh2.kahaku.go.jp/skull/
2006-09-22 00:00
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コメント(2)
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クジラの頭骨はあまり真剣に観察した事はないのですが、
この左右非対称性はクジラ全体に共通する事なのでしょうか、
またオガワコマッコウの特徴なのか、それとも
特に顕著に出るのか。
上記のサイトでの画像を見る限りでは、
刎部の長いタイプには、それほどの左右非対称性は
ないように見えますが。
何故、このような非対称性を持つのか、不思議です。
by ふらぎ (2006-09-22 09:28)
私もクジラ類の頭蓋は今まであまりまともに観察していなかったため反省しきりなのですが…。
> 刎部の長いタイプには、それほどの左右非対称性はないように見えますが。
私も個人的にはそう感じます。もしかしたら内部の見えないところがすごいことになっているのかもしれませんが、少なくとも外形をパッと見る限り左右対称と言ってしまってよさそうな風であるように感じます。
いろいろと見ていくと、種によってはわずかに非対称っぽかったりと、おそらく種によって程度が違ったりするのだろうと思うのですが、このへんはたぶん見落としてはならないポイントのような気はしています。
by t-usuda (2006-09-22 21:03)